『シックス・センス』『エアベンダー』の鬼才M・ナイト・シャマランが放つスペクタクル。人類が放棄して1,000年が経過した地球を舞台に、屈強な兵士とその息子が決死のサバイバルを展開する。『メン・イン・ブラック』シリーズのウィル・スミスと『ベスト・キッド』のジェイデン・スミスが、『幸せのちから』以来の共演を果たし、再び親子を快演。地球が人類を抹消する生態系を抱える惑星となったというユニークな設定、VFXで創造された未知の動物たち、冒険を通して揺らいでいた絆を固くする親子のドラマなど、見どころ満載だ。
***ネタバレで書いてますのでご注意ください。
<感想>タイトルの「After Earth」とは、「地球後暦」のこと。環境破壊によって人類が地球を脱出し、惑星ノヴァ・プライムに移住してから1000年後の物語である。ウイル・スミスが制作&原案を兼務し、息子ジェイデンとW主演を務める未来を舞台にしたサバイバル、SFアクション映画である。
人類にとって危険極まりない場所に変貌した未来の地球に、宇宙船にトラブルが発生して機体が破損、緊急シグナルを搭載した尾翼部が地球へと落下する。それを追って地球に宇宙船が不時着するが、父子を除くほかのクルーたちは全員死亡してしまう。国民的英雄であるユナイテッド・レンジャーの総司令官の父は、両脚を負傷し動けないため、救援を求めにいく役割は息子のキタイが担うことになる。
このシーンだって、墜落の時もの凄い勢いで飛ばされた父親なのに、両脚骨折程度ですんでるのが変ですから。まぁ、家庭では疎遠な二人が、サバイバルを通じて絆を深め、やがて息子は父親と同じ英雄へと成長するという、物語の展開には満足ですがね。
見せ場は、人類が捨て去ってから1000年後の地球は?・・・まず息を飲むのは生まれ変わった地球の様子。自然は枯れ果て、大気や水が汚染されたかつての面影はなく、大地を覆っているのは豊かな緑のジャングル。ところが、原始のジャングルに足を踏み入れると、この星は本性を剥き出しにする。天候は不安定で、気温は激しく上下、さらに進化した野生生物が弱肉強食の死闘を繰り広げているではないか。そんな地球で、親子は力を合わせて救援信号を発信する“ビーコン”を探し出さなければならなかった。
このジャングルのシーンは、北カリフォーニアのフンボルト・レッドウッズ州立公園と、中米のコスタリカで撮影。救援信号を発信するため、コスタリカのアレナル活火山の噴火口で実際撮影したというのだ。もう14か月も噴火してないから大丈夫というスタッフが太鼓判を押したらしいが、ジェイデンくん勇気のある撮影でしたね。
それに、ジャングルの野生動物、初めは猿やゴリラの群れに襲われ必死で逃げると、次は大きなワシでキタイが身に付けているライフスーツ。知能繊維を内蔵した戦闘用スーツで、平時は赤みを帯びた茶色で、敵が接近すると黒に変わり武装モードに。病気や怪我で瀕死の状態になると黄白色になる。しかしながら、ハイテクスーツなのに寒さに意外と弱い。だからジェイデンくん凍死しそうでしたね。それにムササビのように手足の皮膜広げて滑降することも。大きなワシに襲われ、滝のある断崖絶壁からムササビのように滑降するキタイの姿に惚れ惚れします。
そして、キタイが手に傷を負い父親の指導で血液に毒素が回る中、自分で治療するも夜になってしまい、寒くて気を失ってしまう。その時、ズルズルとキタイを引きずるシーンが、彼を連れて行ったのはワシの巣だった。そこには孵化寸前の雛鳥がたくさんあり、そこへも卵を狙って豹のような虎のような狂暴な生き物が巣籠に襲ってくる。キタイは武器で立ち向かい、巣籠から追い払う。その後の危険な時も、このワシが身をもって守ってくれるシーンがあります。
そしてもっとも恐ろしいのが、生物兵器アーサとの戦いである。父親いわく、恐怖心を察知して襲ってくるという最強の怪物。姉が弟を守るため一人で戦い死亡した。その時も父親が助けてくれなかったことを恨み、非難する。でも、アーサに襲われた時、キタイが入っていた感知を妨げる防護バブルみたいなもの。キタイだけが入るちいさな容器で、姉のセンシも一緒に入るくらいの大きなサイズだったら2人共助かったのにね。
