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キッズ・リターン 再会の時 ★★★

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北野武監督が1996年に発表した「キッズ・リターン」の10年後を舞台に、主人公マサルとシンジのその後を描いた物語。高校卒業後、プロボクサーとヤクザという全く別々の人生を選択し、その道の頂点を目指したシンジとマサルだったが、大きな壁にぶつかり挫折。ボクシングへの情熱を失ったシンジは、アルバイトをただこなすだけの日々を送り、刑務所から出所したマサルも、ヤクザ生活に戻るしかなかった。しかし、そんな2人が偶然の再会を果たしたことから、再びそれぞれの人生をかけた勝負に出ることを決意する。シンジ役を平岡祐太、マサル役を三浦貴大が演じ、多数の北野監督作で助監督を務めた清水浩がメガホンをとった。
<感想>先週で終了だというので、駆け込みで15日に鑑賞。どちらかと言うとバイオレンス映画のイメージが強かった北野武監督作品だが、「キッズ・リターン」は青春映画の名作として男女を問わず幅広く支持されてと思う。主演の金子賢と安藤政信もたちまち人気俳優になったようだし。
前作が「その後」を描く必要のない終わり方だっただけに、今回の企画は大いに疑問を感じた。無理を承知でいえば、金子賢と安藤政信に、17年後のシンジとマサルを演じて欲しかったと思います。

北野監督の「キッズ・リターン」といえば、シンジとマサルの自転車に二人乗りして「まだ始まっちゃいね〜よ」と呟くシーンが有名なのだが、再び自転車に乗り、ハンパな青春にオトシマエをつける二人が見れる。
シンジ役に挑んだのは平岡祐太。若手でもベテランでもないという自身の立場を役に投影して、3ヵ月に及ぶボクシング練習を重ねたそうです。前作の評価が高いだけに、難しいハードルとなったが、平岡や北野作品で助監督を務めてきた清水浩監督らが、意地を見せた熱いクライマックスに仕上がっている。

物語は、高校を出たシンジはプロボクサーになったものの、噛ませ犬的な試合ばかり組まれ、闘う意欲を失っていた。そんな時に、悪友のマサルが5年の刑期を終えて出所するも、組はもう解散寸前状態だった。仁義を欠くようになったヤクザの世界に不満を募らせていくマサル。「見返してやろうぜ」という言葉に励まされ、シンジは半端なフリーター生活を止めて、トレーニングに打ち込むことに。

「各上の相手でも倒してしまえばいい」というマサルの言葉にシンジの闘志に再び火が点くのだが。トレーニングを重ねていくうち、シンジにかつての切れ味が戻ってくる。再びリングに上がったシンジは、勝利を重ねていく。
一方、シンジの復活劇にマサルは大喜び。だが、マサルが昔から世話になっていた組は解散寸前。マサルは一大決心をしてケジメをつけることにした。
そして、その10年後の物語ということで、高校生の同級生だった落ちこぼれの二人が、10年後に偶然再会する設定は悪くない。

しかしだ、配役に関しては、シンジ役の平岡祐太は新人王を取りながら、挫折したボクサーに見えないし、一応、安藤政信の雰囲気はあることはあるのだが。
マサル役の三浦貴大は、さすがに金子賢と比べたら背丈が縮みすぎ。刑務所を出所したばかりのヤクザには見えないのだが、いっぱしになれない青春の名残の感じはする。
終盤のボクシングシーンは、かなりの興奮度マックスでした。ですが、マサルが敵討ちに行くも反対に撃たれてしまい、そのままシンジの試合を見に行こうと後楽園ホールへ辿り着くシーンも、二人が現実の厳しさに直面するのは、北野監督作品の繰り返しで、挫折した若者のリターンマッチとしては物足りなかった。
なにかと白黒つけなければならない年齢になった者たちの、ほろ苦さを描いた別個のドラマとしてみれば、極めてまっとうな作品だと思う。
2013年劇場鑑賞作品・・・329  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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