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刑事ベラミー ★★★

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実際に起こった保険金詐欺事件を基に、その謎に挑む刑事の姿を描くミステリー。監督は、「引き裂かれた女」のクロード・シャブロル。出演は、「しあわせの雨傘」のジェラール・ドパルデュー、「幸せはシャンソニア劇場から」のクローヴィス・コルニヤック、「レセ・パセ 自由への通行許可証」のジャック・ガンブラン。

あらすじ:セート墓地のそばの海岸で、黒焦げの自動車と焼死体が発見される。休暇中で、妻と毎日のんびり暮らしていたベラミー警視(ジェラール・ドパルデュー)が、家の居間でくつろいでいる。TVでは、エミール・ルレの保険金詐欺事件が報じられている。男(ジャック・ガンブラン)がベラミーを訪ねてきて、名前も名乗らずに電話番号だけ伝えて帰る。
歯科医の友人がベラミーを訪ねてきて、夕食を共にする。エミール・ルレの愛人で、フット・マッサージ店を経営しているナディアの話題になる。その夜、昼間来た怪しい男ノエル・ジャンティから電話が入り、ベラミーは指定されたモーテルに向かう。
そこでノエルはベラミーに1枚の写真を見せ、その人物を殺したと告げる。しかし写真に写っている男は、ノエルに瓜二つだった。ある夜、ベラミーの腹違いの弟で、まともな仕事につかない前科者ジャック(クローヴィス・コルニヤック)が訪ねてくる。ジャックはいつも妙な儲け話を持ち掛け、ベラミーを困らせる。
ノエルのデータは警察に無く、身分証は偽造だった。不審に思ったベラミーは、ノエルの妻のもとを訪れる。家に飾ってある写真を見て、彼女と一緒に映っている男は誰かと尋ねると、エミール・ルレだと答える。ノエルと名乗った男はルレだったのか? 保険金詐欺事件の意外な真相とは? ベラミーと弟ジャックの隠された過去も明らかになり、物語はクライマックスへと進む。 (作品資料より)

<感想>2010年9月に亡くなったヌーヴェル・ヴァーグの旗手、「引き裂かれた女」クロード・シャブロルの遺作となった異色ミステリー・ドラマ。実際に起こった保険金詐欺事件をベースにしている。
2つの事件の意外な接点を突き止めたベラミー、新作のたびにメタボ以上のその巨体っぷりで、しっかりと存在感をアピールしているドパルデュー。この体で犯人を追跡するのは無理やろうに、と思ったわ(苦笑)
ヒッチコックに多大な影響を受け、数多くのミステリー映画を送り出してきたシャブロル監督。しかし、わかりやすい謎解き映画はあまりなく、その多くは主人公や犯人の人間模様、心理劇に趣きを置いていると思う。
本作も例外ではなく、事件はひとりで解決していくし、主人公ベラミーの推理劇よりも、彼が愛妻とやたらとイチャついている他愛のない日常風景や、突然やってきた腹違いの弟との確執ドラマの方が強く印象に残ってしまう。とにかく奥さん役のマリー・ビュネルが妙に艶めかしくて色気がある。

本格ミステリーを期待すると肩透かしをくらった気になるが、複雑に絡んでいく人間模様が、いつの間にか身近の出来事となり、冒頭と同じアングルのような真っ黒なシーンでエンディングという。物語が淡々とした展開で進むのに、その背後に見え隠れする謎ときがとてもユニークで、フランス映画らしいユーモアな語り口も絶妙でよかったですね。
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