そしてキタイが持っている武器です。心の弱さが弱点のキタイが、22種に変化する武器“カトラスC_40”(レンジャーの指の動きに従って、棒の両端から様々な強度の武器が形成され、短刀、槍、長刀、鎌、剣など数百パターンに変化する。)「ベスト・キッド」で高い身体能力を見せたジェイデンが、生身のアクションに果敢に挑戦。恐怖心に打ち勝ち、心を無心にするとアーサにはキタイが見えなくなるのだ。キタイが、棒を2つに分割して二刀流でアーサを仕留める場面は圧巻です。でもちょっと原始的な武器です。時代的には、進化した機関銃、宇宙銃とか、ライフルなんて装備してないのが不思議。それと、キタイが着ているスーツ、アーサに自分の存在を感知させないようにする防護的機能が付いているスーツだったらいいのになぁ。
そして、キタイの命を守る呼吸薬カプセル。地球の大気汚染で活動するためには酸素を効果的に取り込むカプセルが必要なんです。父親に6日分のカプセルを手渡されるも、2つが破損して命の危険にさらされます。それでも、100キロ離れた船尾部分まで辿り着き、予備のシグナルを見つけるも、ケータイと同じ電波が届かない。それには、火山の頂上まで登って発信しなければならない。
かつて「幸せのちから」で支え合う父子を演じたウイル&ジェイデンが、さらに一歩踏み込んだ家族関係を体現。
最後が良いですよね。父親が一人前の戦士になった息子が誇らしいとばかりに、息子に敬礼するシーンに意外なオチでひねりがあって良かった。このシーンを観て、まるで「新世紀エヴァンゲリヲン」のシンジみたいだと思った。キタイが途中までは、父親に指示されながら頼りない感じで障害をクリアしていくんだけど、連絡が途絶えてからは、急に頼もしくなって一人で頑張るという。努力すれば恐怖心は克服できるという。「可愛い子には旅をさせろ」と、いうことですかね。息子の自立の話であると同時に、実は普通の父親であるサイファにとっての子離れの物語でもあるのです。
音楽はシーンに合わせたピアノ旋律と、和楽器が鳴るシークエンスもあって印象的でした。
2013年劇場鑑賞作品・・・214 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
***ネタバレで書いてますのでご注意ください。
<感想>タイトルの「After Earth」とは、「地球後暦」のこと。環境破壊によって人類が地球を脱出し、惑星ノヴァ・プライムに移住してから1000年後の物語である。ウイル・スミスが制作&原案を兼務し、息子ジェイデンとW主演を務める未来を舞台にしたサバイバル、SFアクション映画である。
人類にとって危険極まりない場所に変貌した未来の地球に、宇宙船にトラブルが発生して機体が破損、緊急シグナルを搭載した尾翼部が地球へと落下する。それを追って地球に宇宙船が不時着するが、父子を除くほかのクルーたちは全員死亡してしまう。国民的英雄であるユナイテッド・レンジャーの総司令官の父は、両脚を負傷し動けないため、救援を求めにいく役割は息子のキタイが担うことになる。
このシーンだって、墜落の時もの凄い勢いで飛ばされた父親なのに、両脚骨折程度ですんでるのが変ですから。まぁ、家庭では疎遠な二人が、サバイバルを通じて絆を深め、やがて息子は父親と同じ英雄へと成長するという、物語の展開には満足ですがね。
見せ場は、人類が捨て去ってから1000年後の地球は?・・・まず息を飲むのは生まれ変わった地球の様子。自然は枯れ果て、大気や水が汚染されたかつての面影はなく、大地を覆っているのは豊かな緑のジャングル。ところが、原始のジャングルに足を踏み入れると、この星は本性を剥き出しにする。天候は不安定で、気温は激しく上下、さらに進化した野生生物が弱肉強食の死闘を繰り広げているではないか。そんな地球で、親子は力を合わせて救援信号を発信する“ビーコン”を探し出さなければならなかった。
