人生に行きづまった女性たちが、プロレスを通して輝きを取りもどしていく姿を描いたハートフルドラマ。北フランスの田舎町。ある事件によって服役していたシングルマザーのローズは、出所後すぐに息子ミカエルと再会するが拒絶されてしまう。ミカエルがプロレス好きであることを知った彼女は、親子関係を修復するべくプロレスラーになることを決意。
スーパーマーケットの同僚である3人の女性と一緒にプロレスチームを結成し、メキシコの強豪チームとの対戦を目標に猛特訓を開始する。「わたしはロランス」のナタリー・バイ、「みんな誰かの愛しい人」のマリルー・ベリらフランスの人気女優たちが、過激な衣装でリング上を暴れまわる女子プロレスラー役を体当たりで演じた。監督は、ジャン=マルク・ルドニツキ。
<感想>昔、東映の映画で「ビューティ・ペア/真っ赤な青春」という映画があったが、女子プロレスの絶頂期といってもいいだろう。可愛くて美人でスタイル満点のヒロインの女子プロレス。いまや、タレントとしてTVに出ている北斗にしても、悪役でもかなりの人気を博した。
メインビジュアルから想像してた映画と、かなり違っていた。そもそもフランス映画だったことが予想外。北フランスでは、プロレス人気が高いことも初耳であった。そして、久しぶりに北フランスの街を舞台にした女子プロレス映画が作られ、65歳の女優ナタリー・パイまで登場することに驚いてしまった。それも、ワンダーウーマンの格好をして、お色気ムンムンで、登場するシーンではワイヤーを使って飛んで来るのだ。
それに、ゴスメイクのゴス・ファッションで登場する、肉切り包丁を振り回すコリンヌは、どうみても声も野太いし設定が、オカマかと思っていた。ところが、本人はいたって乙女チックで悪役なんてやりたくないといいい。隣のバレエ教室の女の子が、「悪役がカッコいいなぁ、悪者大好き」と懐いてくるので、仕方なく悪役スタイルを演じるとは。
そして、マッチョ男にしか興味のないアバズレのオドレイ・フルーマは、ビッチな女を演じてピュアな恋愛に陥り、ドギマギする仕草が可愛いというか綺麗な女優さん。4人のヒロインたちは、昼間はスーパーに勤め、それぞれに悩みを抱えている設定も良かった。
不安でいっぱいなタイトルなのに、前半は俳優たちのどぎついアンサンブルがとにかく楽しい。ローズが息子のために、みんなに頼んでプロレスやろうなんて誘ったのに、試合当日に何処かへ行ってしまうとはあんまりな展開だ。それでも、車でコーチが探しに行き、自分の亡くなった奥さんの衣装(海賊のコスチーム)を貸してやるのも良かった。
子供の信頼を取り戻すために、ママがリングにかける王道のストーリーながら、終盤の展開がなんだかいかにもな展開になっていて面白くなかった。だって、息子が見に来ているので「お願い勝たせて」なんてこと、相手に言っては絶対にダメですから。確かに、プロレスは暗黙のうちに技を決めて、勝ち負けをお互いに知っているようで、嘘みたいな設定なのだから、嘘みたいにドロップキックが決まり、嘘みたいに勝利して欲しかった。
そして、観客は、嘘みたいに涙を流して映画館を後にするのだ。そこにリアリズムはいらない。だが、驚きの連続の97分。登場人物たちが、会話の中で例えに出す名前が、全てアメリカ文化に驚き、プロレス技の本格的な訓練をした女優たちに驚き、懐かしいし、少しやぼったいフランス映画の香りに驚いた。それに、面白い顔が溢れる画面に驚き、この映画が初監督作品であることに驚いた。まだまだ人生これからって気分になれる、爽快な女子プロレス映画で、不思議に心が暖かくなる映画です。
惜しいのは、強敵のメキシコの巨漢軍団との対決が、主舞台とならなかったことが悔やまれる。もう少し試合を見たかった。
2014年劇場鑑賞作品・・・299 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
スーパーマーケットの同僚である3人の女性と一緒にプロレスチームを結成し、メキシコの強豪チームとの対戦を目標に猛特訓を開始する。「わたしはロランス」のナタリー・バイ、「みんな誰かの愛しい人」のマリルー・ベリらフランスの人気女優たちが、過激な衣装でリング上を暴れまわる女子プロレスラー役を体当たりで演じた。監督は、ジャン=マルク・ルドニツキ。
<感想>昔、東映の映画で「ビューティ・ペア/真っ赤な青春」という映画があったが、女子プロレスの絶頂期といってもいいだろう。可愛くて美人でスタイル満点のヒロインの女子プロレス。いまや、タレントとしてTVに出ている北斗にしても、悪役でもかなりの人気を博した。
メインビジュアルから想像してた映画と、かなり違っていた。そもそもフランス映画だったことが予想外。北フランスでは、プロレス人気が高いことも初耳であった。そして、久しぶりに北フランスの街を舞台にした女子プロレス映画が作られ、65歳の女優ナタリー・パイまで登場することに驚いてしまった。それも、ワンダーウーマンの格好をして、お色気ムンムンで、登場するシーンではワイヤーを使って飛んで来るのだ。
それに、ゴスメイクのゴス・ファッションで登場する、肉切り包丁を振り回すコリンヌは、どうみても声も野太いし設定が、オカマかと思っていた。ところが、本人はいたって乙女チックで悪役なんてやりたくないといいい。隣のバレエ教室の女の子が、「悪役がカッコいいなぁ、悪者大好き」と懐いてくるので、仕方なく悪役スタイルを演じるとは。
そして、マッチョ男にしか興味のないアバズレのオドレイ・フルーマは、ビッチな女を演じてピュアな恋愛に陥り、ドギマギする仕草が可愛いというか綺麗な女優さん。4人のヒロインたちは、昼間はスーパーに勤め、それぞれに悩みを抱えている設定も良かった。
不安でいっぱいなタイトルなのに、前半は俳優たちのどぎついアンサンブルがとにかく楽しい。ローズが息子のために、みんなに頼んでプロレスやろうなんて誘ったのに、試合当日に何処かへ行ってしまうとはあんまりな展開だ。それでも、車でコーチが探しに行き、自分の亡くなった奥さんの衣装(海賊のコスチーム)を貸してやるのも良かった。
子供の信頼を取り戻すために、ママがリングにかける王道のストーリーながら、終盤の展開がなんだかいかにもな展開になっていて面白くなかった。だって、息子が見に来ているので「お願い勝たせて」なんてこと、相手に言っては絶対にダメですから。確かに、プロレスは暗黙のうちに技を決めて、勝ち負けをお互いに知っているようで、嘘みたいな設定なのだから、嘘みたいにドロップキックが決まり、嘘みたいに勝利して欲しかった。
そして、観客は、嘘みたいに涙を流して映画館を後にするのだ。そこにリアリズムはいらない。だが、驚きの連続の97分。登場人物たちが、会話の中で例えに出す名前が、全てアメリカ文化に驚き、プロレス技の本格的な訓練をした女優たちに驚き、懐かしいし、少しやぼったいフランス映画の香りに驚いた。それに、面白い顔が溢れる画面に驚き、この映画が初監督作品であることに驚いた。まだまだ人生これからって気分になれる、爽快な女子プロレス映画で、不思議に心が暖かくなる映画です。
惜しいのは、強敵のメキシコの巨漢軍団との対決が、主舞台とならなかったことが悔やまれる。もう少し試合を見たかった。
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