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ムーン・ウォーカーズ ★★★

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人類初の月面着陸を達成したアポロ計画は失敗していたという都市伝説を題材にしたコメディー。月面着陸成功の映像を捏造(ねつぞう)するミッションを下されたCIA諜報(ちょうほう)員が、ひょんなことからとコンビを組んだダメ男と騒動を巻き起こす。監督は、CM界で活躍してきたアントワーヌ・バルドー=ジャケ。『ハリー・ポッター』シリーズのルパート・グリント、『ヘルボーイ』シリーズなどのロン・パールマンらが出演。破天荒な設定とブラックな笑いの数々が見もの。

あらすじ:1969年。人類初の月面着陸を目標にしたアポロ計画が成功する見込みがないと判断したアメリカ政府は、ある秘策を始動させる。それは『2001年宇宙の旅』などのスタンリー・キューブリック監督に、アポロ11号月面着陸成功の映像を捏造(ねつぞう)させるというものだった。その依頼をするために彼がいるロンドンへ向かったCIA諜報(ちょうほう)員キッドマン(ロン・パールマン)だが、借金に苦しむ青年ジョニー(ルパート・グリント)に巨額の資金を奪われてしまう。慌ててジョニーを追い掛けるも……。

<感想>アポロ計画とヴェトナム戦争というケネディ大統領時代の遺産は、いまだにアメリカにとってのトラウマであるらしく、その意味でのこの映画は「インターステラー」と同じ精神風土に培われているように思えた。
1969年、ヴェトナム戦争帰りでトラウマを患うCIA諜報員のロン・パールマンが、アポロ11号失敗の保険のためある任務を任されるというお話。
何度か耳にしたお話なのだが、アポロ11号の月面着陸映像は、スタジオで撮られたニセモノだという説が、当時からさんざん言われてきたことなのだが。
この映画は、その説をネタにして、ドタバタコメディにしたもので、CIAが捏造映像をキューブリックに偽の月面着陸映像を撮らせようとするけれど、その資金を騙し取られてしまうのが、CIA諜報員のロン・パールマン。

騙した方もすぐにその金をギャングに取り上げられてしまう。イギリスでそもそも人違いをしたことから、事態はハチャメチャな方向へと進んでいくのです。

追い詰められた両者は手を組んで、自分たちで映画を撮ろうという無謀な計画を立てるのですが、なにせ借金に苦しむダメ男ジョニー扮するのがルパート・グリント。「ハリー・ポッター」シリーズのロン役の子で、お調子者で優柔不断、押しが弱いのでここ一番踏ん張れない典型的な負け犬タイプ。

対照的に押しの強さを見せるCIAの諜報員キッドマンには「ヘルボーイ」のロン・パールマンだから、強いの何のと銃を乱射したり、喧嘩なら負けることがない殴る蹴るの無敵の強さを誇る男。ベトナムの戦場で子供を焼き殺したりした幻影が目の前に映り、悪夢に苦しみ、麻薬でラリったりするあのパールマンの愛嬌のある顔って憎めないのだ。この凸凹コンビが中々の良い組み合わせだったりして。

世界を騙そうとした計画が、逆に騙されてしまうという着想が面白かった。この時代設定は、ヒッピー文化真っ盛りで、サイケデリックなアートやファッションと、ドラック・カルチャーの全盛期だったのよね。

ジョニーがマネージメントしているロックバンドが、ロックオペラを作りたいと主張しつづけている。キューブリックの代わりに月面着陸映像を監督する前衛芸術家レナータスの雑然としたアトリエや、そこでたむろしている美女たち。その当時のディテールが映像に詰め込まれているのが艶やかで派手でいい。

「月面着陸捏造説」を基にした本作のような映画を観ると、物語自体は何て事ないが、インモラルな空気とおバカなテイストがミックスしていて、本当に人類は月に行ったのだろうかと、議論を蒸し返したくなるのだが、監督がフランス人のアントワーヌ・バルドー=ジャケとくれば、納得でもある。
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