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パリの家族たち★★★

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「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」のマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督が、パリで働く母親たちに焦点を当て、仕事と家庭の狭間で葛藤しながらも、家族との関わりを通して幸せを見出していく姿を描いた群像ドラマ。主演は「最強のふたり」のオドレイ・フルーロ、共演にクロチルド・クロ、オリヴィア・コート、カルメン・マウラ。

あらすじ:母の日を目前に控えたフランスのパリ。女性大統領アンヌは、職務と初めての母親業の狭間で不安に揺れていた。2人の子どもを持つシングルマザーのダフネ。ジャーナリストの彼女は、仕事を優先するあまり、思春期の子どもたちとの間の溝は深まるばかり。ダフネの妹で大学教授のナタリーが独身を謳歌する一方、長女で小児科医のイザベルは幼少期の母との関係にトラウマを抱えながらも、認知症が進む母の介護のことで頭を悩ませているのだったが。

<感想>母の日をテーマに、母について深く切り込んでいます。女性大統領、ジャーナリスト、舞台女優、花屋、ベビーシッター、大学教授、小児科医…パリで働く女たちとその家族の“幸せ”と“自分”探しの物語。監督・脚本のマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール。「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」と今作しか観ていないが、日常、あるいはそのすぐ近くに題材を見つけて、群像劇にするのが得意のようですね。

パリの生きのいい女性たちを一皮めくり、子供を持つ女性にも、持たない女性にも、自分が命を授かった母親の存在を通して、個々の女性たちの幸せを見つけさせるのだから。ですが、人はみな母親から生まれ、母親の影響を受ける。存在しても、しなくても母の存在は大きいということを実感してしまう。

母親になった女性大統領は言う、「4年後、国民は母親を選ぶでしょう」と。大統領執務室の隣の部屋に赤ん坊を寝かせて、ミルクやおむつ替えなどは、執事のような老人がしていた。ベビーシッターを雇えばいいのにと思いましたね。

そしてまた、舞台女優アリアンが若い男性とタップダンスを繰り広げる場面は、見応えがありました。かなり練習をしたのでしょうね。

家族というよりも、母親たちの群像劇になっていた。日本よりは女性が子供を産んでも、生きやすいとされているフランスでも、母親になる選択と向き合う個人的・社会的試練は同じだと思う。登場人物の多さは、そのまま生き方や選択技の多様性を意味しており、ややサンプルケースのカタログっぽく見えなくもないが、カタログを作ること自体には意味があるようだ。

花屋の娘は、恋人の子供を妊娠しているのに、彼にそのことを言えないのだ。とうとう、コウノトリの着ぐるみを着て、赤ん坊の人形を加えて恋人の前に現れるのだ。

女性賛歌は何の解決にもならない。子どもを持つことがリスクよりも可能性でありますように、またそれと同じぐらい子供を持たない意志や、権利も尊重されますように。

「パリ 嘘つきな恋」とは対照的に、同じフランス映画でも日々奮闘する女性たちを描いた群像劇になっていました。働く女性が、仕事と家族と恋愛の間で葛藤して、自分なりの生き方を見つける姿を描いている。それと、女性が母親業と仕事のどちらかの選択を、迫られなくてすむようにとのメッセージには共感しました。

物語を通して伝わって来るメッセージは尊いと思うのですが、それが作者の頭の中に先にあり、映像や登場人物や物語が、メッセージに従っているように見えるのだ。それでは、代理店が作るCMと変わらないのではないか。

ですが、女は強し、母親はもっと強しという感想に行き当たると思う。だからこそ揺れ動く女性たちの日々の苦労が、画面から滲み出てくるのだ。女4姉妹が集まり、母親の世話をするのは誰が?・・・という問題に、みな仕事や自分の家族がいて、母親の世話が出来ないし、結局は老人ホームへ入れてしまうのだ。自分の年老いた母親の姿を見れば、なおさらのこと、そんなことが伺い知れる。

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