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ゴーギャン タヒチ、楽園への旅★★

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異国情緒あふれる画風で知られる19世紀を代表する後期印象派の画家、ポール・ゴーギャンのタヒチ滞在時代を描く伝記ドラマ。妻子と別れタヒチへ渡った彼が、現地で恋に落ちた女性をモデルに創作する日々が描かれる。『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』などのヴァンサン・カッセル、『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』などのマリック・ジディらが出演。テレビシリーズや短編などを手掛けてきたエドワール・ドゥリュックが監督を務める。

あらすじ:趣味で絵を描いていた株式仲買人のゴーギャンは、1882年にパリで株価が大暴落したのを機に画家を本業にするが、生活は貧しくなり妻子と別れてしまう。その後タヒチへ渡ったゴーギャンはその土地に魅了され、現地で出会った美しい女性テフラと結婚し、彼女をモデルにしたさまざまな作品を生み出す。しかし資金が底をつき、生活は破綻し……。

<感想>本作のベースとなる、画家ゴーギャンのタヒチ滞在記『ノア・ノア』を基にした伝記映画。よく美術館で目にするゴーギャンのタヒチの絵画。そこに出て来る女性が、若いテフラであり、彼の絵のモデルとして現地人の娘がよく似ている女性なので関心しました。

ゴーギャンを演じたヴァンサン・カッセルも、画家らしくゴーギャンそっくりの出で立ちであり、彼がパリの暮らしに行き詰って、タヒチへと渡り、そのタヒチでの暮らしを事細かに描いている。

ですが、お気楽なパラダイス的描写はありません。いい年をして短絡的に考え、タヒチなら生活するのに金がかからないなどと楽観的だし、タヒチへ行ったら働かないでのんびりと絵でも描いて暮らせると思っていたのだろう。

どこへ行っても、生活のためには働いて金を稼ぐのが当たり前。港の荷役をして、老人なのに過酷な仕事だと思う。そして、漁船に乗り魚を釣る仕事もするのだが、すぐに飽きてしまう。

若い女が出来て妻にするが、絵のモデルにもなるし、都合がいいとばかり考えて、しかし食べさせていかなければならないのに、毎日食べるものさえない始末なのだ。南国のタヒチは、汚れなき楽園でもあり、理想の住処でもある。しかし芸術家にとって夢であると同時に罠ともなりうるだろう。

それが、主人公ゴーギャンの第2の夢であり、罠は現地人の若い妻との関係性である。彼は妻を愛でて、後に家の中へ閉じ込める。それは男のエゴとも言える。老人が若い妻をめとり、食べさせる金を稼がなければ生活が出来ない。

芸術家のゴーギャンに、絵を描く暇はないのだ。それでも金の足しにと、麻の袋を木の板に張り付けて、白いペンキを塗り、タヒチのヤシの樹や、シダの葉を描き、そこにテフラの裸体を描く。

それに、その辺にある木に彫りものを施して、木彫りの人形らしき物を市場に売りに行くが、誰も目にとめないガラクタのようなもの。

絵も油絵なので、高価な絵の具を買わなければならず、その金もパリから手紙と一緒に少額だが送られてくる。その金は、パリに住んでいる別れたといっているが、妻からの手紙で、子供たちの様子などが書かれているのだ。

女は働きにはいかないで、一日中部屋に閉じこもっている。というのも、ゴーギャンが嫉妬ぶかくて、若い妻に悪い虫がついてはこまると、家に鍵をかけて出かけるのだ。

そんなことをしても、隣の若い男が妻のテフラにちょっかいを出し、テフラも若い男の方が爺さんよりもいいに決まっている。その内、若い2人は関係を持ち、ゴーギャンにも知られることになる。そして若い男女は駆け落ちをする。

ゴーギャンその人を美化して描かぬどころか、彼の人間の弱さを観察しているような、画家としてのゴーギャンの芸術家らしさは観ていてよくわかるのだが、それよりも若い妻のために働かなければならない苦労が、その生活の苦しさがよく描かれているようだ。

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