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Channel: パピとママ映画のblog
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レッド・ステイト ★★★

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田舎町に住む高校生3人を監禁した超保守派の狂信的キリスト教団体と教会を包囲した特殊部隊との壮絶な戦いを描く。世界三大ファンタスティック映画祭の最古参であるシッチェス映画祭2011年でグランプリを受賞したケヴィン・スミスが監督したホラー・サスペンス。狂信的なキリスト教信者たちに拉致された高校生が体験する恐怖を描く。出演は「エージェント・マロリー」のマイケル・アンガラノ、「ザ・ファイター」でアカデミー賞助演女優賞受賞のメリッサ・レオ、「アルゴ」のジョン・グッドマン、マイケル・パークスらベテラン実力派俳優が出演している点にも注目。。

あらすじ:アメリカ中部の田舎町に住むトラヴィス(マイケル・アンガラノ)、ジャロッドたち3人の高校生は、近所に住む女性がセックスの相手を募集しているというネット上の広告を見つけ、喜び勇んで彼女の所へと向かう。しかし、現れた女性サラ(メリッサ・レオ)に睡眠薬入りのビールを飲まされ気絶してしまう。そのまま彼らは、半裸で拘束された格好で目覚め、金属製の檻の中に入れられている。
そこは、「ファイブ・ポインツ・チャーチ」と呼ばれる超保守派のキリスト教団体の教会。クーパー率いる教団は、性の乱れを象徴する者として彼らを処刑しようとしていたのだ。「ああ、俺達殺されるんだな…」。だが、3人が起こした軽微な交通事故がきっかけで、保安官が教会を訪れ、教団の悪事が発覚。機動隊が派遣され、壮絶な銃撃戦が始まる。彼らが体験したのは、悪夢なのか、奇跡なのか。(作品資料より)
<感想>「クラークス」や「チェイシング・エイミー」などカルト的人気を誇る名コメディを連発してきた、オタクの鏡ケヴィン・スミス。彼が初めてホラー・ジャンルにトライした記念碑的作品は、メル・ギブソンの「パッション」に次ぐ宗教ホラーのようです。

レッド・ステイトとは共和党を支持する傾向が強い州を指すが、つまりキリスト教原理主義者の多い州のことでもある。同性愛や婚前交渉を憎み中絶もダメ、そんな若者たちを処刑の対象にする、武装化した過激なキリスト原理主義者たちが本作の主役だが、生贄となるティーンの目を通して、彼らの妄信的で異常な狂気を浮き彫りにしている。
カメラワークと壮絶な銃撃戦が切迫感を大いに煽ります。とにかくハンパないほどの銃撃戦で、教会の中に入っている信者のみならず、生贄となった若者や信者の子供たちもいるのに、警察の機動隊や捜査員が誰かれかまわず撃ち殺すのはあまりに酷いと思った。助けを求めて外へ出た若者が、警察官の手で撃ち殺されるのが気の毒に感じた。
人は呆気ないほどにバンバンと死んでいく。スミス映画のキモだった下ネタやオタク談義は完全に封印され、極端な信仰心が引き起こす悲劇と恐怖がストレートに、リアルに描かれているのだから、実際にカルト教団を率いるクーパー牧師を演じるのは、タランティーノ映画常連でもあるマイケル・パークスなのだが、確かに怖い!

信者たちはクーパー牧師の説教に、恍惚とした表情で耳を傾け、檻に入れられたゲイの男性が公開処刑されるのだが、全裸にグルグルと全身をサランラップ巻きされ窒息死させる。それを見ていた連れてこられた童貞男の3人は恐怖に怯える。
一人、また一人と拳銃で処刑され、銃声を聞きつけた保安官代理が返り討ちにあい、報告を受けた保安官が反撃に出ようとするが、ホモである証拠を牧師に握られているので、手出しができないのだ。弱り果てた保安官が、政府機関ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)のジョン・グッドマン捜査員に連絡、全面戦争の幕が切って落とされるのである。
迎え撃つ捜査官のリーダーにはジョン・グッドマンが、かなり老いてはいるがまだまだ活躍しそうな感じで、びゅんびゅん飛んでくる敵のライフル弾をよけて、彼だけ撃たれないのだ。本作はカンザス州のウェストボロ・パプディスト教会と、1993年にテキサスで起こった武装カルト教団ブランチ・ダビディアンとFBIの、壮絶な銃撃事件をモチーフにしていると思われるが、その事件で最初に突入したのもATFだったそうです。
あまりにもセンセショーナルな内容のため、スミス自らが全米配給権を獲得、自身のトークイベント付きプレミア上映ツアーを、全米15都市で開催するという、問題作でもある。
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