「スター・トレック」「ハロルド&クマー」シリーズのジョン・チョー主演のサスペンス・ミステリー。行方不明になった一人娘を見つけ出そうと、SNSで手がかりを探っていくうちに浮かび上がってきた娘の思いも寄らぬ実像に混乱していく父親の不安と恐怖を、PC画面の映像のみという斬新なスタイルでスリリングに描き出していく。監督はこれが長編デビューとなるインド系の新鋭、アニーシュ・チャガンティ。
あらすじ:妻に先立たれ、女子高生の娘マーゴットと2人暮らしのデビッド。ある日、勉強会に行ったはずのマーゴットが行方不明なことに気づく。警察に失踪届を出したデビッドは、担当刑事のヴィックとともに、マーゴットのパソコンにログインし、彼女の手がかりを求めてSNSを探り始める。するとそこには、デビッドの知らないもう一人のマーゴットの姿があった。動揺しつつも、さらにマーゴットのSNSを探っていくデビッドだったが…。
<感想>物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。娘を検索する――はじめて知る闇、娘が行方不明。唯一の手がかりは24億8千万人のSNSの中にある。
突如姿を消した16歳の愛娘を探す父親が、危険なネットの闇に足を踏み入れ、目にした衝撃の事実とは――。米国最大の批評サイト「Rotten Tomatoes」では93%という高得点を記録し、日本でも“バズる”のは必然。その最先端に位置するのが、本作に代表される“デスクトップ・サスペンス”だ。
Twitter、Facebook、Messengerなど我々が慣れ親しんだサービスが次々と登場し、「今、実際に起こっている」と錯覚するだけでなく「自分の身にも起こりうる」と戦慄させられる生々しさ。「現実と映画の境がなくなる」全く新しい体験が映像で観られる。
娘が突然消えた、連絡も途絶え警察に連絡するも皆目見当がつかない。手がかりを求めて、娘のパソコンにログインするのだが、・・・。シングルファーザーの娘探しを描いた本作出は、一見よくある話のような、ミステリー劇になっている。斬新なまでに大胆なアイディアに貫かれている。
全編パソコンのモニター上だけで物語が展開しているのだ。とすると、動きが乏しい地味なビジュアルを想像するかもしれないが、心配は無用ですから。
SNSに保存されている写真や動画共有のサイトはもちろん、メッセージアプリやメールのテキストなどが、次々と意外な真実を提示していき、二転三転の謎解きを観る者に体感させるのだ。
監視カメラやニュース番組のライブ映像のウィンドウが、めまぐるしく画面に現れて、まさに息もつかせぬサスペンスを生む。27歳の新人監督、アニーシュ・チャガンティによる現代ならではの新しい映画表現に驚かされる。
ユニークな演出手法に目が行きがちな本作だが、劇映画のベースとなる脚本の出来映えも秀逸である。SNSを調べるうちに、自分がまったく知らなかった娘の一面に動揺していく主人公の心理をリアルに描いている。
娘にはあまり友達とよべる人はいなく、いつも一人で昼ごはんを食べている物静かな人物とされていた。それでも愛する娘を必死に捜し続け、時として暴走してしまう父親の姿が観るものの共感を呼び起こします。そして、娘がいつも一人で湖へ出かけてお気に入りの場所があるようだ。それと、父親の知らぬ間にピアノ教室も退会していたのだった。じゃ、今まで娘に渡していたピアノの月謝は、2500$の大金になる。そのお金の行方と、SNSで親し気に交わす亡くなった母親に似た女性。
警察の女捜査官が、親身になって娘の捜索をする。そして、変質者による犯行だと、犯人を捕まえる女捜査官。この女性は、シングルマザーでニートの息子がおり、その息子が良く問題を起こす。そのことを父親のデビッドに、親し気に話しをしては同情をかうような気配がした。そして、父親が見つけたSNSでの一人の女性、その女性がまさか自分の娘を捜査している警察官だったとは?・・・。娘の葬式の日に、教会へと行き警察へ全部知らせた父親が、新たな真犯人を突き止めるのだった。まさか、その女性捜査官の息子が犯人だとは、どう考えても息つかない結末であります。
娘は湖に行き、そこで捜査官の息子と出会い、その息子は以前から娘のことをSNSで調べて好きだったようで、湖に行き、娘ともみ合いになり渓谷の崖下へ落としてしまったと言うのだった。
随所に張り巡らされた伏線が、鮮やかに回収されていくスリリングにゾクゾクしながら、予想を裏切る驚愕の結末を目撃するのでした。映画のエンドロールには、撮影監督とは別に「デスクトップ撮影監督」を表す「Virtual Cinematographer」という、スタッフがクレジットされているのも新しい。
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