本多孝好のベストセラー小説を実写化したアクション。極秘実験で視力・聴力・筋力などが常人よりも発達した青年が、謎の殺りく者集団との激闘を繰り広げながら自身の秘められた宿命と対峙(たいじ)する。メガホンを取るのは、『へヴンズ ストーリー』などの瀬々敬久。『悪人』などの岡田将生と『寄生獣』などの染谷将太が、導かれるように激突する異能力者たちを快演。その脇を、成海璃子、豊原功補、石橋蓮司、伊原剛志らが固める。スリリングなストーリーに加え、岡田が繰り出す体を張った渾身(こんしん)の見せ場にも熱くなる。
<感想>「真夜中の五分前」などの気鋭のミステリー作家、本多孝好の小説を、「デスノート」や「GANTZ」の制作チームが映画化したもの。それは特殊能力者同士の戦いを描くアクションもので、何だかハリウッド映画の「X-MEN」を参考にしたようだ。
極秘機関によって“進化して”誕生した2組の子供たち。特殊な能力を有して育った彼らが選んだ道は、かたや未来への希望を信じ、かたや未来の破壊と、正反対だった。彼らを利用しようとする権力者たちの思惑も絡み、人類の未来を決する悲しい戦いが始まる。
「クロニカル」とは、時間とか年代記という意味で、岡田くん扮する超能力者となった昴が主人公なのだが、彼の率いる希望の集団は、ホルモン操作で身体能力を異常発達させたグループ。
ですが、アクションは「X-MEN」を期待してたので、日本版はいかにもなって感じで物足りなかった。両者の怒りとか友情とか救いとか希望とか、感情がアクションの中に積み重なっていき、それが一気に弾けるという。確かに人間には寿命があり、何時かは死が訪れるのだが、彼らは20歳位の成人になると、体が破綻して死んでしまうというのだ。その短い命を、国の未来のために使うことは出来なかったのだろうか。
未来の希望を信じるのは、脳内ホルモンを操作して異常進化を促し、人間の限界を超える身体能力を発揮できるようになる。
リーダーの昴を演じるのは、岡田将生。視覚と脳内神経の伝達速度が高度に発達し、相手の動きの先を読んで反応できるため、まるで未来を予知しているように見える。またその力によって、見ただけで全ての格闘技を習得できる。仲間を想う気持ちは強く、能力の代償として精神崩壊の危機を抱える仲間を守るために、彼らを生み出したプロジェクトの重要人物である外務副大臣・渡瀬、伊原剛志に渋々ながら協力するも、渡瀬は超能力者となった彼らを全滅させるために警察を使い襲撃してくるのだ。
成海璃子=沙耶、聴覚が異常に発達し、1キロ先の羽音まで聞き取れる好感度すぎる能力に常に悩まされている。音楽大学に通いチェロ奏者で、口は悪いが真っ直ぐな性格で、昴を慕っている。
白石隼也=亘、筋力が異常に発達し、痛覚も麻痺しているため、超剛腕にして無痛。大柄の男を10メートル以上投げ飛ばすことができ、ナイフで刺されても痛みを感じない。精神が破綻して渡瀬のところへ預けられる。そして、何故か狂暴な精神状態となり、破綻を止める注射をしないと生きられない。
清水尋也=良介、目にした全ての事象を映像として脳内に記憶し、さらに求める情報を瞬時に取り出すことができるスーパー・コンピューター並みの情報記憶、検索能力を持つ。それ故に、消せない記憶に悩まされ、繊細で引きこもりがちである。
瀬戸利樹=隆二、速筋が異常に発達し、通常の人間の視覚ではまったく見えないほどの超高速で移動することができる。性格は明るく楽天的で、里親の元で能力を隠し、ごく普通の高校生として暮らしてきた。
もう一つの超能力者の集団は、遺伝子操作で他の生物の能力を持って生まれたきたグループ。そのボスは、学が率いる絶望チームの暗殺者集団アゲハで、染谷将太が車いすに乗り、やるきのない演技でかったるそうに「僕は体内に致死率80%のウィルスを共存させていて、死ぬと抑制抗体がなくなり、ウィルスが拡散されてしまう」と危ないやつを演じている。
学は冷酷で非常識な人物だが、不思議なリーダーシップでチームを統率している。アゲハ蝶のカードを残す殺人事件を次々と起こしているため、「アゲハ」と呼ばれ、チームスバルに追われることに。
松岡茉優=モモ、異常肺活量の動物の遺伝子が組み込まれて生みだされ、口の中の祖列矯正器具に仕込んだ鉄刃をテッポウ魚のように吹いて攻撃する。素早さと破壊力はマシンガン並みだが、素顔は今時のキャピキャピな女の子。
高月彩良=静、フグや蛇の毒素を持つ遺伝子を組み込まれて生まれた。離れた相手をも幻惑麻痺させるフェロモン放ち、硬直した相手に口づけで毒を注入、死に至らしめる。一見クールだが、女性としての豊かな愛情を内に秘めている。若くて美人な静に言い寄られてキスを迫られるなんて、男役者の役者冥利に尽きる。
鈴木伸之=壮、チーターやバッタなどの遺伝子によって、超高速移動の能力を持ち、ボウイナイフを駆使するパワー派。陽気でノリの良いタイプだが、実は刻々と迫る命の期限に恐怖を抱いている。
柳俊太郎=ヒデ、アルマジロや甲虫の遺伝子を組み込まれており、皮膚を鱗状に変形させて、拳銃の弾丸を弾くほどに硬化させることができる。長く鋭い爪は、鋭利な刃物同様の殺傷能力を持ち、リーダーの学ぶに深い忠誠心を抱いている。
黒島結奈=碧、イルカやコウモリなどの遺伝子によって、人間には聞こえない高周波を発し、敵を探索するレーダー能力を発する。ただし戦闘能力は低いが、チームアゲハの中で唯一生殖能力を持つため、彼らの未来への希望を繋ぐ存在となる。
そこに、豊原功補が、元自衛官の武闘派、伊坂役に扮して、渡瀬の腹心の部下であり、謎のプロジェクトに加わる。もう一人、石橋蓮司演じる元官房長官の大曾根は、日本にフィクサーの一人で、昴たちの実験の初期段階に関わっていた。渡瀬を警戒している。
見所は、超能力者たちの瞬間移動とか、銃撃をかわして撃たれて向かっていくとか、最終盤での岡田くんと染谷くんの対峙とか、「今を生きる」という諦めることの素晴らしさというか、人間の業まで感じさせてくれました。それでも、ラスト近くで学がある種の諦めというか、諦念の気持ちを出していましたね。
あんまし期待して見ると、終わった後でがっかりしますよね。何が超能力かって、誰が超能力を発揮してとか、とにかく見て下さいな。もやもや感が残ります。
2015年劇場鑑賞作品・・・132映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>「真夜中の五分前」などの気鋭のミステリー作家、本多孝好の小説を、「デスノート」や「GANTZ」の制作チームが映画化したもの。それは特殊能力者同士の戦いを描くアクションもので、何だかハリウッド映画の「X-MEN」を参考にしたようだ。
極秘機関によって“進化して”誕生した2組の子供たち。特殊な能力を有して育った彼らが選んだ道は、かたや未来への希望を信じ、かたや未来の破壊と、正反対だった。彼らを利用しようとする権力者たちの思惑も絡み、人類の未来を決する悲しい戦いが始まる。
「クロニカル」とは、時間とか年代記という意味で、岡田くん扮する超能力者となった昴が主人公なのだが、彼の率いる希望の集団は、ホルモン操作で身体能力を異常発達させたグループ。
ですが、アクションは「X-MEN」を期待してたので、日本版はいかにもなって感じで物足りなかった。両者の怒りとか友情とか救いとか希望とか、感情がアクションの中に積み重なっていき、それが一気に弾けるという。確かに人間には寿命があり、何時かは死が訪れるのだが、彼らは20歳位の成人になると、体が破綻して死んでしまうというのだ。その短い命を、国の未来のために使うことは出来なかったのだろうか。
未来の希望を信じるのは、脳内ホルモンを操作して異常進化を促し、人間の限界を超える身体能力を発揮できるようになる。
リーダーの昴を演じるのは、岡田将生。視覚と脳内神経の伝達速度が高度に発達し、相手の動きの先を読んで反応できるため、まるで未来を予知しているように見える。またその力によって、見ただけで全ての格闘技を習得できる。仲間を想う気持ちは強く、能力の代償として精神崩壊の危機を抱える仲間を守るために、彼らを生み出したプロジェクトの重要人物である外務副大臣・渡瀬、伊原剛志に渋々ながら協力するも、渡瀬は超能力者となった彼らを全滅させるために警察を使い襲撃してくるのだ。
成海璃子=沙耶、聴覚が異常に発達し、1キロ先の羽音まで聞き取れる好感度すぎる能力に常に悩まされている。音楽大学に通いチェロ奏者で、口は悪いが真っ直ぐな性格で、昴を慕っている。
白石隼也=亘、筋力が異常に発達し、痛覚も麻痺しているため、超剛腕にして無痛。大柄の男を10メートル以上投げ飛ばすことができ、ナイフで刺されても痛みを感じない。精神が破綻して渡瀬のところへ預けられる。そして、何故か狂暴な精神状態となり、破綻を止める注射をしないと生きられない。
清水尋也=良介、目にした全ての事象を映像として脳内に記憶し、さらに求める情報を瞬時に取り出すことができるスーパー・コンピューター並みの情報記憶、検索能力を持つ。それ故に、消せない記憶に悩まされ、繊細で引きこもりがちである。
瀬戸利樹=隆二、速筋が異常に発達し、通常の人間の視覚ではまったく見えないほどの超高速で移動することができる。性格は明るく楽天的で、里親の元で能力を隠し、ごく普通の高校生として暮らしてきた。
もう一つの超能力者の集団は、遺伝子操作で他の生物の能力を持って生まれたきたグループ。そのボスは、学が率いる絶望チームの暗殺者集団アゲハで、染谷将太が車いすに乗り、やるきのない演技でかったるそうに「僕は体内に致死率80%のウィルスを共存させていて、死ぬと抑制抗体がなくなり、ウィルスが拡散されてしまう」と危ないやつを演じている。
学は冷酷で非常識な人物だが、不思議なリーダーシップでチームを統率している。アゲハ蝶のカードを残す殺人事件を次々と起こしているため、「アゲハ」と呼ばれ、チームスバルに追われることに。
松岡茉優=モモ、異常肺活量の動物の遺伝子が組み込まれて生みだされ、口の中の祖列矯正器具に仕込んだ鉄刃をテッポウ魚のように吹いて攻撃する。素早さと破壊力はマシンガン並みだが、素顔は今時のキャピキャピな女の子。
高月彩良=静、フグや蛇の毒素を持つ遺伝子を組み込まれて生まれた。離れた相手をも幻惑麻痺させるフェロモン放ち、硬直した相手に口づけで毒を注入、死に至らしめる。一見クールだが、女性としての豊かな愛情を内に秘めている。若くて美人な静に言い寄られてキスを迫られるなんて、男役者の役者冥利に尽きる。
鈴木伸之=壮、チーターやバッタなどの遺伝子によって、超高速移動の能力を持ち、ボウイナイフを駆使するパワー派。陽気でノリの良いタイプだが、実は刻々と迫る命の期限に恐怖を抱いている。
柳俊太郎=ヒデ、アルマジロや甲虫の遺伝子を組み込まれており、皮膚を鱗状に変形させて、拳銃の弾丸を弾くほどに硬化させることができる。長く鋭い爪は、鋭利な刃物同様の殺傷能力を持ち、リーダーの学ぶに深い忠誠心を抱いている。
黒島結奈=碧、イルカやコウモリなどの遺伝子によって、人間には聞こえない高周波を発し、敵を探索するレーダー能力を発する。ただし戦闘能力は低いが、チームアゲハの中で唯一生殖能力を持つため、彼らの未来への希望を繋ぐ存在となる。
そこに、豊原功補が、元自衛官の武闘派、伊坂役に扮して、渡瀬の腹心の部下であり、謎のプロジェクトに加わる。もう一人、石橋蓮司演じる元官房長官の大曾根は、日本にフィクサーの一人で、昴たちの実験の初期段階に関わっていた。渡瀬を警戒している。
見所は、超能力者たちの瞬間移動とか、銃撃をかわして撃たれて向かっていくとか、最終盤での岡田くんと染谷くんの対峙とか、「今を生きる」という諦めることの素晴らしさというか、人間の業まで感じさせてくれました。それでも、ラスト近くで学がある種の諦めというか、諦念の気持ちを出していましたね。
あんまし期待して見ると、終わった後でがっかりしますよね。何が超能力かって、誰が超能力を発揮してとか、とにかく見て下さいな。もやもや感が残ります。
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