カン・ドンウォン×ハ・ジウォンの初共演で贈る、宿敵同志の切ないラブストーリー。
朝鮮王朝時代に発生した、国中を揺るがす大規模な偽金事件。果敢な女刑事ナムスンは、偽金の出所を突き止めるべく、捜査を開始する。そんなある日、彼女は鬼の仮面をつけた男と出会い、仮面の下に見せた“悲しい目”に心を奪われてしまう。
しかし、彼は事件の黒幕が仕向けた刺客だった…。敵対する男女が、お互いに愛を感じつつも戦い合っていくさまを描いたイ・ミョンセ監督の意欲作。
いわゆるアクション時代劇にラブストーリーを絡めたものと想いがちだが、本作はそういった括りとは一線を画し、魅惑的映像の羅列で男女の繊細な心理や機微を描出する絢爛かつ壮大な映像詩に仕上がっている。
<物語>朝鮮王朝時代が舞台。当時、国の存亡を危うくするよう大規模な偽金が出回った。この偽金事件を捜査するため女刑事のナムスン(ハ・ジウォン)は、鬼の仮面の男(カン・ドンウォン)の見事な剣の舞に目を奪われる。
剣の舞が終わり、見物人たちの拍手を背に退場した男は、金の仏像の取引をしている男たちを斬りつけ、それを奪って去っていく。ナムスンは男を追って一戦を交えるが、逃げられてしまう。残されたのは仏像に隠されていた偽金用の鋳型と、割れた仮面から覗かせた悲しい瞳。後の情報で、その男は偽金作りの黒幕が差し向けた刺客であることがわかる。
そんな折、二人は再会し、男はナムスンに「驚いたときの君が好きだ」と告げる。一時の幸せな時間を過ごす二人。
黒幕であるソン軍務長官(ソン・ヨンチャン)は、心変わりをしつつあるその男に偽金事件は私利私欲のためではなく、国を再建させるために必要なことだと説く。そうは言っても悪事の片棒を担がされている男は、息子のように育ててくれたソン軍務長官を裏切れない。しかし、悪事をやめナムスンと胸を張って会えるようにもなりたい。その葛藤に悩まされる。捜査も佳境に入り、互いの命をかけた戦いの日がやってくる。
<感想>昨晩からの大雪で旧作品をレンタルしてきた興味のある映画です。始めはあまり期待せずに見始めたのですが、途中からどんどん引き込まれていきました。美しい映像と印象的な使い方の音楽との調和、タンゴを取り入れたアクション等随所に斬新さが感じられます。 久々に映画の醍醐味を味わわせてくれた作品でした。
圧巻は酒宴のシーンでしょうか、芸妓たちの衣裳の鮮やかさ、翻る衣に合わせて展開する巧みな場面展開、そして刺客の見事な剣舞、・・・・本当に息を呑む美しさでした。
そして、とてもせつなく哀しく、胸の痛む愛が描かれています。女性的とも思えるくらい繊細で、美しい動きを見せる悲しい目の刺客と、女っ気のカケラもないような男まさりで、乱暴者の左捕庁のナムスンが、敵対しながら次第に惹かれ合ってゆくのですが、結末がなんともやるせないですね。
この二人の場合は、これしか無かったのだろうと思うと悲しくて、とても胸が痛みました。最後に二人が別れの剣を交わす場面、大変切なくとても美しいです。
雪の降り注ぐ中で・・・「舞いを舞っているようにも、愛を交わしているようにも見えました」本当にその通りの、見応えある場面です。
言葉に出来なかった想い、伝えられなかった気持ちを、最後の最後に二人が剣を交えながら相手にぶつけているんですね。
言葉にする代わりに、ひと振りひと振り、・・・ものすごく切なくて、幻想的な美しい場面で、心に残るシーンです。刺客がナムスンに贈ったものはノリゲといって、韓服(チマチョゴリ)の胸元に飾ったりする伝統的なアクセサリーだそうです。
ソン軍務長官が日本から取り寄せた?日本刀!!そこに刻まれている「夏草や兵どもの夢のあと」劇中の中で長官が二回言いますが、よほど気に入った時世の句とでも思ったのでしょうか??。それと剣舞とでも言うのでしょうか、やけにスローモーションで中だるみがしましたね。
カン・ドンウォン演じる悲しい目の刺客は、台詞が少ない分表情・動きから多くを語り、同じ原作本でありながら『茶母』のチェオクとは全く違ったハ・ジウォンの役作り、アン・ソンギの他の映画とは一味違う演技も楽しめます。不思議な余韻が残る何度も観たくなる作品です。
