リベンジを誓った追跡者にして、殺人容疑の掛かった逃亡者である北朝鮮特殊部隊の元エリート工作員を、『トガニ 幼き瞳の告発』などのコン・ユが演じるアクション。妻子を殺した犯人を捜すために脱北した主人公が殺人事件を目にしたことで、憎き敵を追跡しつつも、自らも容疑者として追跡されるさまをスリリングに描く。メガホンを取るのは、『セブンデイズ』などのウォン・シニョン。『依頼人』などのパク・ヒスン、『哀しき獣』などのチョ・ソンハなどが共演。肉弾戦やカーチェイスなど壮絶なアクションはもちろん、登場人物たちの思惑が絡み合うドラマも見応えがある。
あらすじ:北朝鮮特殊部隊の元工作員で、すご腕のチ・ドンチョル(コン・ユ)は運転代行の仕事をしながら、愛する妻子を殺して韓国に逃走した犯人を捜していた。そんなある日、ある要人の殺害現場に居合わせ、死に際に眼鏡を渡される。自分が犯人でないにもかかわらず警察官に現場で目撃されたことで殺人の容疑者となったドンチョルは、対北情報局室長キム・ソッコ(チョ・ソンハ)と防諜専門のミン・セフン大佐(パク・ヒスン)に追われることとなり……。
<感想>東北では現在ミニシアターで上映している映画、それが21日にDVDレンタルしているではないか。というわけで早速借りて来た。鬼才キム・ギドクの脚本で映画化した「プンサンケ」では、軍事境界線を越えてソウルとピョンヤンを行き来する謎の運び屋を通して、南北官憲の思惑が交錯する挑戦半島の複雑な関係を浮き彫りにしたが、本作もまた分断された国を生きる男の生きざまを鮮烈に描いている。
主人公は北朝鮮特殊部隊の元工作員。しかし、愛する妻子を同胞に殺され、復讐に燃え、脱北した犯人を追って自らも韓国へ移り住み、ひっそりと暮らしていた。
無実の罪で追われながら、自分の家族の殺人犯を追うという「逃亡者」パターンだが、主人公が元北の工作員というふうに、南北問題が絡まることで、奥行きが生まれる。復讐という目的で、やっと生に繋ぎ止められているコン・ユの顔がいいが、追ってが迫れば、スーパーマンと化してしまうスタイルの落差を映画は埋め切れていないように思う。
ところが同じ脱北者で、恩人でもある北支援組織会長の殺人事件に巻き込まれ、韓国情報局に追われる身となってしまう。こうして復讐劇と逃亡劇が同時進行し、これに殺人ミステリーが加わって、一瞬の間、隙もない緊張感に導かれながら、愛憎半ばとする人間模様が怒涛のように積み重ねられていく。
そして何よりも、こうした複雑な物語を際立たせているのが、ハリウッドも驚愕するアクションの徹底したハードさとリアルさであります。
「ベルリンファイル」などでも見せた韓国スタントの決死的離れ業と、落下し地面に叩きつけられる痛~い生身の衝撃など、その過激なバイオレンスアクションを文字どおり体現してくれるのが、にわかにトップスターに躍り出たコン・ユである。
「トガニ 幼き瞳の告発」(11)などで見せた、誠実で優しい好青年という従来のイメージをかなぐり捨てて、徹底的な肉体改造と鍛え上げたスタント技術により、「ボーン」シリーズのヒーローを思わせるアクロバットなカーアクション、銃撃戦、肉弾戦とフルコースで、訓練や拷問の多少漫画的な表現も強引に振り切り、韓国映画にアクションというジャンルが根ずいていることを改めて実感した。
落下傘の空中降下は中々の力作で、スカイダイビングの映像だったら感動的なシーンになったかもしれないものを、設定が軍隊になると見え方が180度変わってしまうから恐ろしい。しかし、目の覚めるような激しいアクションを、惜しげもなく披露してくれるので最高。
ですが、最近の韓国若手男優たにの肉体美の素晴らしさは、世界的に見ても群を抜いていると思う。とにかく涙のメロドラマの男役まで、裸になれば筋肉隆々のムキムキマン。見て下さいな、本作のコン・ユの裸体の美しさは当然ながら、極限まで贅肉を削ぎ落とした軽快な身のこなしや、バネのきいた格闘技など、その躍動美に惚れ惚れしますから。
