小泉今日子演じる雑文筆家と、彼女の元に集うワケあり女たちが繰り広げるエピソードを、50品以上もの料理とともに描く人間ドラマ。沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香という豪華女優陣が共演する。その他にも、男性陣としてユースケ・サンタマリア、池内博之、勝地涼、笠原秀幸、小池徹平、間宮祥太朗、遠藤史也、RYO(ORANGE RANGE)、PANTA(頭脳警察)、眞木蔵人らが出演しており、女性たちの食欲とエロスが彩る“おいしい関係”を紡いでいく。TBSで数々の人気ドラマを手がけた生野慈朗の9年ぶりの映画監督作となる。
あらすじ:東京にある古びた日本家屋の一軒家、通称“モチの家”の女主人は、雑文筆家で古書店を営むトン子こと餅月敦子(小泉今日子)。おいしい料理を作る彼女のもとには、迷える女性たちが集まってくる。男を寄せつけない書籍編集者・小麦田圭子(沢尻エリカ)、いけない魅力をふりまくごはんや“道草”の女将・鴨舌美冬(鈴木京香)、2児の母で夫と別居中のパーツモデル・米坂ツヤコ(壇蜜)、ぬるい彼に物足りないドラマ制作会社AP・白子多実子(前田敦子)、求められると断れない古着ショップ店員・本津あかり(広瀬アリス)、料理ができなくて夫に逃げられた主婦・豆乃・リサ・マチルダ(シャーロット・ケイト・フォックス)、BARロマの手伝いをしながら愛を貫くタフな女・茄子田珠美(山田優)……。トン子の料理と楽しい会話が、彼女たちを日常から解放させてくれる。今日も、人生に貪欲で食欲旺盛な女たちの心と体を満たす宴が始まる。
<感想>本作は、年齢、職業、価値観もさまざまな8人の女性の日常を通して、“食”と“性”をテーマに、多様な生き方をする8人の女性たちを描いた群像劇である。「人はおいしい食事をすると、体が元気になり、愛しいいセックスをすると、心が優しくなる=スローフード・スローセックス宣言」と言うテーマで書かれた原作を基に、脚本家・筒井ともみ自身がオリジナル要素を加えて脚本家し、企画とプロデュ-スも務めている。
物語の中心となる小泉今日子扮する主人公トン子こと、餅月敦子の自宅である通称“モチの家“の中と、鈴木京香扮する美冬が営むごはん屋「道草」の内部セットが殆ど映像の中心であり、たまに“BARロマ”の手伝いをしながら愛を貫くタフな女・茄子田珠美(山田優)の店が映し出される。
女の集まりというか、主人公トン子は昭和風の日本家屋の自宅で古本屋を営むが雑文筆家でもあり、その家に集まって来る年齢もキャリアも違う女たちのエピソードを拾っていくのだが、担当編集者のドド(沢尻エリカ)、それにトン子の幼馴染の美冬などが集まり、美味しい食事を食べながら本音で語り合う女たちだけの宴が時折催されている。
驚いたのが担当編集者のドドに扮した沢尻エリカが、男性不振なのか、恋人がいない惨めな自分に、職業が板前か知らないが、道端でばったりと出会うユースケ・サンタマリアと、自分の部屋で料理を作る彼に次第に惚れてゆく過程が凄いというか、食欲と性欲の両方を彼から貰ったみたいで肉食女子って感じを演じていた。裸のユースケの筋肉美と胸ゲにびっくりでした。
そこで出される家庭料理の美味しそうなこと。殆どが酒の肴になるものが多い。真っ白の猫がいい味を出して可愛い。ですが、すでにそれぞれみんな好き勝手に生きていて、それ以上何をどーしたいのかが、男たちを後方に置いての女たちの妖しい炎がメラメラと燃え上り、食欲も性欲もお好きにどうぞって感じ!。
その他にも、美冬の店「道草」で働くと共に、トン子の家に居候することになる訳アリの主婦マチ(シャーロット・ケイト・フォックス)、そしてドラマ制作会社AP・白子多実子(前田敦子)の行きつけの“BARロマ”で働く、珠美(山田優)、3人目を妊娠中である。
夫の眞木蔵人とは離婚をしているが、お腹の子供の父親は、“BARロマ”の経営者である眞木蔵人である。他にも父親が眞木蔵人の2人子供がいる、シングルマザーである。セックスはしている離婚夫婦なのに、何故に別れたのかが謎であります。
その常連客のあかりに扮する古着ショップ店員の広瀬アリス、ひょんな縁からトン子と繋がる2児のシングルマザーのツヤコ。演じているのは壇蜜で、夫は愛人と家を構えているのだ。2人の子持ちの壇蜜演じるパーツモデル・米坂ツヤコは、夫とは離婚をしてないので、別居している愛人宅へ子供2人を連れて、ピクニックへ行こうと弁当を作って誘いに行くが、断られてショックのツヤコ。
そのツヤコの娘が、母親の心情を考えてトン子の家に家族で転がり込むのだ。
洒落た食事を楽しむ女性たちの姿を描いたこの映画では、ユニークなデザインや個性の強いデザインの食器は登場しない。逆に質素でありながらも、料理を際立たせるための皿や丼、小鉢などが出て来る。
そして、丸いという形状は“和”を感じさせ、劇中でトン子の縁側で満月を見るシーンでは、女性たちの“和”を象徴させているかのように観えた。
だからなのか、最後で8人の女たちが、卵かけごはんを美味しそうに食べるシーンが映し出される。確かに、炊き立ての白いご飯に、生卵をかけてお醤油をちょっと垂らして食べるのは、日本人ならみんな大好きなものだと思うが、私にはちょっと違うような気がしました。
確かに美味しそうな料理が出て来るが、8人の女たちのどのキャラも“色”が異なるだけで、8人の女の話を描くのにダラダラと長すぎて、内容が実に薄っぺらに見えて来る。折角の美しい女優8人が揃っていたのに、トッピングだけが目立つ上げ底の映画を観ているようで、観終わった途端にお腹が空いて来るのだった。
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