このジャングルのシーンは、北カリフォーニアのフンボルト・レッドウッズ州立公園と、中米のコスタリカで撮影。救援信号を発信するため、コスタリカのアレナル活火山の噴火口で実際撮影したというのだ。もう14か月も噴火してないから大丈夫というスタッフが太鼓判を押したらしいが、ジェイデンくん勇気のある撮影でしたね。
それに、ジャングルの野生動物、初めは猿やゴリラの群れに襲われ必死で逃げると、次は大きなワシでキタイが身に付けているライフスーツ。知能繊維を内蔵した戦闘用スーツで、平時は赤みを帯びた茶色で、敵が接近すると黒に変わり武装モードに。病気や怪我で瀕死の状態になると黄白色になる。しかしながら、ハイテクスーツなのに寒さに意外と弱い。だからジェイデンくん凍死しそうでしたね。それにムササビのように手足の皮膜広げて滑降することも。大きなワシに襲われ、滝のある断崖絶壁からムササビのように滑降するキタイの姿に惚れ惚れします。
そして、キタイが手に傷を負い父親の指導で血液に毒素が回る中、自分で治療するも夜になってしまい、寒くて気を失ってしまう。その時、ズルズルとキタイを引きずるシーンが、彼を連れて行ったのはワシの巣だった。そこには孵化寸前の雛鳥がたくさんあり、そこへも卵を狙って豹のような虎のような狂暴な生き物が巣籠に襲ってくる。キタイは武器で立ち向かい、巣籠から追い払う。その後の危険な時も、このワシが身をもって守ってくれるシーンがあります。
そしてもっとも恐ろしいのが、生物兵器アーサとの戦いである。父親いわく、恐怖心を察知して襲ってくるという最強の怪物。姉が弟を守るため一人で戦い死亡した。その時も父親が助けてくれなかったことを恨み、非難する。でも、アーサに襲われた時、キタイが入っていた感知を妨げる防護バブルみたいなもの。キタイだけが入るちいさな容器で、姉のセンシも一緒に入るくらいの大きなサイズだったら2人共助かったのにね。
そしてキタイが持っている武器です。心の弱さが弱点のキタイが、22種に変化する武器“カトラスC_40”(レンジャーの指の動きに従って、棒の両端から様々な強度の武器が形成され、短刀、槍、長刀、鎌、剣など数百パターンに変化する。)「ベスト・キッド」で高い身体能力を見せたジェイデンが、生身のアクションに果敢に挑戦。恐怖心に打ち勝ち、心を無心にするとアーサにはキタイが見えなくなるのだ。キタイが、棒を2つに分割して二刀流でアーサを仕留める場面は圧巻です。でもちょっと原始的な武器です。時代的には、進化した機関銃、宇宙銃とか、ライフルなんて装備してないのが不思議。それと、キタイが着ているスーツ、アーサに自分の存在を感知させないようにする防護的機能が付いているスーツだったらいいのになぁ。
そして、キタイの命を守る呼吸薬カプセル。地球の大気汚染で活動するためには酸素を効果的に取り込むカプセルが必要なんです。父親に6日分のカプセルを手渡されるも、2つが破損して命の危険にさらされます。それでも、100キロ離れた船尾部分まで辿り着き、予備のシグナルを見つけるも、ケータイと同じ電波が届かない。それには、火山の頂上まで登って発信しなければならない。
かつて「幸せのちから」で支え合う父子を演じたウイル&ジェイデンが、さらに一歩踏み込んだ家族関係を体現。
最後が良いですよね。父親が一人前の戦士になった息子が誇らしいとばかりに、息子に敬礼するシーンに意外なオチでひねりがあって良かった。このシーンを観て、まるで「新世紀エヴァンゲリヲン」のシンジみたいだと思った。キタイが途中までは、父親に指示されながら頼りない感じで障害をクリアしていくんだけど、連絡が途絶えてからは、急に頼もしくなって一人で頑張るという。努力すれば恐怖心は克服できるという。「可愛い子には旅をさせろ」と、いうことですかね。息子の自立の話であると同時に、実は普通の父親であるサイファにとっての子離れの物語でもあるのです。
音楽はシーンに合わせたピアノ旋律と、和楽器が鳴るシークエンスもあって印象的でした。
2013年劇場鑑賞作品・・・214 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング