Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

AI崩壊★★★

$
0
0

              

「22年目の告白 私が殺人犯です」の入江悠監督が自身のオリジナル脚本で、AIを題材に描いた近未来サスペンス。大沢たかおが主人公・桐生を演じるほか、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、松嶋菜々子、三浦友和らが共演する。

あらすじ:2030年、天才科学者の桐生浩介が亡き妻のために開発した医療AI「のぞみ」は、年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴といった全国民の個人情報と健康を管理していた。いまや社会インフラとして欠かせない存在となった「のぞみ」だったが、ある時突然、暴走を開始。AIが生きる価値のない人間を選別して殺戮するという、恐るべき事態が巻き起こる。警察庁の天才捜査官・桜庭は、AIを暴走させたのは開発者である桐生と断定。身に覚えのない桐生は逃亡を開始する。桐生は「のぞみ」を管理するHOPE社の代表で、義弟でもある西村悟とひそかに連絡を取りながら、なんとか事態の収拾を目指すが……。

<感想>最近のスマホは爆発的に普及したので、2030年ぐらいまでに変わるものは何だろうというと、実際に「AI崩壊」に登場するシステムは、全て技術的に実現可能だというから驚いた。しかし”のぞみ”が人間の殺戮を始めた原因を巡る構成は、最終的に落としどころはどこだろうと考えたところ、この内容がベストだと思いました。

主人公の大沢たかおとは、穏やかな草食系優男から、強面肉体派の刑事や任侠、果ては最強の武人まで変幻自在に化けて見せる俳優大沢たかお。本作で彼が挑んだのは、これまでありそうでなかった某リーアム・ニーソンばりの「最強のパパ」的なヒーローなのだ。

桐生が亡き妻のために開発した医療AIが、突然制御不能に陥り、娘を密室に閉じ込めた挙句に、人々の命を奪い始めてしまう。開発者である桐生は、ウィルスを仕込んだテロリストとして疑いをかけられ、警察の目をかいくぐりながら真相の究明に走る__というわけで、天才プログラマーの頭脳戦サスペンス+(がっつりと銃撃戦あり)ド派手な逃亡劇アクション+娘のためなら不死身のパパという、属性盛りだくさんの超エンターテインメントに仕上がっているのだ。

主人公が追いつめられて逃亡する話が好きなんですがね、逃亡劇も規模感が問われるし、全国各地での地方ロケとかは実現不可能だと思ったらしく、近未来モノと逃亡モノを合わせてましたね。逃亡劇での巨大な船、海って生物にとっての母たるものと考え、人工知能の産みの母は人間なので、人間誕生の源でもある”海”は外せなかったという監督。国民の個人情報と健康状態を管理する”のぞみ”は、桐生の弟である西村(賀来)が管理運営をするHOPE社の代表取締役を務めている。

とにかく追いつめられるほどにタフガイとなり、悲壮感が色気に変わる大沢たかおの熱演が堪らない。スタントではなく自分でこなしたというから「キングダム」王騎に続いて本作では、50代にしてアクション俳優としての魅力を高めている彼と、邦画では珍しくオリジナル脚本のアクション現代劇が見事にマッチしていた。

今回の映画に出てくる自動運転の車とか、眼鏡に地図などを表示するシステム、24年に大阪の地下鉄に導入される顔認証の技術とかも進んでいたと思います。

リアリティを感じたのは、AIが判断する「生きる価値のある人間と、ない人間の選別」の描写が恐怖を感じました。人の命の価値を赤の他人やAIが計るってやはり怖いです。だからフィクションのドラマが作れたともいえる。

警視庁サイバー犯罪対策課を率いる桜庭(岩田)は、捜査AI”百目”を駆使して桐生を追い詰めるわけ。所轄の刑事、会田(三浦)と奥瀬(広瀬)は、足を使って桐生を追う。三浦友和と広瀬アリスの刑事コンビが、桐生たちとは真逆のアナログな人間の設定なのも面白かったです。なんか、二人を観ているホッとしてきて、昔の刑事ものを観ている感じになり、何とも言えない空気を作ってくれていましたね。

あの結末を見て観客一人一人が、自分はどんな未来を望むかな?と考えるところも良かったですね。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・30 アクション・アドベンチャーランキング

 

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31127346

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles