Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

LBJ ケネディの意志を継いだ男★★★・5

$
0
0

 ウディ・ハレルソンがケネディ暗殺直後に、急遽大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンを演じる伝記ドラマ。南部出身でありながら、ケネディの意志を継いで差別撤廃に尽力したジョンソン大統領の葛藤と知られざる政治手腕を描き出す。共演にマイケル・スタール=デヴィッド、ジェフリー・ドノヴァン、ジェニファー・ジェイソン・リー。監督は「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー。

あらすじ:議会で民主党のリーダー的存在だったリンドン・B・ジョンソンは、1960年の大統領予備選で若きエリート政治家ジョン・F・ケネディに敗北を喫するも、ケディの要請で副大統領候補として大統領選を戦い、彼の勝利によってそのまま副大統領に就任した。しかし、カリスマ性溢れるケネディの輝きの前に、いつしか国政の蚊帳の外に置かれていくジョンソン。ところが1963年11月22日、ケネディが暗殺され、ジョンソンはそのわずか98分後には、第36代アメリカ大統領に就任することに。国中が悲嘆に暮れ、自身もケネディと比較され、多大なプレッシャーがのしかかる中、ジョンソンはある決意を固める。それは南部人である自らの信条よりもケネディの意志を尊重し、公民権法の成立を目指すというものだったが…。

<感想>過去(JFK)には戻れない、けれど未来は変えられる。ケネディ暗殺後、アメリカ大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンの苦悩と挫折、闘いの日々を描いた真実の物語。この題名を見て「リンドン・ベイン・ジョンソン」とはっきり発音できる人が何人いることか、かくいう私もミドルネームのベインズには自信がなく、「リンドン・B・ジョンソン」と記憶していた。

名前はともかくとして、その業績となる「JFK=ケネディ大統領の後継者であり、1963年11月、彼が暗殺された後に98分で大統領に就任した副大統領」とか、「ケネディの遺志を継いで公民権法を成立させた南部出身の民主党員」と記憶しているぐらいであります。

むしろ、無礼で、下品で、貧乏で、南部育ちのジョンソン。上流社会のケネディとは正反対の男だった。ですが、そんな彼が、人種差別撤廃など、ケネディが夢に見た理想を実現してゆく。そして、ベトナム戦争を推し進めた大統領としては、すこぶる評判は良くなかったのだが。その大統領をなぜにロブ・ライナー監督は映画にしたのか。しかもウディ・ハレルソンという超個性派の俳優を抜擢してまで。

答えは観てのお楽しみといいたいところだが、これだけ評判の悪い大統領を弾効の声さえ聞こえて来る現大統領と比較するかのように、今取り上げる意図はどこにあるのか?。という難しい問題はさておき、1本の映画として観ると、一人の大統領の苦悩と不安の生涯をかなりリアルに描いていて見応えが十分なのである。

北東部出身のエリート議員であるケネディとは、対照的な南部出身の成り上がりのリンドン・B・ジョンソン。その彼が副大統領の指名を受けたばかりに開けた大統領への道。

だが、その過程ではケネディの弟である司法長官のロバートらとの、確執が待ち受けており、という政治の裏舞台をきっちりとふまえた上で、ハレルソンがそのリンドン・B・ジョンソンをどう演じたのだろうか。

結論から言えば、さすがのハレルソン、相手を口汚くののしる前半から人が代わったように「忍」の姿勢を貫く後半へと変貌を見せていてお見事と言いたい。どちらかと言えば、癖のある演技で注目されたこれまでの彼を、封印できたのは、ジョンソンのそっくりさんとも言えるメークのせいもあるのだろうが、謎の部分がより一層強調されたようで、人物像に奥行きが出ていた。それにしても、ジョンソンとは何者だったのか。未だに釈然としないものが残るのだ。

第36代アメリカ大統領リンドン・B・ジョンソンは、このテキサスの粗暴さを武器にして、公民権法と投票権法を成立させ、50年代以降、アメリカ国内で活発化していた公民権運動に決着をつけた人物なのである。

もちろん、公民権法の基礎は先代のジョン・F・ケネディによるものですが、いわば「型」から入って理想を打ち立てたJFKに対し、LBJは「型破り」な粗暴さで、反発勢力の妨害にも怯まずそれを押し通したのであります。反発勢力の人物としては、南部出身の下院議員を演じているリチャード・ジェンキンスが演じているのも良かった。

一方では、LBJの泣き所は人脈の欠落であった。JFK暗殺後、彼の人脈、いわゆる「ベスト&ブライティスト」うぃまるごと受け継ぎ、彼らが固執したベトナム政策では泥沼に落ち込んでいく。大統領執務室の机の影にかがみこみ、片手で顔を覆うという苦悩するJBLの写真が残されている。結果的にベトナム戦争が、LBJの命取りとなった。

もっとも、黒人たちは、ジョンソンこそが白人側から差し伸べられた最大の救いの手であることに、いち早く気づいていたのだった。公民権法が成立するまでは、黒人にとって愛すべき大統領と言えば、フランクリン・D・ルーズベルトだった。かつては奴隷制を支持するなど極めて差別的だった民主党を、1930年代に改造し、今日の革新政党に生まれ変わらせ、自分たち黒人をかばってくれたからだ。

しかし、公民権法成立以後は、黒人たちの家にそれまで飾られていたフランクリン・D・ルーズベルトの写真に代わって、リンドン・B・ジョンソンの顔写真が掲げられたという。

2018年劇場鑑賞作品・・・229  アクション・アドベンチャーランキング

 

 「映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30184635

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles