Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

ラスト・リベンジ ★★★

$
0
0
『タクシードライバー』『レイジング・ブル』などの脚本でも知られるポール・シュレイダー監督とニコラス・ケイジがタッグを組んだ、サスペンスアクション。かつて自分にすさまじい拷問を加えたテロリストの所在を知ったCIAエージェントが、その復讐(ふくしゅう)に挑む。製作総指揮に『ドライヴ』などのニコラス・ウィンディング・レフン、共演に『君が生きた証』などのアントン・イェルチン、『エレニの帰郷』などのイレーヌ・ジャコブら、実力派が結集。スリリングな展開に加え、人生の清算に迫った深く重いテーマ性にも注目。
あらすじ:CIAの捜査官として30年もキャリアを積んできたものの、上司から早期の引退を遠回しに勧められてしまったエヴァン・レイク(ニコラス・ケイジ)。ショックを受ける中、部下のミルトン・シュルツ(アントン・イェルチン)からある報告を受ける。それは22年前にエヴァンを監禁して拷問にかけたテロリストのムハメド・バニール(アレクサンダー・カリム)がケニアに潜伏しているかもしれない、というものだった。情報の信ぴょう性を確かめた後、リベンジを果たそうとするエヴァンだったが、彼は前頭側頭型認知証を患っており……。

<感想>我らが愛するニコラス・ケイジの俳優人生を総括すべく魂を込めた渾身の作品。本作で彼は、かつて自分を死の直前まで追いやったテロリストへの妄執を抱えながらも病と立ち向かう“演技派”の部分と、東欧からアフリカへと飛びまわり、襲い掛かる敵と闘うアクション俳優の部分という、役者としての二つの側面を見事に融合して見せている。

冒頭部分で、22年前にレイクを監禁して、拷問をした過激派テロリストのムハメド・バニールと、エヴァン・レイクのニコラス・ケイジが映し出され、余りにも酷い拷問なので、これ以上だと死に至るという時に、やっとアメリカのCIAによる救出作戦で助け出されるエヴァン・レイクの迫真の演技にも注目あれ。
主人公のレイク役に魅せられたニコケイは、2か月間徹底した役作りを敢行する。不治の病が徐々に進みながら、迫りくる死への恐怖を抱えながらも戦う男を見事に演じきっている。

60過ぎのCIAのベテラン捜査官である、レイクを演じているケイジの風貌は、髪の毛(ズラ)も白髪でどうみてもお爺さんのようだ。意識が途切れ、記憶が欠落していく、前頭側頭型認知証という病を抱えながらも、引退勧告を受けるのだが、復讐の一念で敵を追うレイク。CIA時代に培ったあらゆる情報網を使い宿敵バニールをじわじわと追い詰めていく。狂気にも似たような執念の追跡劇には驚愕であります。
そこへ、宿命の敵であるテロリストのバニールに繋がる手掛かりが入るのだが。妻も子供もない孤独なレイクには、どうしてもバニールを殺したいという“人生の清算”をしたいと言う気持ちが募る。

最後の復讐のチャンスに燃えるレイクは、CIAの中で唯一の理解者のミルトンと共に、ルーマニアへと飛ぶ。ミルトン役のアントン・イェルチンって、どこかで見かけたと思ったら、「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」で主人公の死者が見える霊能力者、オット・トーマスを演じた彼。その他にも「君が生きた証」にも出演している。

このルーマニアでバニールが服用する薬品の取引があると知り、旧知の女スパイ・ミシェルの協力で薬の行き先を探り、バニールの生存の確証を掴む。
認知症と診断されたレイクが、アル中だったらしく、部屋に来た若いCIA捜査官ミルトンに日本酒を進めるシーンがある。自分は瓶ごとラッパ飲みだ。こんな身体で執念の復讐劇とは、恐れ入ったものだ。

ルーマニアのブカレストのホテルで、いつの間にか外へと出て行ったレイク。どうやら認知症の症状である老人の徘徊のようだ。自分の居場所が判らなくなり、帰る場所も判らないのだ。一緒に来たミルトンが、夜のブカレストを探し回ってレイクを見つけたからいいようなものの。レイクから目を離せなくなる。

どうやら夜になると認知症の症状がひどくなり、自分のしていることが分からなくなるようだ。認知症で余命わずかということもないと思うが、一応レイクは末期の認知障害と診断されてしまい、記憶の混濁、さらには命の危険も。
だが、昼間は大丈夫らしく、バニールへ渡す薬を、医者に化けてケニアに飛ぶレイク。恐るべき執念で敵のアジトである場所を突き止める。

レイクは自分の病気が進行し、意識が混沌とする中で、彼は宿敵バニールと対面するのだが、かつてテロリストであったバニールは、重度の貧血症で彼もまた重度の病に冒されて死が近づいていたのである。
しかしここではバニールを殺すことはできなかった。バニールの傍にいた子分をトイレに監禁して、そこから出るも、後を付けてきた子分が、ホテルで若いミルトンに銃弾が。追いかけるレイクが、その子分を殺して車でバニールの屋敷へと向かう。そこで、バニールと闘うスリル満点の闘いは、レイクの頭に巡る拷問の場面がフラッシュして、最後はレイクがバニールの目玉を指で突き刺すのだ。何という執念。

ホテルへの帰り道、夜のとばりが落ちて真っ暗闇の中を走る車。対向車のヘッドライトが反射して眩しく光る。医者からは車の運転を止められているのに。結局は交通事故死という最期である。お墓の中から、レイクの演説が聞こえてくる。愛国心の強い男による壮絶なる復讐劇でもある。
2015年劇場鑑賞作品・・・94映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles