ジェラルド・バトラー主演で贈るディザスター・ムービー。最新鋭の気象コントロール衛星の暴走で全世界に未曾有の大災害が巻き起こるさまを壮大なスケールで描き出す。共演はジム・スタージェス、アビー・コーニッシュ、エド・ハリス、アンディ・ガルシア。監督は「インデペンデンス・デイ」シリーズなどの製作・脚本を手がけ、本作が長編監督デビューのディーン・デヴリン。
あらすじ:度重なる自然災害に苦しめられてきた人類は、ついに世界各国が協力して、全世界の天気を管理できる気象コントロール衛星“ダッチボーイ”を完成させる。ところがある日、そのダッチボーイが謎の暴走をはじめ、世界各地に未曾有の大災害をもたらしていく。かつてダッチボーイの開発に携わった天才科学者ジェイクは、この史上最大の危機を前に立ち上がり、人類滅亡を引き起こす地球規模の自然災害“ジオストーム”を食い止めるべく奔走するのだったが…。
<感想>異常気象による自然災害を防ぐために、世界はひとつとなり、気象コントロール衛星を開発した。これで世界の天候は安全に管理されるはずだったのだが。ある日突然、衛星が暴走を始め、世界中で想像を絶する巨大災害が次々と勃発する。
パニック大作“ジオストーム”とは、メガストームを遥かに超える、地球規模の同時多発災害のことであり、一度発生すると、もはや人間の手では止めることができず、人類滅亡は必至と言われている。
最近の地球でも異常気象が問題となって、台風や干ばつで大きな被害も発生している。今の時代にマッチした題材かもしれませんね。ですが、その根源かもしれない地球温暖化を止めようとしていないのも、アメリカなんですけどね。
異常気象の原因を追究しようともしないで、それを制御し管理しようとするあたりが、いかにもアメリカ的な発想ですよこれは。そんな考えだから、気象コントロール衛星が暴走しちゃって酷い目に遭うのですね。まぁ、SF映画の世界では、奇怪が暴走を始めるのは常識だから。
監督はこれが初の劇場版映画になったディーン・デヴリン。今までは、ローランド・エメリッヒ作品の制作や脚本として「スターゲイト」や「インデペンデンス・デイ」シリーズなどに関わってきた人。だからディザスター描写なんかは、エメリッヒ映画にそっくりですから。
アフガンでは砂漠が氷結して、香港では地下マグマの噴出で大火災が発生しビルが倒壊する。東京では巨大な氷魂が降り注ぎ、リオデジャネイロには大寒波が到来する。
モスクワでは熱波で氷がすべて溶け、ドバイでは大洪水に津波が押し寄せる。
そしてアメリカにはすべてを破壊する巨大な雷が次々と襲いかかる。しかも、それらはまだジオストームの予兆にすぎないというから。
こういう描写をお金をしっかり掛けて作っているのがハリウッド大作の凄いところですよね。見せ場の数々にはお腹がいっぱいになりますから。しかもVFXだけに頼らず、豪華俳優陣を揃えて人間たちのドラマもしっかりと描かれているのも良かった。
主役にはダッチボーイの開発に携わった天才科学者ジェイクに、ジェラルド・バトラーが兄として演じているし、ジム・スタージェス扮する弟マックスとの葛藤。ジェイクは頭脳明晰だけど、子供っぽいところがあって、頑固で短気。弟が自分の上司となっているのも気に入らない。
調整役のマックスにとっては、じつにやっかいな相手。バトラーにはぴったりのハマリ役ですよね。そんな性格の一方で、娘とのやりとりなんかは、本当に微笑ましいよね。方やマックスは若くして政界の要職に抜擢され微妙な立場だから、なんとしても兄貴を説得しなければならないわけで。そんな二人が確執を超えて、一つの目的の為に協力していくところが見せ場になっている。
弟マックスにはサラという秘密の恋人がいて、彼女は凄腕のシークレット・サービス。アビーが惚れ惚れするほどカッコいいのだ。タフでありながらユーモアのセンスもあって機転も利くし、劇中のセリフにもあるけど、まさに理想のパートナー。
そんな彼らを、ベテランの大統領のガルシアと、エド・ハリスが支えているわけなんですが、国務長官のレナードは、かつては世界中を説き伏せて気象衛星の建造を主導した人物だから、この暴動も実は彼が時期大統領になりたくて起こしたものであり、世界滅亡を起こしてどうするの?って思ってしまうのだが、ツッコミどころの多い映画になっている。
現実ではすでに退役しているスペースシャトルで、宇宙に行ったり、肝心の陰謀そのものもスケールが大きいわりには、これで引き合うのと思ったり、そのあたりもエメリッヒ映画と同じく、彼らの芸風みたいなものだと考えれば、国際宇宙ステーション内でのジェイクを巡るサスペンスと、地上でのマックスやサラのアクションが、同時進行するところはハラハラ、ドキドキするし、劇場の大画面と迫力の音響で大災害シーンに驚愕して、確かにいろいろと文句を言いながらも手に汗を握って観て、最後にはほろっとしちゃうという。「アルマゲドン」も顔負けのしろものでした。
2018年劇場鑑賞作品・・・11アクション・アドベンチャーランキング
「映画に夢中」
トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ
トラックバックURL : http://koronnmama.exblog.jp/tb/29321860