数々のヒット曲を世に送り出してきた伝説的ロック・ミュージシャン、エルトン・ジョンの波瀾万丈の音楽人生を、エルトン・ジョン自ら製作総指揮を務め、主演に「キングスマン」のタロン・エガートンを迎えて映画化した音楽伝記ドラマ。スーパースターの栄光と挫折、そして奇跡の復活を、ミュージカル仕立ての演出を織り交ぜつつ赤裸々かつ感動的に綴る。共演はジェイミー・ベル、リチャード・マッデン、ブライス・ダラス・ハワード。監督は「イーグル・ジャンプ」「サンシャイン/歌声が響く街」のデクスター・フレッチャー。
あらすじ:ロンドン郊外で不仲な両親のもとに生まれ、愛のない家庭に育った少年時代のエルトン・ジョン。冴えない日々を送る中、音楽的な才能を見出されて国立音楽院に入学する。やがてロックに傾倒していったエルトンは、レコード会社の公募に応募し、そこで同じ応募者のバーニー・トーピンと運命的に出会い、以来2人は作曲家・作詞家コンビとして幾多の名曲を生み出してく。こうして稀代のメロディ・メイカーとして一気にスターダムへと駆け上がっていくエルトンだったが…。
<感想>そのメロディは、世界中を魔法にかける。“僕の歌は君の歌”や“ダニエル”など、洋楽史に輝く数々の名曲と、あのカラフルでお茶目なメガネでお馴染みのエルトン・ジョン。本作では、そんな彼の代表曲を「もうお腹いっぱい」というほどにたっぷりと詰め込んだ、自伝ストーリー風味のミュージカル・ドラマ映画でした。
子供のころからピアノの天才だったエルトンは、シャイな作詞家バーニー・トービンとの運命の出会いをきっかけに、世界的なロックスターとして成功を収めていくのだけれど、・・・?
5度のグラミー賞受賞をはじめ、数々の成功を収めてきたミュージシャン、エルトン・ジョン。演じているのが、「キングスマン」のタロン・エガートン。一般的にエルトンはすぐに癇癪を起す、かなり荒っぽい人間だと思われていたが、タロンが演じるエルトンは、その印象を払拭して、エルトンが気難しくなっている場面でさえ、彼の中にある弱さを表現しているし、歌声も素晴らしく吹き替えなしで全編を歌い、踊って演じきっていたのが素晴らしい。
英国出身で、1970年代にブレイクしたゲイのロック・ミュージシャンの映画というと、昨年大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」と比較したくなる人も多いだろう。でも、あちらが基本的に「ドラマ仕立て」で、物語を展開させていたのに対して、本作ではもっと「ミュージカル濃度が高め」の構成になっている点がポイントであります。
エルトンがリハビリ施設から英国での幼少期の回想に飛ぶオープニング・ナンバーでは、彼は群舞に馴染めず、現実と非現実が混じり合うシーン。
そして、トービンの離婚体験が歌詞に現れたと言われているバラード。劇中ではエルトン少年と不仲の両親、祖母が代わる代わる歌うのだ。
それに代表作のロック・チューン。パブで演奏していたエルトン少年が曲中で青年になり、舞台を遊園地に変えて華やかな群舞に発展してゆく。
エルトンとトービンの初期作で、レコード会社を通じて出逢い、たちまち意気投合した2人が、夜通し語り合う場面で、しっとりと流れる曲。「人生の壁」
ブレイク前のシングル曲、ノリノリにピアノとボーカルが、同居生活を始めた若きエルトンとトービンの生き生きとした姿が重なる。
「ユア・ソング/僕の歌は君の歌」キャリア最初の本格的なヒット曲。トービンの書いた詞を見つめているエルトンが、実家のピアノで美しい旋律を奏でて、歌い始めるシーン。
「クロコダイル・ロック」初の全米№1となったパワフルな楽曲。米国での初公演シーンで歌われ、スター誕生の興奮を煽る。エルトンも観客もふわりと宙に浮くのだ。
「パイロットにつれていって」恋人&マネージャートなるジョン・リード(リチャード・マッデン)とのラブシーンで流れる。
「ロケット・マン」1972年発表のヒット曲。成功の絶頂で深い孤独を味わうエルトンの、自殺未遂とわずか数日後に出演したスタジアム公演の場面をつなぐ。
(アイム・ゴナ)「ラヴ・ミー・アゲイン」ラストはエルトン&トービンの書き下ろし曲。ソウル調の新曲でタロンとエルトン本人がデュエットしている。
歌&ダンスのアレンジも大胆に攻めまくっていて、スパイダーマン顔負けの超絶アクションが飛び出すかと思えば、エルトンの深層意識、それとも悪夢?の中まで潜りこむファンタジー風のシーンまで登場しちゃうのだから。
トレードマークの眼鏡と同じく、全篇がカラフルでお茶目なミュージカル映画になっていた。原曲を知らなくても充分に楽しめるので、エルトン初心者の方でも楽しめること請け合いです。
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