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朝鮮王朝時代に発生した、国中を揺るがす大規模な偽金事件。果敢な女刑事ナムスンは、偽金の出所を突き止めるべく、捜査を開始する。そんなある日、彼女は鬼の仮面をつけた男と出会い、仮面の下に見せた“悲しい目”に心を奪われてしまう。
しかし、彼は事件の黒幕が仕向けた刺客だった…。敵対する男女が、お互いに愛を感じつつも戦い合っていくさまを描いたイ・ミョンセ監督の意欲作。
いわゆるアクション時代劇にラブストーリーを絡めたものと想いがちだが、本作はそういった括りとは一線を画し、魅惑的映像の羅列で男女の繊細な心理や機微を描出する絢爛かつ壮大な映像詩に仕上がっている。
<物語>朝鮮王朝時代が舞台。当時、国の存亡を危うくするよう大規模な偽金が出回った。この偽金事件を捜査するため女刑事のナムスン(ハ・ジウォン)は、鬼の仮面の男(カン・ドンウォン)の見事な剣の舞に目を奪われる。
剣の舞が終わり、見物人たちの拍手を背に退場した男は、金の仏像の取引をしている男たちを斬りつけ、それを奪って去っていく。ナムスンは男を追って一戦を交えるが、逃げられてしまう。残されたのは仏像に隠されていた偽金用の鋳型と、割れた仮面から覗かせた悲しい瞳。後の情報で、その男は偽金作りの黒幕が差し向けた刺客であることがわかる。
そんな折、二人は再会し、男はナムスンに「驚いたときの君が好きだ」と告げる。一時の幸せな時間を過ごす二人。
黒幕であるソン軍務長官(ソン・ヨンチャン)は、心変わりをしつつあるその男に偽金事件は私利私欲のためではなく、国を再建させるために必要なことだと説く。そうは言っても悪事の片棒を担がされている男は、息子のように育ててくれたソン軍務長官を裏切れない。しかし、悪事をやめナムスンと胸を張って会えるようにもなりたい。その葛藤に悩まされる。捜査も佳境に入り、互いの命をかけた戦いの日がやってくる。
<感想>昨晩からの大雪で旧作品をレンタルしてきた興味のある映画です。始めはあまり期待せずに見始めたのですが、途中からどんどん引き込まれていきました。美しい映像と印象的な使い方の音楽との調和、タンゴを取り入れたアクション等随所に斬新さが感じられます。 久々に映画の醍醐味を味わわせてくれた作品でした。
圧巻は酒宴のシーンでしょうか、芸妓たちの衣裳の鮮やかさ、翻る衣に合わせて展開する巧みな場面展開、そして刺客の見事な剣舞、・・・・本当に息を呑む美しさでした。
そして、とてもせつなく哀しく、胸の痛む愛が描かれています。女性的とも思えるくらい繊細で、美しい動きを見せる悲しい目の刺客と、女っ気のカケラもないような男まさりで、乱暴者の左捕庁のナムスンが、敵対しながら次第に惹かれ合ってゆくのですが、結末がなんともやるせないですね。
この二人の場合は、これしか無かったのだろうと思うと悲しくて、とても胸が痛みました。最後に二人が別れの剣を交わす場面、大変切なくとても美しいです。
雪の降り注ぐ中で・・・「舞いを舞っているようにも、愛を交わしているようにも見えました」本当にその通りの、見応えある場面です。
言葉に出来なかった想い、伝えられなかった気持ちを、最後の最後に二人が剣を交えながら相手にぶつけているんですね。
言葉にする代わりに、ひと振りひと振り、・・・ものすごく切なくて、幻想的な美しい場面で、心に残るシーンです。刺客がナムスンに贈ったものはノリゲといって、韓服(チマチョゴリ)の胸元に飾ったりする伝統的なアクセサリーだそうです。
ソン軍務長官が日本から取り寄せた?日本刀!!そこに刻まれている「夏草や兵どもの夢のあと」劇中の中で長官が二回言いますが、よほど気に入った時世の句とでも思ったのでしょうか??。それと剣舞とでも言うのでしょうか、やけにスローモーションで中だるみがしましたね。
カン・ドンウォン演じる悲しい目の刺客は、台詞が少ない分表情・動きから多くを語り、同じ原作本でありながら『茶母』のチェオクとは全く違ったハ・ジウォンの役作り、アン・ソンギの他の映画とは一味違う演技も楽しめます。不思議な余韻が残る何度も観たくなる作品です。
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