「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」の人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー主演で贈るコメディ。ぽっちゃり体型で容姿に自信を持てなかったヒロインが、転倒して頭を強打したのをきっかけに、自分を完璧な美人と思い込むようになり、ポジティブになって周囲に大騒動を巻き起こしながらも思いがけず人生が好転していくさまをコミカルに描く。共演はミシェル・ウィリアムズ、エミリー・ラタコウスキー、ナオミ・キャンベル、ローレン・ハットン。監督は「25年目のキス」「そんな彼なら捨てちゃえば?」などを手掛ける人気脚本家コンビで本作が長編監督デビューのアビー・コーン&マーク・シルヴァースタイン。
あらすじ:サエない容姿のせいで自分に自信が持てないレネー・ベネット。高級コスメ会社リリー・ルクレアのオンライン部門に勤めている彼女だったが、華やかな本社で働く美女たちに刺激を受け、自分もスリムになろうとジム通いを始める。ところがトレーニング中に転倒して頭を強打し失神してしまう。その後、ようやく意識を取り戻したレネーの目には、なんと自分の姿が絶世の美女に見えるようになっていた。実際には何ひとつ変わってないにもかかわらず、その言動はすっかり自信に満ち溢れ、意外にも仕事も恋も絶好調になるレネーだったが…。
<感想>レネーはルックスにコンプレックスを持っているがゆえに、何もかも自信ゼロでひがみっぽいキャラ。だけど、頭の打ち所が悪くて、自分の見た目が絶世の美女に変わったと勘違い。でも、それだけで前向きになれて、何もかもが「憧れの自分」に。結局は見た目なんてただの器。器の中身さえよければ、理想の自分になる可能性があるってことなのよ。ありのままが一番じゃない?
全米大人気のコメディエンヌを演じるのは、エイミー・シューマー。日本を代表するコメディエンヌ! 本作の吹き替えを担当した渡辺直美は、シューマーの長年の大ファン。アフレコの際は「完全に入り込んでた」とレネーに完全にシンクロしていた渡辺直美だからこそわかる、本作の魅力は?・・・。
太り過ぎの容姿で自分に自信が持てないエイミー・シューマーが、スリムになろうとジム通いして、熱血トレーナーにテンションが上がる周囲の雰囲気に押され気味だったが、「みんな、人生をつかむ準備は? 心を変えて! 体を変えて! 新しい人生を手に入れて!」というトレーナーの鼓舞により、レネーもボルテージを上げていく。そのまま思い切りペダルを踏みこんだレネーだったが、勢い余って転倒し、気を失ってしまう。
転倒をして頭を打ったあげく、鏡を見て、自分は美人だと思い込んでしまう。実際、エイミーは美しく見えるので、入れ替わりのドタバタ喜劇を期待していると、物語はエイミーの一人舞台による説教くさい流れになってしまい、ビキニコンテストの場面なども意外にはじけなかったようだった。
彼女は中華街地下の小部屋に勤めつつ、ニューヨークの高級オフィスに憧れているのだが、その上昇志向が見ているうちに平凡すぎてハナにつくのだ。それでも、顔は美人なのでもう少し痩せてもいいのだが、転倒した後は、勝手に思い込んでいて、従ってこちらが目にする彼女は、始終プレーンのまま。
でも劣等感全開よりもキラキラ感全開の方が魅力的なのでいい。視覚的にも“中身が重要”というテーマを伝えていく仕掛けが巧いときてる。
絶対無理って思っていた憧れの受付嬢にも、一発合格ですからね。 これが美人の世界……優遇されすぎでしょ! 時々訪問客が「マジか」って顔するけど、こんな美人に会ったらやっぱそうなるよね?
雲の上だったCEOも、私のこと超絶気に入っちゃって「いないと困る」だって。どうしよう私人気者すぎる! 仕事もすっごく楽しいし、彼氏もできて超充実! ずっと美人のままでいたいなぁ……。
それに、今までずっと門前払いだったVIP限定パーティにもついに入れたわ。 今まで貧乏くじ引いてばっかだった分、ここから挽回です。 親友は入れなかったけど……まぁいいかぁ。 きっと許してくれるはずよね。
あえてモデルも配したキャスティングも良かったが、ワケあり然としながら、いまいち弾けない化粧品会社のオーナーの一家がもったい扱いだったようだ。
しかしだ、たわいもないコメディに見えるかもしれないが、身につまされて泣かされる。人は一人一人違うのに、観て解りやすい属性とか外見的な特徴とかから、勝手にステレオタイプに当てはめて、人格を決めつけることの愚劣さがよく解る。だから、「あなたの尊厳を誰にも奪わせないで!」という力強いメッセージが伝わって来るのだ。
声が変だと気にするエイヴリーも、職場のマッチョさに馴染めないイーサンも、群がる女たち誰もが本当の自分を見てくれてはいないのだと悩むグラントも、どのキャラクターもみんな愛おしいのだ。
明るく楽しく、応援したくなる“全女子共感”の映画でもあり、今年1年、元気とやる気をチャージして下さいな。
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