『6才のボクが、大人になるまで。』などのイーサン・ホークが主演を務めたサスペンス。年に1度だけ殺人をはじめとする全ての犯罪が許されるという政策が施行される中、決死のサバイバルを繰り広げる一家の姿を追い掛けていく。監督は、『交渉人』などの脚本を手掛けてきたジェームズ・デモナコ。『300 』シリーズなどのレナ・ヘディ、テレビドラマ「ブラザーズ&シスターズ」シリーズなどのマックス・バークホルダーらが共演。息詰まる展開はもちろん、むごたらしいバイオレンス描写にも圧倒される。
あらすじ:1年に1晩だけ犯罪を合法とするパージ法。その施行により犯罪率も失業率も劇的に改善し、アメリカはかつてない平和な時代を迎えていた。セキュリティ・システムを販売する会社のセールスマン、ジェームズ・サンディンは、売り上げも好調で、妻メアリーと2人の子どもと幸せな日々を送っていた。そんな中、今年も“パージ”の日を迎える。それでもサンディン家には、ジェームズ自慢の堅牢な防犯システムが備わっており、なんの心配も必要ないはずだった。ところが、息子のチャーリーが、家の前で助けを求める見知らぬ男性を家の中に入れてしまう。やがて男性を標的にしていた暴徒たちが玄関前に現われ、男性を引き渡すようジェームズに迫ってくるのだったが…。
<感想>2013年の作品だったのですね。ホラー映画というより近未来型人間狩りバイオレンスだと思う。それでも、まるでホラー映画のように演出されている部分があるので、怖いもの苦手な人にはダメでしょう。
近未来のアメリカ政府。膨れ上がる犯罪と失業率を抑えるために、定めた制度。それが、1年に1度、夜の7時から12時間だけ「殺人、強盗、放火、レイプなど、普段やりたくてうずうずしている犯罪は何をしてもOKよ!」という。
こんな制度が施行されるわけないと思いつつ、アメリカならさもありなんと思わせるところもある。その目的に社会的弱者の間引きがあると判ると、さらに妙なリアリティが漂ってくるのだ。
2020年、パージがすっかり定着したその年に、イーサン・ホーク演じる主人公は、対パージ用の家の周りの警備システムの販売で、大儲けした営業マン。毎年、パージの夜は警備システムによって要塞化した自宅の中で、家族と共に豪華な夕食をして、優雅な朝を待つのが恒例だった。
ここは、高級住宅地だから、警備システムさえ頑丈であれば、家の中までは入り込まないと安心していた。夜の12時間というタイムリミット。娘は高校生だと思うが、恋人の男をベッドに誘い込み、2人でイチャイチャしている。パパとママはそんなことは知らないし、それに弟が防犯カメラ越しに、玄関で助けを求める黒人男を家の中へと入れてしまう。
勝手に要塞を解除してしまう馬鹿な息子のために、父親が絶対に外からは侵入出来ないような家の警備装置だったのに。そして、娘の男を見つけて拳銃の引き金を引き殺してしまう父親。それに激怒する娘が、怒って自分の部屋に閉じこもる。これがやっかいな始まりだった。
なにかと足を引っ張る娘の存在も、ワンシチュエーション・スリラーとしての面白みを引き立たせてぐいぐいと引き込まれてしまう。それがきっかっけで、家の防犯設備も崩れていき、家族の絆も壊れていく。あのジョディ・フォスターの「パニック・ルーム」(02)を思い出してしまった。
だから、家の周りにワラワラと男女が集まってくるあたり、積み重ねてきた恨み妬みヤッカミを晴らそうと襲い掛かるいい歳をしたご近所さんたち。このお隣さんたちは、この家が警備システムで儲けていることに腹を立てており、このパージの日に日頃の恨みを晴らそうと、玄関の扉を開ける道具、チェーンを縛ってトラックで引っ張り防火扉を破壊するのだ。
拳銃はもちろん、両手にナタや斧、ショットガンまで持ち撃ちまくるのだ。玄関や窓ガラスを破って押し入ってくるご近所さんたち。黒人を引き渡せと言っていたが、日ごろのウップンを晴らすためなのだ。豪邸の中は無惨に破壊されてしまい、近所の女たちが白いワンピースを着ているのも異様に恐ろしい。何故かと言うと、血しぶきで真っ赤に染められている白いワンピース。
父親のイーサンが、ご近所さんの若者に刺されて死んでしまうし、奥さんはなんとか子供2人を守りたいと頑張るも、返って家の中へ入れてしまった黒人男に助けられてしまう。皮肉な結果になってしまった。
