Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

コラテラル ★★★

$
0
0
冷徹なプロの殺し屋と、彼に巻き込まれたタクシー運転手が共に過ごす一夜を描いたサスペンス・アクション。監督・製作は「アリ」のマイケル・マン。脚本はオーストラリア映画『ジョーイ』(未)のスチュアート・ビーティー。撮影は「イン・ザ・カット」のディオン・ビーブと、「ソードフィッシュ」のポール・キャメロン。音楽は「ヴィレッジ」のジェームズ・ニュートン・ハワード。出演は「ラスト サムライ」のトム・クルーズ、「アリ」のジェイミー・フォックス、「アリ」や「マトリックス」シリーズのジェイダ・ピンケット=スミス、「イン・ザ・カット」のマーク・ラファロほか。
あらすじ:マックス(ジェイミー・フォックス)は、ロサンゼルスのタクシー運転手として、ごく平凡な日々を送ってきた。だが今夜、アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)という女性検事を客に乗せ、心のふれあいを感じたところから、彼の運命は変化し始める。

次にマックスのタクシーを拾ったのは、ヴィンセント(トム・クルーズ)というプロの殺し屋。彼は麻薬取引に関わる組織からの依頼で、今夜5人の証人を殺害する任務を授かっていた。ヴィンセントに脅されて、一晩のドライバー役となるマックス。やがて麻薬捜査官のファニング(マーク・ラファロ)が捜査に動き出す。
ヴィンセントは計画を一つずつ冷徹に完了させていくが、マックスは次第に、彼に抵抗を示す勇気を手にしていく。ヴィンセントの大事な殺人の指令書を、ハイウェイに投げ捨てるマックス。あわてるヴィンセントだったが、マックスをコントロールし、再び殺害者のデータを手に入れる。
そしてとあるクラブ内で、ファニングはあと一歩のところまでヴィンセントを追い詰めるが、結局彼の銃の犠牲になってしまった。いよいよ最後の標的のもとへ向かうヴィンセント。それはあの女性検事アニーだった。マックスは携帯電話でアニーに危険を知らせ、2人でヴィンセントから逃げる。まもなく電車の中で撃ち合いとなるが、マックスの銃弾がヴィンセントの体を撃ち抜く。そしてヴィンセントは席に座って、静かに息絶えるのだった。(作品資料より)

<感想>トム・クルーズが銀髪の悪役に挑んだ話題作。善良だが現実逃避癖のあるタクシードライバーのマックスと、現実的で冷血で、頭の切れる殺し屋のヴィンセント。2種類の男が出会い、反目する。
だが、たとえそれが短時間でも、2人は行動を共にすることによって、少しずつ互いを理解してしまう。事件は次々に起き、誰にもそれを止めることはできない。
しかし、それまで自ら行動を起こしてはこなかった、平凡で善良な男が動き始める時、覆いかぶさっていた現実は、とうとう変わるのだ。

男同士の、憎悪とも連帯ともとれる2人の微妙な空気感を、ロサンゼルスの夜の、冷たい光に漂わせる映像。単純な物語だけに人物造形がすべてのカギを握るが、マックスに扮したジェイミー・フォックスの熱演は、素晴らしいの一言につきる。
マックスの体のなかに眠っている善なる感情が、次第に目覚めていき、ついに行動を起こすまでの彼の変化を、ジェイミーは観客に見える形にしていく様がいい。前半の、自信なさそうなマックスの目が、徐々に怒りに満ちて来る様。ジェイミーの化け方には、想像力を掻き立てる細やかさがあるのが印象的。

だが、本作のウリの一つとなったトム・クルーズの悪役への初挑戦は、成功しているとは言い難いですね。髪の毛を銀髪に染めたり、スーツに身を包んだ殺し屋姿は、薄墨のような色合いの夜の街に映えていいのだが、ネオンの明かりが彼の上に悲しげによぎる瞬間には、さすがに色気が漂う。だからなのか、どうしても冷徹さが足りないのだ。
2人の男には、孤独であることと、生きている世界が厭になっているという共通点がある。
マックスにはその匂いが本当らしく立ちのぼるのに、ヴィンセントのそれは、どういうわけか実感できないし感じられない。
頭で考えると面白いのに、何故かスリルを体感できないのが微妙。トム・クルーズ一人のせいではあるまいが、彼の演技のリアリティに疑問を感じてしまうのが惜しいですよね。
2014年DVD鑑賞作品・・・51 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles