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偉大なる、しゅららぼん ★★.5

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「鴨川ホルモー」「プリンセス トヨトミ」などの人気作家、万城目学の小説を原作にした異色作。琵琶湖周辺を舞台に、不思議な力を持つ一族の跡取り息子と彼のお供をする分家の息子が世界滅亡につながる大事件に挑んでいく。万城目原作の映画化作品に出演経験のある濱田岳と岡田将生がダブル主演を務め、主人公コンビを快演。摩訶(まか)不思議な物語に加えて、深田恭子、貫地谷しほり、佐野史郎ら、奇怪なキャラクターにふんした豪華共演陣が繰り出す怪演も見もの。
あらすじ:琵琶湖のすぐそばの町・石走で、先祖代々不思議な力を継承してきた日出一族。その跡取りで最強の力を誇るとされる淡十郎(濱田岳)は、高校生でありながら住民からあがめられる殿様のような生活を送っていた。そんな彼のもとへ、分家の涼介(岡田将生)が力の修行をするために訪れる。淡十郎と同じ高校に通うものの、彼とおそろいの真っ赤な特注制服を着せられ、従者のように扱われる涼介。そんな中、日出一族と対立する棗一族の広海(渡辺大)とのトラブルが勃発し、それが世界の運命を揺るがす事態に発展する。

<感想>物語は、日出一族と千三百年にわたる対立が続く棗(なつめ)一族の跡取りが同じ高校へ入学する。俗世の目には映らない普通ではない能力の争いに、両者を追放せんとする校長の謀略が加わり、龍神の怒りも招いての一族存亡の危機へと発展していく。
まるで漫画のような、万城目学の奇想天外青春ファンタジー・コメディである。現存の日常風景に、神話的要素が紛れ込み、巧妙な伏線と絡み合って、非日常のスペクタクルを現出させる、万城目学テイストが炸裂しているではないか!

この原作者の面白いところは、信じざるを得ない嘘で固められた独特のテイスト。周りには見えてないだけで、実は鬼を操っている人がいるんじゃないか、「プリンセス トヨトミ」では、大阪には今でも議事堂があるんじゃないか。なんてね、そう思えてしまう緻密な外堀の埋め方が魅力ですね。
主人公である、琵琶湖の湖東を統べる日出一族のお世継ぎにして、生まれながらの殿様気質、一族に伝わる不思議な力の最強伝承者でありながら、街を出て自分の人生を見つけたいと願う高校生の役に挑んでいるのが、濱田岳。赤い学ランを着て小舟で学校へ通うという、劇中でも際立つ個性を持つ淡十郎を演じている。

そして、修行するために来た分家の涼介に岡田将生くん、本家の淡十郎の姉には深田恭子が、本家に修行中の従妹の貴地谷しほり、父親に佐野史郎、彼らを学校へ行くための小舟の船頭に笹野高史、校長に村上弘明、他にも祖父の津川雅彦、棗一族の息子、広海に渡辺大などが共演している。広海の渡辺大くん、高校生には見えなかったけれど、私的には印象的でした。

高校で、校長の村上弘明が、なぜか日出一族に城の明け渡しを要求。さらに校長は、日出一族と棗一族だけが使える力を保持しており、彼らを翻弄するのである。しかし、跡取りで最強の力を誇るとされる淡十郎には力がない。何故って、パワーの源である御神水を飲んでないから。そこで姉の深田恭子が協力なパワーで、琵琶湖の水を真っ二つにして、これはまるで「十戒」のモーゼのような、恐るべし姉の深田恭子の力。他にも、人の考えていることを読み取る能力もある。

その琵琶湖の底の奥にあるご神水を、涼介と広海が取って来て、淡十郎に呑ませる。すると、琵琶湖の龍神様が雷神を轟かせながら現れるではないか。実は、校長は、船頭の源治郎に操られていて、源治郎は秋田の八郎潟の守り神だったというわけ。今は開拓され姿を消した八郎潟、源治が追い出されて琵琶湖の日出一族に入って、何時の日かこの琵琶湖を牛耳ろうとしたようなお話。

ケレンだけで出来ているような映画ながらも、熱き友情や青春の張り合う戦いが等身大で迫ってくる面白不思議な作品であります。なるほど、この主人公は、濱田岳にしかできなかったように思える。しかし、日出一族と対立する棗一族の争いが、二人の若者の戦いの場面がないのでつまらなかった。
エンドロールの最後に、濱田岳とお供の岡田将生くんが出て来て、タイトルの「しゅららぼん」とは、龍神様のげっぷとおならの音だと教える。なるほどね、それにしてもあり得ないような、洗面器の中の水を回して、中のあひるちゃんを吹っ飛ばす修行とか、彼らの念力を使う時の音響の凄まじさには煩くて参った。
2014年劇場鑑賞作品・・・59  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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