車椅子生活を送る少年と頑固で不器用な父親が、ハンディキャップを乗り越えてトライアスロンに挑戦し、親子として真正面から向き合っていく姿を描いたドラマ。
あらすじ：体が不自由で車椅子生活を送る17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰ってきた父ポールとの時間を楽しみにしていたが、息子との接し方が分からないポールは口をきこうとしない。そんな父の態度に不満を募らせるジュリアンは、若き日の父がトライアスロンの選手だったことを知り、自分もトライアスロンに挑戦することを決意。トライアスロンの中でも最難関とされるアイアンマンレースに出場することを決め、反対する両親を説き伏せて父とのチームを結成する。無謀にみえるジュリアンとポールの挑戦は、やがて周囲の人々も巻き込み、夢に向かって一丸となっていく。「エトワール」「オーロラ」のニルス・タベルニエがメガホンをとり、父ポール役は名優ジャック・ガンブラン、息子ジュリアン役はオーディションで見出されたファビアン・エロー。
![]()
＜感想＞フランスで大ヒットのドラマ。カメラがコート・ダ・ジュールの海辺に空中から寄っていく開幕は圧巻ですから。何だか前に観た「最強のふたり」のヒットを受けての企画なのかしらなんて思って観ていたら、びっくりするくらいオーソドックスで、それほど試練に四苦八苦する展開でない上、かつ地道に物語りは進んでいきます。
主人公が生まれつき障害者で、手足が自由に動かないし、言葉は普通に話せるのがいいですね。でも、このような子供を持つ両親は、一生涯子供のためにと身をこなにして何もかも子供のためにと、自分のことは二の次にして生活する。
だから、始めはこの父親の仕事が、ロープウエイの点検の仕事で、高い鉄塔に登って宙ズリで仕事をするのだ。それが、急に仕事を解雇される。
![]()
家に帰って来てもイライラして、奥さんと喧嘩だ。奥さんが言うには、障害者の息子が生まれてから、息子の面倒は全部自分がしてきた。もうすぐ１８歳になるというのに。姉がいるが、自立をしていて、それでも家に帰って来たときには、弟の面倒を見ている。
子供にしてみれば、一番両親の喧嘩が心に響く。そんな両親の喧嘩を耳にしながら、どうにか自分の生き甲斐を見つけようとしていた息子。家のガレージで見つけたトロフィーの数々。全部父親がアイアンマンレースで優勝したもの。自分にも出来ないかと父親に相談する。だが、直ぐにダメだと言う。前には自分一人だったから優勝できたけど、息子と一緒に過酷なレースに参加することは、とても無理な話なのだ。
![]()
母親も大反対で、「息子を殺す気なの」と剣幕だ。息子が本気でレースに出たいと希望するのに、何とか叶えてあげたい父親。実は、レースの申し込みを出したのに、却下されたのに、息子は友達とニースにある事務所へ直接談判しに行く。「僕にゼッケンをくれ」と。その勇気に参加を認められたのだ。
![]()
息子も偉いが、父親の成し遂げることが人間業とは思えないほど凄い。父親のジャック・ガンブランの苦痛の表情の顔だけで、そこに圧倒的な説得力が付け加わる。意外と華奢な体つきの父親。息子４８キロを乗せて泳ぐ辛さに、自転車では、始めは軽快に飛ばすも上り坂では息子の重量も加わり、立漕ぎしても足にかなりの負担がかかる。それに、息子の脇腹が擦れて血が滲み痛そう。途中で怪我の手当てをしたりして時間のロスだ。
![]()
もう限界だとばかりに、息子の車いすを押してのランニングがハードだ。ゴールが見えているのに、父親の足が前に進まず道路にヘタレ込む。息子がここで断念するのは嫌だと、自分で車椅子を押して前に進むのだ。これには、道路にもうダメだと、座り込んでいる父親も心を動かされ、気力を絞って車いすを押しゴールへと向かう。ここは、絶対に応援したくなりますから。それに涙も自然に出てきますね。
今まで、何もしてあげられなかったのだから。もし、途中で余りにも練習が過酷で止めたいと根を上げればそれまでだ。少しは、そんな感じもしないではない。練習で、上手く舵取りができなく崖下へと転んでいくシーンでは、大怪我でなくて良かった。
![]()
反対する母親の気持ちを他所に、父親が自転車の前に椅子を取り付けた改造自転車に乗って、トライアスロン参加の練習をするフランスのオート＝サヴァア県アヌシー地方を颯爽と走る。
それが、何とも言えないくらいに景観が美しく、どういう分けか車の往来もなく息子を乗せた自転車が走るシーンが最高です。車椅子の１７歳の息子の決意にとまどいながら、対応していく家族の有様が、無理なく描かれていて惹き込まれてしまう。それに、家族の中だけでなく、息子と同世代の友人たちや、地域の人たちとの繋がりも描かれているのがいいところ。
とにかく、二人がゴール出来て完走できたことに拍手ですね。
２０１４年劇場鑑賞作品・・・３１３![]()