増悪を浄化(パージ)し、犯罪を減らし、体制維持に有効だという近未来の制度パージ。外敵から家族を守るという小味な映画だが、残念ながらせっかくの設定が十分に生かされていないように思いました。
2015年劇場鑑賞作品・・・169映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:1年に1晩だけ犯罪を合法とするパージ法。その施行により犯罪率も失業率も劇的に改善し、アメリカはかつてない平和な時代を迎えていた。セキュリティ・システムを販売する会社のセールスマン、ジェームズ・サンディンは、売り上げも好調で、妻メアリーと2人の子どもと幸せな日々を送っていた。そんな中、今年も“パージ”の日を迎える。それでもサンディン家には、ジェームズ自慢の堅牢な防犯システムが備わっており、なんの心配も必要ないはずだった。ところが、息子のチャーリーが、家の前で助けを求める見知らぬ男性を家の中に入れてしまう。やがて男性を標的にしていた暴徒たちが玄関前に現われ、男性を引き渡すようジェームズに迫ってくるのだったが…。
<感想>2013年の作品だったのですね。ホラー映画というより近未来型人間狩りバイオレンスだと思う。それでも、まるでホラー映画のように演出されている部分があるので、怖いもの苦手な人にはダメでしょう。
近未来のアメリカ政府。膨れ上がる犯罪と失業率を抑えるために、定めた制度。それが、1年に1度、夜の7時から12時間だけ「殺人、強盗、放火、レイプなど、普段やりたくてうずうずしている犯罪は何をしてもOKよ!」という。
こんな制度が施行されるわけないと思いつつ、アメリカならさもありなんと思わせるところもある。その目的に社会的弱者の間引きがあると判ると、さらに妙なリアリティが漂ってくるのだ。
2020年、パージがすっかり定着したその年に、イーサン・ホーク演じる主人公は、対パージ用の家の周りの警備システムの販売で、大儲けした営業マン。毎年、パージの夜は警備システムによって要塞化した自宅の中で、家族と共に豪華な夕食をして、優雅な朝を待つのが恒例だった。
ここは、高級住宅地だから、警備システムさえ頑丈であれば、家の中までは入り込まないと安心していた。夜の12時間というタイムリミット。娘は高校生だと思うが、恋人の男をベッドに誘い込み、2人でイチャイチャしている。パパとママはそんなことは知らないし、それに弟が防犯カメラ越しに、玄関で助けを求める黒人男を家の中へと入れてしまう。
勝手に要塞を解除してしまう馬鹿な息子のために、父親が絶対に外からは侵入出来ないような家の警備装置だったのに。そして、娘の男を見つけて拳銃の引き金を引き殺してしまう父親。それに激怒する娘が、怒って自分の部屋に閉じこもる。これがやっかいな始まりだった。
なにかと足を引っ張る娘の存在も、ワンシチュエーション・スリラーとしての面白みを引き立たせてぐいぐいと引き込まれてしまう。それがきっかっけで、家の防犯設備も崩れていき、家族の絆も壊れていく。あのジョディ・フォスターの「パニック・ルーム」(02)を思い出してしまった。
だから、家の周りにワラワラと男女が集まってくるあたり、積み重ねてきた恨み妬みヤッカミを晴らそうと襲い掛かるいい歳をしたご近所さんたち。このお隣さんたちは、この家が警備システムで儲けていることに腹を立てており、このパージの日に日頃の恨みを晴らそうと、玄関の扉を開ける道具、チェーンを縛ってトラックで引っ張り防火扉を破壊するのだ。
拳銃はもちろん、両手にナタや斧、ショットガンまで持ち撃ちまくるのだ。玄関や窓ガラスを破って押し入ってくるご近所さんたち。黒人を引き渡せと言っていたが、日ごろのウップンを晴らすためなのだ。豪邸の中は無惨に破壊されてしまい、近所の女たちが白いワンピースを着ているのも異様に恐ろしい。何故かと言うと、血しぶきで真っ赤に染められている白いワンピース。
父親のイーサンが、ご近所さんの若者に刺されて死んでしまうし、奥さんはなんとか子供2人を守りたいと頑張るも、返って家の中へ入れてしまった黒人男に助けられてしまう。皮肉な結果になってしまった。
増悪を浄化(パージ)し、犯罪を減らし、体制維持に有効だという近未来の制度パージ。外敵から家族を守るという小味な映画だが、残念ながらせっかくの設定が十分に生かされていないように思いました。
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