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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 ★★

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孤独な吸血鬼の少女と人間の青年の運命的な出会いを、イランの架空の町を舞台に描いたヴァンパイアムービー。気鋭の女性監督アナ・リリー・アミールポアー初の長編作で、モノクロの映像美、絶妙な音楽センスがサンダンス映画祭など世界各地の映画祭で高い評価を得た。『ブラック・ハッカー』などのイライジャ・ウッドが製作総指揮に名を連ねている。美しきヴァンパイアを、『アルゴ』などのシェイラ・ヴァンドが演じる。
あらすじ:麻薬に溺れた者や娼婦(しょうふ)がうろつく希望のかけらもないゴーストタウン。ジャンキー、ポン引き、娼婦・・・、そこは死と絶望に満ちている。バッド・シティを夜な夜な徘徊(はいかい)する黒衣の美少女(シェイラ・ヴァンド)。その正体は、町の悪人たちを襲っては血を吸うヴァンパイアだった。ある夜、孤独な青年(アラシュ・マランディ)と出会った彼女は、運命に導かれるように彼と心を通わせていくが……。

<感想>女性監督によるヴァンパイアもの、「ぼくのエリ 200歳の少女」のようなゴシック・ホラーを想像してしまいがちだが、これは現代のとある町“バッド・シティ”を舞台に、そこでは、街の通りには娼婦が立ちんぼしており、黒いマントを着た女が、1985年生まれではどうみても少女には見えなかった。それに、ヴァンパイアという設定でもあり、娼婦と同じように夜に立ちんぼしているから、客に声を掛けられる。

それに、セリフは全てペルシャ語でチンプンカンプンですから。舞台もイランという設定らしいが、本当はカリフォルニアで撮影されたアメリカ映画なんです。映像がモノクロワイドで、フォーカスのイン・アウトがうるさすぎという向きもあるが、映像、イラン・ロックにテクノミュージックのサウンド、音楽がそれらしく聞こえるがうるさ過ぎ。

最初が、街のポン引きらしい刺青チンピラ男、サイードに声を掛けられて、その男の家へと。そこは、虎やライオンのソファや敷物、壁には鹿の剥製が飾られており、一見豪華な雰囲気。テーブルの上にはアタッシュケースの中に、札束と麻薬がたくさん入っていた。ヴァンパイアの少女は、そのポン引き男の指を口に加えてそのまま食いちぎり、苦しんでいる男の首にかぶりと血を吸いつくすのだった。
そこから持ちだしたものは、時計とネックレスやブレスレットの類だけ。そこへ、そのポン引きから父親が借金をして麻薬を買っている息子のアラシュがやってきて、借金の方に愛車を取られてしまい、返してもらおうと訪ねて来ると。そこからヴァンパイアの少女が出てくる。

家に中へと入ると、すでにポン引き男のサイードは死んでいた。そこで、愛車の鍵を盗み、テーブルの上のカバンも頂いて急いで家へ帰る。家では、父親が薬が切れて朦朧として、廃人同様。息子は父親を何とかして麻薬から抜け出るようにと願っているも、ダメな父親は息子を罵倒して禁断症状で暴れ、金と麻薬を与える息子。
その金で娼婦を買い、その娼婦にも麻薬を注射して、2人であの世へと逝ってしまう。その父親を、道端で発見するも、そのままでして置くのはどうかと思う。それに、この“バッド・シティ”では、ヴァンパイアがよく出るらしく、被害にあった人間が、ゴミのように水のない川に棄てられているのに呆れ返る。
ちょいとイケメンのアラシュは、豪邸の使用人であり庭の草刈をしたりしていて、そこのお嬢様に声を掛けられる。その娘は鼻を整形しており、鼻にバンソウコウを張っていた。そして、無造作に置かれてある高価なジュリー、花の形のピアスを盗み、パーティへドラキュラに変装していくアラッシュ。

薬を飲まされ酩酊状態のアラッシュ、街角で黒いマントの少女と出会う。家へ連れて行かれて、まさかアラッシュも美少女ヴァンパイアの餌食になるのか?・・・と思いきや、どうやら少女はアラッシュに惚れてしまったらしい。
アラッシュも少女を気に入り、盗んだピアスを上げるのだが、耳に穴が開いていない。少女が安全ピンで開けてと言うので、アラッシュがライターの火でピンの先を消毒して耳たぶに穴を開けてやり、ダイヤの花のピアスを付ける少女。

プレゼントしてもらうのなんて初めてなのでは、それに、この美少女は、あまりしゃべりませんから。アラッシュが拾ってきた猫が、周り回ってその美少女の家にいた。もしかして、ヴァンパイアの手先なのかも。

どうやら、この美少女ヴァンパイアは、悪人のみの血を吸い、女子大生みたいな部屋に住んでいる。きっと、この家の住人もこのヴァンパイアの餌食になり、乗っ取られたのだろう。
ヒロインの少女に黒いチャドルをかぶせて、吸血鬼の黒装束に見立てて、荒廃とした街の悪人を超自然的な力で成敗させたのは、イラン社会に対する監督の見解のメタファーとしか思えませんから。ですが、猫がいい塩梅に出て来て、それも黒猫でなくニ毛猫で可愛いんですよ。
最後が、ヴァンパイアに襲われた被害者がTVで映し出され、指名手配となった美少女が映し出されて、2人に猫ちゃんと車で何処かへ旅に出るという終わり方もいいですね。
普段見慣れているヴァンパイアものと期待すると、全然違っていて私にはがっかりな映画でした。
2015年劇場鑑賞作品・・・238映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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