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ケープタウン ★★★★.5

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『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのオーランド・ブルームと、『大統領の執事の涙』などのフォレスト・ウィテカーが共演を果たしたサスペンスアクション。南アフリカの大都会ケープタウンを舞台に、そこに巣食う深い闇の世界をあぶり出す。キャリル・フェリーの推理小説「ZULU」を基に、『ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀』などのジェローム・サルがメガホンを取る。人気と実力を併せ持つ主演俳優たちの熱演や、緊迫した展開に目がくぎ付け。
あらすじ:ある日、南アフリカのケープタウンで、引退した人気ラグビー選手の娘が殺害されるという事件が発生。2人の刑事ブライアン(オーランド・ブルーム)とアリ(フォレスト・ウィテカー)が捜査を続けていくと、少女とある薬物の売人の関係が明らかになる。その危険な薬物は、ここのところ頻発している子供失踪事件の現場に残されていた物と同じで……。

<感想>フランス推理小説大賞を受賞したベストセラーに基づくサスペンス・アクション。南アフリカで起こった連続殺人事件の捜査を描きながら、人種隔離政策の傷跡を浮き彫りにする内容。爽やかでポジテブなイメージが強いオーランド・ブルームが、酒浸りで女にだらしない刑事ブライアンを好演している。意外にヤサグレ刑事役がハマっていて、捜査の腕は一流という二面性を今までにないくらいの演技力と、筋肉美を見せて意外にカッコ良かった。

それに反して、フォレスト・ウィテカーは、いつもだったら暴力的な面ではひけをとらない演技なのに、ここでは、抑え目なおとなしい人物になり切って、最後に母親を麻薬のボスに殺され、復讐の鬼と化す姿に惚れ惚れします。
舞台がケープタウン、ここでは危険ドラッグが流行していて、過剰摂取すると見境なく相手を撲殺したり、自殺をするという衝動にかられる危険なドラッグが広まっている。

それに、黒人の子供の失踪事件が頻発している。ケープタウンのギャングたちは、薬物を売りさばき、字も読めないし、まるで獣と同じような性格が獰猛である。海岸で捜査をしていた白人刑事が、その餌食になり手首を切られ、首まで切られ死亡してしまう。

路上生活の黒人の子供たちは、その薬物の実験台にされ、過剰摂取により死ぬと豚の餌にされてしまうという悲惨さ。その薬物が海外に出回るのだ。そのことを調べていたウィテカーは、病気の母親を見ており、それに少年のころ犬に追い掛けられ性器を噛まれてしまう。始めは、女の尻を撫でまわして、少し変態なのかと思ったが、女に対して自尊心が傷つけられるから近づけないのだ。
母親に少年の捜索を頼んでしまうウィテカー。それが売人のボスに知れて、母親が殺されてしまう。なんということだ。鈍く作用する劇薬のようなこの物語に次第に惹かれてしまった。

一種のバディムービーの体裁をとりながら、なおもオーランド・ブルームと、フォレスト・ウィテカーがバディでいられなかったとすれば、二人の協力捜査が、人種差別の黒い歴史をしだいに明るみにさらしてしまったからなのだ。
しかし、アクションシーンの壮絶さは半端じゃないし、ラストの砂漠に追い詰めた犯人を追いつめていくウィテカーの形相たるや。差別主義者の白人を砂漠で追い詰めるシーンでは「眼には眼を」を連想させすぎるくらいに、観客にも共感させてしまう。
さすがの南アフリカ現地ロケの効果は抜群だし、フォレスト&オーランドの、この組み合わせは見応え確実だなという、予想どうりの映画でした。意外な組み合わせが起こす化学反応も、やるせない人生感も、麻薬の怖さも、南アフリカの歴史に迫るシナリオにも満足でした。
2014年劇場鑑賞作品・・・311  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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