中村義洋監督最新作の舞台となるのは1981年の日本。東京の郊外と思しき巨大団地街。
ここで育った悟は12歳の時に団地の中だけで生きていくと決心し、中学にいくのを止めて団地のケーキ屋に就職する。
まぁ、中学までは日本の法律の義務教育制度で中学には3年間就学しなければならないのですがね。それは置いといてと。
この巨大団地の中には、商店街、病院、図書館、など、団地で暮らしていれば生活が完結できてしまう時代。当時12歳の主人公、渡会悟にとって、それは十分な世界だったのだろう。
小学校卒業と同時に、とある理由で一生団地の中だけで生きていくことを決意した悟は、団地のヒーローになるべく、家では大山倍達の本を読んで体を鍛え、毎朝乾布摩擦に始まる規則正しい生活を送り、夜は団地に異常がないかパトロールして回る。
やがて隣に住む同級生の少女によって性に目覚め、同窓会で知り合った憧れの女性と結婚に向けて愛を育んでいく。つまりこれは団地という限定された空間で、展開する悟の青春映画であり、恋愛映画でもあり、人間ドラマでもあるのだ。
そんな生活を続けながら20年の歳月が過ぎる中で、ひとり変わらない悟をしり目に、商店街はシャッター通りとなり、団地に住む人はどんどん減り、恋人も友達も価値観や人生を変えていくわけ。時代の流れに飲み込まれていく中で、団地には、去る者、残る者、新たに加わる者、それぞれの選択が影を落として行く。
それはまるで社会の縮図のようで、何が正しくて何が間違っているかではなく、何を信じて生きているのか、という問いを投げかける。
12歳から30歳までの悟を特殊メイクなどに頼ることなく自然に演じきった、中村映画の常連、濱田岳の演技が見事に光る。これは昭和から平成へと移ろう日本の姿を写した、ドラマとしても秀悦であると思う。
2013年劇場鑑賞作品・・・12 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
ここで育った悟は12歳の時に団地の中だけで生きていくと決心し、中学にいくのを止めて団地のケーキ屋に就職する。
まぁ、中学までは日本の法律の義務教育制度で中学には3年間就学しなければならないのですがね。それは置いといてと。
この巨大団地の中には、商店街、病院、図書館、など、団地で暮らしていれば生活が完結できてしまう時代。当時12歳の主人公、渡会悟にとって、それは十分な世界だったのだろう。
小学校卒業と同時に、とある理由で一生団地の中だけで生きていくことを決意した悟は、団地のヒーローになるべく、家では大山倍達の本を読んで体を鍛え、毎朝乾布摩擦に始まる規則正しい生活を送り、夜は団地に異常がないかパトロールして回る。
やがて隣に住む同級生の少女によって性に目覚め、同窓会で知り合った憧れの女性と結婚に向けて愛を育んでいく。つまりこれは団地という限定された空間で、展開する悟の青春映画であり、恋愛映画でもあり、人間ドラマでもあるのだ。
そんな生活を続けながら20年の歳月が過ぎる中で、ひとり変わらない悟をしり目に、商店街はシャッター通りとなり、団地に住む人はどんどん減り、恋人も友達も価値観や人生を変えていくわけ。時代の流れに飲み込まれていく中で、団地には、去る者、残る者、新たに加わる者、それぞれの選択が影を落として行く。
それはまるで社会の縮図のようで、何が正しくて何が間違っているかではなく、何を信じて生きているのか、という問いを投げかける。
12歳から30歳までの悟を特殊メイクなどに頼ることなく自然に演じきった、中村映画の常連、濱田岳の演技が見事に光る。これは昭和から平成へと移ろう日本の姿を写した、ドラマとしても秀悦であると思う。
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