ジャッキー・チェンが「007/カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル監督とタッグを組んで贈るクライム・アクション。スティーヴン・レザーの『チャイナマン』を原作に、過去を封印して生きてきた男が、最愛の娘がテロの犠牲となったことで冷酷な戦闘マシンとなり、犯人を追い詰めていく壮絶な復讐劇を描く。共演はピアース・ブロスナン。
あらすじ:ロンドンで中華レストランを経営し、高校生の娘と2人だけの穏やかな日々を送るクァン。だがある日、その大切な愛娘が無差別テロの犠牲となってしまう。犯人への復讐を誓うクァンは、やがてテロを実行した北アイルランドの過激派組織と繋がりのある大物政治家リーアム・ヘネシーにたどり着く。犯人の名を明かすよう迫るが、リーアムは平然としらを切りとおす。失うもののないクァンは、そんなリーアムに対し、彼のオフィスに小型爆弾を仕掛け、自らの固い意志を過激な行動で示す。クァンはかつてアメリカの特殊部隊に所属していた一流の工作員だったのだ。クァンはこれまで封印してきた戦闘スキルを駆使し、実行犯を突き止めるべくリーアムを追い詰めるとともに、テロ組織へと迫っていくのだったが…。
<感想>60歳を越えたジャッキー・チェン。年齢不詳のアクションも変わらずで安心しました。久しぶりのジャッキーに燃えましたね。さすがに60歳を超えたジャッキーは、体もぶよぶよのご老体ですが、アクションのキレは相変わらずで、超人と言わざるを得ないアクションスタントぶりで、もうこれだけでも充分ですからね。観ていて気持ちがいいほど頑張っていましたね。
いくら老いを前提にした役柄が近年増えていたとはいえ、ここまでしょぼくれていて、平凡な初老男に成り切っているジャッキーには驚かされた。
冒頭での爆破シーンがあり、娘をテロの爆破事故で亡くす、悲しいシーンについ涙で熱くなりました。これは絶対に娘の仇をとって復讐の鬼になると思った。彼が只者ではないことが明らかになっていく過程が最高にいい。
人間関係が相当に複雑になっているが、「007」シリーズを手掛けた監督だけに、狭い部屋でのアクションや爆弾テロの場面に手が込んでいて迫力満点。
怒らせてはいけない人を、怒らせてしまったのだ。普段は英ロンドンでレストランを経営するクァン。慎ましく平穏な生活を送るなか、高校生のひとり娘が無差別テロで命を奪われてしまうのだ。復しゅうの炎に焼かれ、激しく、しかし静かに身を焦がしていくクァン。犯人を探すうち、北アイルランド副首相のリーアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)にたどり着く。
とは言え、話の重心はむしろこのピアース・ブロスナン側にあって、本格スパイスリラーを思わせる結構複雑な物語になっていた。ですが、ピアース・ブロスナンの若い女とのベッドシーンも旺盛で、中々元気な叔父様ですから。
夫が浮気をすれば、妻も甥っ子のイケメンのショーンと不倫関係になっているとは。ショーンのロリー・フレック・バーンズ君、彼も特殊部隊あがりの優れもので、森の中でジャッキーと戦うのが面白かった。
ターゲットの北アイルランド副首相のヘネシーは、官僚時代に抱えた“ある問題”におびやかされていた。クァンの犯人を追うあくなき執念が、かつてアメリカの特殊部隊に身を置いていたことを浮き彫りにする。次第に明らかになる2人の過去。敵か、味方か、孤独な男たちの戦いは、想像もしない結末へと向かっていく。
ジャッキーが狭い部屋の民家で暴れまわる様子は、いつもの自分の作品のアクションだ。カンフーに飛び蹴り、自由に動き回る身のこなし方、一人で何人もの敵と戦う姿はいつもと同じでした。
ジャッキーが徐々に復讐の鬼と化すありさまが、見どころですね。アイルランドへと行き、ヘネシーの屋敷の中へ潜入し、屋敷の森の中へと逃げ込むジャキーは、まるで屈強な戦士。ブービートラップを用いたゲリラ戦を仕掛けたり、ワイヤーで罠を仕掛けて、敵の足を奪う。すかさず拳銃をぶっ放し、森の中を走り抜ける。枯れ葉で身の隠し処にするなんて、日本の忍者顔負けでしたね。
ジャッキーが、コツコツと爆弾を作る姿には、ショックを受けるが新鮮でもある。トイレに仕掛ける爆弾は、火炎瓶のような瓶が3本にマッチを付けて、火を付けるだけで物凄い威力があるのだ。
ただし、IRA敵組織内のゴタゴタが非常に多く描かれており、スクリーンを追うのがしんどくなる。ジャッキーの使い方も布陣も悪くないのに、いくらでもハードボイルドなタッチに出来そうなのに、明朗な雰囲気がどことなく漂うのは、ジャッキーの身体が生理的に持つ、個性が生かされていないのも惜しい出来でした。
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