しかしながら、多すぎる要素に振り回され、後半アクションと説明に分解寸前なのは否めない。
2015年DVD鑑賞作品・・・11 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:北朝鮮特殊部隊の元工作員で、すご腕のチ・ドンチョル(コン・ユ)は運転代行の仕事をしながら、愛する妻子を殺して韓国に逃走した犯人を捜していた。そんなある日、ある要人の殺害現場に居合わせ、死に際に眼鏡を渡される。自分が犯人でないにもかかわらず警察官に現場で目撃されたことで殺人の容疑者となったドンチョルは、対北情報局室長キム・ソッコ(チョ・ソンハ)と防諜専門のミン・セフン大佐(パク・ヒスン)に追われることとなり……。
<感想>東北では現在ミニシアターで上映している映画、それが21日にDVDレンタルしているではないか。というわけで早速借りて来た。鬼才キム・ギドクの脚本で映画化した「プンサンケ」では、軍事境界線を越えてソウルとピョンヤンを行き来する謎の運び屋を通して、南北官憲の思惑が交錯する挑戦半島の複雑な関係を浮き彫りにしたが、本作もまた分断された国を生きる男の生きざまを鮮烈に描いている。
主人公は北朝鮮特殊部隊の元工作員。しかし、愛する妻子を同胞に殺され、復讐に燃え、脱北した犯人を追って自らも韓国へ移り住み、ひっそりと暮らしていた。
無実の罪で追われながら、自分の家族の殺人犯を追うという「逃亡者」パターンだが、主人公が元北の工作員というふうに、南北問題が絡まることで、奥行きが生まれる。復讐という目的で、やっと生に繋ぎ止められているコン・ユの顔がいいが、追ってが迫れば、スーパーマンと化してしまうスタイルの落差を映画は埋め切れていないように思う。
ところが同じ脱北者で、恩人でもある北支援組織会長の殺人事件に巻き込まれ、韓国情報局に追われる身となってしまう。こうして復讐劇と逃亡劇が同時進行し、これに殺人ミステリーが加わって、一瞬の間、隙もない緊張感に導かれながら、愛憎半ばとする人間模様が怒涛のように積み重ねられていく。
そして何よりも、こうした複雑な物語を際立たせているのが、ハリウッドも驚愕するアクションの徹底したハードさとリアルさであります。
「ベルリンファイル」などでも見せた韓国スタントの決死的離れ業と、落下し地面に叩きつけられる痛~い生身の衝撃など、その過激なバイオレンスアクションを文字どおり体現してくれるのが、にわかにトップスターに躍り出たコン・ユである。
「トガニ 幼き瞳の告発」(11)などで見せた、誠実で優しい好青年という従来のイメージをかなぐり捨てて、徹底的な肉体改造と鍛え上げたスタント技術により、「ボーン」シリーズのヒーローを思わせるアクロバットなカーアクション、銃撃戦、肉弾戦とフルコースで、訓練や拷問の多少漫画的な表現も強引に振り切り、韓国映画にアクションというジャンルが根ずいていることを改めて実感した。
落下傘の空中降下は中々の力作で、スカイダイビングの映像だったら感動的なシーンになったかもしれないものを、設定が軍隊になると見え方が180度変わってしまうから恐ろしい。しかし、目の覚めるような激しいアクションを、惜しげもなく披露してくれるので最高。
ですが、最近の韓国若手男優たにの肉体美の素晴らしさは、世界的に見ても群を抜いていると思う。とにかく涙のメロドラマの男役まで、裸になれば筋肉隆々のムキムキマン。見て下さいな、本作のコン・ユの裸体の美しさは当然ながら、極限まで贅肉を削ぎ落とした軽快な身のこなしや、バネのきいた格闘技など、その躍動美に惚れ惚れしますから。
しかしながら、多すぎる要素に振り回され、後半アクションと説明に分解寸前なのは否めない。
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