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ルームメイト ★★★

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北川景子と深田恭子が初共演し、「オトシモノ」「Another アナザー」の古澤健監督が手がけたホラー。今邑彩の同名小説を原案に、ルームメイトの奇妙な行動をきっかけに奇怪な事件に巻き込まれていく女性の恐怖を描く。
あらすじ:派遣社員として働く23歳の萩尾春海は、交通事故に遭い入院した病院で、看護師の西村麗子と出会う。患者と看護師として知り合った2人だが意気投合し、春海の退院をきっかけに麗子がルームシェアを提案。2人は一緒に暮らしはじめる。順調な共同生活を送っていたある日、春海は麗子の奇妙な言動を目撃し、それ以降、周囲で不可解な事件が続発。ついには殺人事件まで起こってしまう。そして、春海の前に麗子とそっくりなマリという女性が現れ……。
<感想>友達同士で一緒に暮らすのって一見楽しそうですが、最近、若者の間でもルームシェアが流行っているけれど、本作を観たら絶対に考え直したくなるかもです。決してオカルト・ホラーものではありません。

そう、北川景子と深田恭子という今をときめく美女2人がキャスティングされた友情物語ではなく、怖〜いサスペンスドラマなんです。同じ家で暮らす相手を疑う怖さといったら、・・・姉妹ならともかくも、友人は他人でいくら仲がいいからといっても、始めはお互いに気を使って上手くいっているようでも、暫くすると自分のエゴとかわがままが出て来て、それにプライバシーもないし、掃除、洗濯、料理など2人で分担してやればいいのだが、仕事の都合とか恋人が出来たとかいっている内に仲違いをしてダメになると思う。

別々に暮らしていて、たまに食事とか映画を観に行くのだったらいいけれどね。
ところが、この作品はちょっと違うんですよ。最初のシチュエーションから観客を欺く仕掛けが満載なんです。
主人公の病気、多重人格という自分が嫌なことがあると別の人間になって行動する。そして、その成り代わりの人物のことは一切覚えていないという特殊な病気。
だから、一軒家で2人で暮らしているように見えますが、どこか変な感じもするでもなしに、後ろをスス〜ッと誰かが通り過ぎる。そんな気配がしたらあなたも要注意ですよ。

麗子役の深田恭子の白衣の天使から豹変し、悪女のような恐ろしげな演技が最高です。それにもうひとり、クラブで働く麗子そっくりのマリという女が、最高の悪魔のように妖艶な笑みを浮かべる深田恭子もなんですね。「おお、そう来るか」と、新たな驚きが次へとつながる起承転結のうまさに、思わず目が釘付け状態になりますから。
しかも二転三転を繰り返し、たどり着いた衝撃の事実とは、それまで観ていた春海と麗子への考えや感情をひっくり返され、最後の真実にはかなりエグく辛い現実だったとは。だからそれを変に煽るわけでもなく、現実が露わになるラストに、「やっぱりそうだったのか」と思ってしまった。

確かに春海役の北川景子は、シリアスな演技がからっきしダメみたいで、だれより信じたい親友を疑わなければならない苦悩や、葛藤を一人芝居していたわけで、恐怖に顔を引きつらせながら演じる彼女。
でも仮面は剥される。それは交通事故の加害者である工藤を演じた高良健吾が、衝突した時に目にした春海の何通りもの姿だったのです。

いやいや騙されませんでしたよ。なんか変だと気づき、これは多重人格障害者だと、それも三重人格者かと、ところが高校生のコーラスを見て、中に一人歌を歌っていない生徒がいると気づき、その女子生徒が4人目だったのですね。
つまり春海の本当の名前はエリで、子供のころから母親が売春をして生計を立てていて、子供のエリを客に提供して金を稼いでいた。つまり幼児虐待というあまりにも唐突すぎて冗談かと思った。そんな生活にエリという人格が春海という人格を作り、逃避して別人格となって母親を殺して床下に埋めて家を出る。それからは、派遣社員で春海と名乗り母親の残した預金で生活をした。

交通事故で、病院で見た看護婦の麗子も、春海がまたもや麗子という別人格になり、その次がマリというクラブに勤める女に変貌する。そして、幼いころに性虐待を受けた彼女が、高校生のエリに自分と同じ姿を見つけて匿っていたようだ。その男を殺そうと市長選挙の演説会場で、ナイフを手に男を刺し殺そうとするエリを止めるマリ。自分と同じ過ちを繰り返すようになるのが恐ろしく思ったのか?
高良健吾もただ出ているだけという、演技を見せる出番がなかったのが惜しい。
気弱な春海が、だんだんと悪女に変身していっているようで、と思って見ていたが、別人格に変貌する時は北川景子から深田恭子に代わるので、もし、北川景子が変装して三役を演じたら、また違った作品になっていたのかもしれませんね。
2013年劇場鑑賞作品・・・327  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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