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スタンリーのお弁当箱 ★★★

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アクションやミュージカルが詰め込まれた娯楽大作映画が主流のインド映画界で、素人の子どもたちを集めて撮られた小作ながらも、大ヒットを記録したハートフル・コメディドラマ。
あらすじ:いつも周囲を笑わせているクラスの人気者スタンリー(パルソー)は、家庭の事情によりお弁当が用意されることはなかった。昼食の間は一人で過ごし、水道水で空腹を満たしている彼を見かねたクラスメートたちは、自分のお弁当を少しずつ分けていた。しかし、その様子を見た先生の言葉に傷ついたスタンリーは、学校に行かなくなってしまい……。

<感想>先々週に鑑賞したのに、何故か遅くなりました。インド映画のイメージが、がらりと変わった、子供たちを中心にしたお弁当のお話。家庭の事情で小学校にお弁当を持参できない少年をめぐるハートフル・ドラマになっている。いつもなら、歌や踊り、派手なアクション満載の娯楽大作映画が人気のインド映画界で、スターが出演せず、ミュージカルテイストな演出もないながらも予想外の大ヒットを記録したそうです。
監督は、シナリオを用意せず、演技経験のない子どもたちだけを集めて約1年半にわたり撮影された。元気いっぱいな子どもたちの無邪気な笑顔に癒やされ、ドラマを鮮やかに彩るおいしそうなお弁当の数々に目を奪われます。インドだから、弁当も殆どがカレー主体ですけど。

日本だと学校給食があって、インドのようなこういう虐めはないですよね。でも、日本ではお金があっても給食代を払わない親がいるそうで、困ったもんですね。インドでは、小学校でもお昼は弁当持参ということで、そのお弁当を持って来ない生徒がいるわけで、食い意地の張った先生が意地悪をして、弁当の持って来ない生徒に、学校へ来るなと言い渡すのです。
学校の先生がお昼の弁当で、持って来ない生徒の家庭事情を調べ、どうしても弁当を持って来れない事情があると知ったら、みんなの弁当を少しずつ分けて上げるように指導するのが普通でしょう。
しかし、校長も全然この事態に無関心で、インドの貧しい家庭なら尚のことである。でも、同級生たちは、この弁当を持って来ない生徒に自分たちの弁当を分けて上げるという、優しい心の持ち主ばかりなのに。先生が、「弁当を持たない者は学校へ来るな」って、そんなこと言ったら生徒は学校へ来れないでしょう。

それには、その先生たるものが問題だったのですね。自分も弁当も持たずに、生徒たちの弁当や、先生たちの弁当のおこぼれでお昼を賄っていたわけで、とりわけ、生徒の中で裕福な家庭の子供の弁当が豪勢で、その先生は、その生徒の弁当を当てにしていたのですね。しかし、その男の子は要領がよくて、スタンリーにお弁当を食べさせたくて、先生に嘘をついてまで場所をコロコロ変えて、その様子がとりわけ面白おかしく描かれています。
その生徒は、金持ちの家の子供なのに優しくて、いつもスタンリーが弁当を持って来ないで、昼になると家に帰って食べるといい、校庭で水道水を飲んで腹を満たしていたのを見て知っていたので、お昼になるとスタンリーに弁当を分けて上げていたのです。水道水で空腹を紛らわすなんて、本当に悲しいし、いじらしいじゃありませんか。彼の家庭事情を知るのはずっと後の方ですから。
他の生徒も同じく、自分の弁当を少しずつ分けて、みんな仲良く話をしながらお昼を食べていたのを、その先生が見ていたんですね。

後で調べて知ったのですが、この意地悪な先生はこの映画の監督で、スタンリーを演じた子役の父親だそうです。もちろん、フィクションなので、この先生は、他の先生たちに知られて学校を辞めました。でも、どうしてこの先生弁当持って来られなかったのだろう。何か理由があるのか、何も分かってません。
もうインド映画というと、歌って、踊ってが合間に入り長いんです。好きな人はそれでも楽しいでしょうが、私はミュージカルでもないのだから、1回くらい作品の中に入れるくらいにしておけば、観ていても苦痛じゃないのですが。そうそう、コンサートに出ることになったスタンリーが、とても楽しそうに練習しているのが、いつものインド舞踊と違って新鮮に見えましたよ。

最後の方で、スタンリーはレストランを経営している叔父さんに育てられ、学校から帰ると炊事場で洗い物や、食器を運んだりビールを運んだりして店を手伝う頑張り屋さん。寝るのは夜中過ぎで、調理台の上に敷物を敷いて眠る。調理場のお兄さんに話したら、客の残り物がたくさんあって、それで弁当を作ってくれる。次の日から、学校へ弁当を持って嬉しそうに登校するスタンリーがいた。
最後のテロップに流れるインドの就労児童は1200万人、稼業も含むと5000万人という驚く数字が映り、これは児童の就労問題を訴えるメッセージの映画だと知らされる。
2013年劇場鑑賞作品・・・267  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
 

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