映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ：体が不自由で車椅子生活を送る17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰ってきた父ポールとの時間を楽しみにしていたが、息子との接し方が分からないポールは口をきこうとしない。そんな父の態度に不満を募らせるジュリアンは、若き日の父がトライアスロンの選手だったことを知り、自分もトライアスロンに挑戦することを決意。トライアスロンの中でも最難関とされるアイアンマンレースに出場することを決め、反対する両親を説き伏せて父とのチームを結成する。無謀にみえるジュリアンとポールの挑戦は、やがて周囲の人々も巻き込み、夢に向かって一丸となっていく。「エトワール」「オーロラ」のニルス・タベルニエがメガホンをとり、父ポール役は名優ジャック・ガンブラン、息子ジュリアン役はオーディションで見出されたファビアン・エロー。
＜感想＞フランスで大ヒットのドラマ。カメラがコート・ダ・ジュールの海辺に空中から寄っていく開幕は圧巻ですから。何だか前に観た「最強のふたり」のヒットを受けての企画なのかしらなんて思って観ていたら、びっくりするくらいオーソドックスで、それほど試練に四苦八苦する展開でない上、かつ地道に物語りは進んでいきます。
主人公が生まれつき障害者で、手足が自由に動かないし、言葉は普通に話せるのがいいですね。でも、このような子供を持つ両親は、一生涯子供のためにと身をこなにして何もかも子供のためにと、自分のことは二の次にして生活する。
だから、始めはこの父親の仕事が、ロープウエイの点検の仕事で、高い鉄塔に登って宙ズリで仕事をするのだ。それが、急に仕事を解雇される。
家に帰って来てもイライラして、奥さんと喧嘩だ。奥さんが言うには、障害者の息子が生まれてから、息子の面倒は全部自分がしてきた。もうすぐ１８歳になるというのに。姉がいるが、自立をしていて、それでも家に帰って来たときには、弟の面倒を見ている。
子供にしてみれば、一番両親の喧嘩が心に響く。そんな両親の喧嘩を耳にしながら、どうにか自分の生き甲斐を見つけようとしていた息子。家のガレージで見つけたトロフィーの数々。全部父親がアイアンマンレースで優勝したもの。自分にも出来ないかと父親に相談する。だが、直ぐにダメだと言う。前には自分一人だったから優勝できたけど、息子と一緒に過酷なレースに参加することは、とても無理な話なのだ。
母親も大反対で、「息子を殺す気なの」と剣幕だ。息子が本気でレースに出たいと希望するのに、何とか叶えてあげたい父親。実は、レースの申し込みを出したのに、却下されたのに、息子は友達とニースにある事務所へ直接談判しに行く。「僕にゼッケンをくれ」と。その勇気に参加を認められたのだ。
息子も偉いが、父親の成し遂げることが人間業とは思えないほど凄い。父親のジャック・ガンブランの苦痛の表情の顔だけで、そこに圧倒的な説得力が付け加わる。意外と華奢な体つきの父親。息子４８キロを乗せて泳ぐ辛さに、自転車では、始めは軽快に飛ばすも上り坂では息子の重量も加わり、立漕ぎしても足にかなりの負担がかかる。それに、息子の脇腹が擦れて血が滲み痛そう。途中で怪我の手当てをしたりして時間のロスだ。
もう限界だとばかりに、息子の車いすを押してのランニングがハードだ。ゴールが見えているのに、父親の足が前に進まず道路にヘタレ込む。息子がここで断念するのは嫌だと、自分で車椅子を押して前に進むのだ。これには、道路にもうダメだと、座り込んでいる父親も心を動かされ、気力を絞って車いすを押しゴールへと向かう。ここは、絶対に応援したくなりますから。それに涙も自然に出てきますね。
今まで、何もしてあげられなかったのだから。もし、途中で余りにも練習が過酷で止めたいと根を上げればそれまでだ。少しは、そんな感じもしないではない。練習で、上手く舵取りができなく崖下へと転んでいくシーンでは、大怪我でなくて良かった。
反対する母親の気持ちを他所に、父親が自転車の前に椅子を取り付けた改造自転車に乗って、トライアスロン参加の練習をするフランスのオート＝サヴァア県アヌシー地方を颯爽と走る。
それが、何とも言えないくらいに景観が美しく、どういう分けか車の往来もなく息子を乗せた自転車が走るシーンが最高です。車椅子の１７歳の息子の決意にとまどいながら、対応していく家族の有様が、無理なく描かれていて惹き込まれてしまう。それに、家族の中だけでなく、息子と同世代の友人たちや、地域の人たちとの繋がりも描かれているのがいいところ。
とにかく、二人がゴール出来て完走できたことに拍手ですね。
２０１４年劇場鑑賞作品・・・３１３
映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング