名門少年合唱団に入団した問題児が、厳格なベテラン指導者の導きにより歌う喜びを見いだし、成長していく人間ドラマ。監督は、『レッド・バイオリン』などのフランソワ・ジラール。天性の美声を持つ少年役には、本作が初の長編映画出演となるギャレット・ウェアリング、その才能を開花させる合唱団団長を名優ダスティン・ホフマンが熱演。さらにオスカー女優キャシー・ベイツ、エミー賞受賞経験のあるエディ・イザードら実力派が脇を固める。
あらすじ:12歳のステット(ギャレット・ウェアリング)は、学校でトラブルばかり起こす問題児。生活に追われ酒に溺れる母親と暮らしている。ステットが通う学校の校長スティール(デブラ・ウィンガー)は彼の歌の才能を見抜き、国立少年合唱団のオーディションを受けるように勧めるが、ステットは未来への希望を見いだすことが出来ず、心を閉ざしている。そんな折、突然の事故で母親が亡くなり、初めて会った父親(ジョシュ・ルーカス)からも面倒をみることを拒否されたステットは、著名だが厳格なカーヴェル(ダスティン・ホフマン)が指導する全米一の国立少年合唱団の付属学校に転校することに。
楽譜も読めず同級生たちからいじめられるステットだったが、やがてカーヴェルの指導により、歌うことの素晴らしさや楽しさに気が付いていく。
<感想>ボーイ・ソプラノと言うとウィーン少年合唱団を思い出すが、こちらはアメリカの国立少年合唱団の映画なのだ。私は、この作品を観て、初めてその存在を知った。12歳~16歳の微妙な成長期の少年たちが選ばれて、その歌声の才能を磨き成長する古典的な物語を手堅く描いているのがいい。
たぐい稀なる幼い才能の原石が、人格破綻者の鬼教官J・K・シモンズによって完璧なまでに打ちのめされような映画「セッション」のような映画ではありませんから。
つまり取り立てて新しいテーマではないが、ダスティン・ホフマンを始め、見事な演技陣を配し、声変り直前の少年の精神と肉体の危うさを示している。
クリスマスに家に帰れない寄宿舎生活の孤独に、不遇な環境で育った主人公、問題児であるステットが一人教室や音楽室で、歌の練習をする雪の降る寒々として風景がよくマッチしている。ステットは、確かにいい声をしているが、楽譜も読めないのでCDを聞きながら歌を覚えるのだ。
そんな彼を虐めるのは、こういう作品ではよくあることで、誰もがソプラノ歌手でソロを歌いたいし、選ばれたいのだ。しかし、高音が出ないとダメで、それも1オクターブ高いキーで歌う練習をするステット。
少年合唱団が日本ツアーで大好評という、エピソードが本作にも出て来るのだが、天使のようなルックスに、歌声、ライバルばかりの寄宿舎での厳しいボーイズ・ライフと、まさに多くの日本女性のハートを鷲づかみにするツボが満載であります。
校長にはキャシー・ベイツが扮しており、ダスティン・ホフマン演じる合唱団団長カーヴェルを信じていて、アメリカに誇る少年合唱団を引率する素晴らしい教育者でもある。中には、カーヴェルが見出したステットを気に入らない先生もいる。
それに、ステットを虐めるソロパートの生徒との喧嘩で、学校を退学しなければならないところを、カーヴェルがステットの美声を使いたいと練習をさせる。
丁度ソロパートの少年が風邪で声が出ないこともあり、ステットに白羽の矢が。カーヴェルが少年に自分の人生を語るシーンに、誰にでもチャンスはあると、しかしそのチャンスを台無しにはするなと言い聞かせるのだ。
だが、その風邪で寝込んでいたはずの少年が、実はステットを陥れるためにわざと仮病を使ったのだ。ステットがソロを歌おうとして歌詞の書いてある楽譜を見ると無いのですから。酷いことをするもんです、でもステットは暗記をしていたのですね。見事に最後まで謳い上げてくれました。
少年たちが皆とても感じがいいし、特に主人公のステットを演じる新人ギャレット・ウェアリングの、生意気さとか、賢さ、演技力は見ものです。歌声は吹き替えだとしても、発生時の緊張感や、歌い上げる表情とか、悦に入った微笑みがリアルで最高。
これは疑いのない「人間」への信頼に支えられた王道の12歳の少年の映画であり、変声期とともにやがて失われてしまう特別な季節の、約束された儚さをもとに、父親が認知をしてくれて、その後の少年の人生を描いたものでもあります。
それに、全編流れるクリスマスの名曲の数々が最高で、つい聞き惚れてしまうこと間違いありませんから。
2015年劇場鑑賞作品・・・189映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:12歳のステット(ギャレット・ウェアリング)は、学校でトラブルばかり起こす問題児。生活に追われ酒に溺れる母親と暮らしている。ステットが通う学校の校長スティール(デブラ・ウィンガー)は彼の歌の才能を見抜き、国立少年合唱団のオーディションを受けるように勧めるが、ステットは未来への希望を見いだすことが出来ず、心を閉ざしている。そんな折、突然の事故で母親が亡くなり、初めて会った父親(ジョシュ・ルーカス)からも面倒をみることを拒否されたステットは、著名だが厳格なカーヴェル(ダスティン・ホフマン)が指導する全米一の国立少年合唱団の付属学校に転校することに。
楽譜も読めず同級生たちからいじめられるステットだったが、やがてカーヴェルの指導により、歌うことの素晴らしさや楽しさに気が付いていく。
<感想>ボーイ・ソプラノと言うとウィーン少年合唱団を思い出すが、こちらはアメリカの国立少年合唱団の映画なのだ。私は、この作品を観て、初めてその存在を知った。12歳~16歳の微妙な成長期の少年たちが選ばれて、その歌声の才能を磨き成長する古典的な物語を手堅く描いているのがいい。
たぐい稀なる幼い才能の原石が、人格破綻者の鬼教官J・K・シモンズによって完璧なまでに打ちのめされような映画「セッション」のような映画ではありませんから。
つまり取り立てて新しいテーマではないが、ダスティン・ホフマンを始め、見事な演技陣を配し、声変り直前の少年の精神と肉体の危うさを示している。
クリスマスに家に帰れない寄宿舎生活の孤独に、不遇な環境で育った主人公、問題児であるステットが一人教室や音楽室で、歌の練習をする雪の降る寒々として風景がよくマッチしている。ステットは、確かにいい声をしているが、楽譜も読めないのでCDを聞きながら歌を覚えるのだ。
そんな彼を虐めるのは、こういう作品ではよくあることで、誰もがソプラノ歌手でソロを歌いたいし、選ばれたいのだ。しかし、高音が出ないとダメで、それも1オクターブ高いキーで歌う練習をするステット。
少年合唱団が日本ツアーで大好評という、エピソードが本作にも出て来るのだが、天使のようなルックスに、歌声、ライバルばかりの寄宿舎での厳しいボーイズ・ライフと、まさに多くの日本女性のハートを鷲づかみにするツボが満載であります。
校長にはキャシー・ベイツが扮しており、ダスティン・ホフマン演じる合唱団団長カーヴェルを信じていて、アメリカに誇る少年合唱団を引率する素晴らしい教育者でもある。中には、カーヴェルが見出したステットを気に入らない先生もいる。
それに、ステットを虐めるソロパートの生徒との喧嘩で、学校を退学しなければならないところを、カーヴェルがステットの美声を使いたいと練習をさせる。
丁度ソロパートの少年が風邪で声が出ないこともあり、ステットに白羽の矢が。カーヴェルが少年に自分の人生を語るシーンに、誰にでもチャンスはあると、しかしそのチャンスを台無しにはするなと言い聞かせるのだ。
だが、その風邪で寝込んでいたはずの少年が、実はステットを陥れるためにわざと仮病を使ったのだ。ステットがソロを歌おうとして歌詞の書いてある楽譜を見ると無いのですから。酷いことをするもんです、でもステットは暗記をしていたのですね。見事に最後まで謳い上げてくれました。
少年たちが皆とても感じがいいし、特に主人公のステットを演じる新人ギャレット・ウェアリングの、生意気さとか、賢さ、演技力は見ものです。歌声は吹き替えだとしても、発生時の緊張感や、歌い上げる表情とか、悦に入った微笑みがリアルで最高。
これは疑いのない「人間」への信頼に支えられた王道の12歳の少年の映画であり、変声期とともにやがて失われてしまう特別な季節の、約束された儚さをもとに、父親が認知をしてくれて、その後の少年の人生を描いたものでもあります。
それに、全編流れるクリスマスの名曲の数々が最高で、つい聞き惚れてしまうこと間違いありませんから。
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