『スパイダーマン』シリーズを大ヒットさせたサム・ライミがプロデューサーに回り、『ナイトウォッチ』のオーレ・ボールネダルが監督を務めた驚がくのホラー。2004年に「Los Angeles Times」に載った都市伝説の記事を基に、ある少女を襲う衝撃の出来事を映し出す。主人公に抜てきされたのは、カナダ出身の新星ナターシャ・カリス。デンマーク出身の監督によって作り上げられた緊張感あふれる映像や、細やかな心理描写に戦慄(せんりつ)する。
あらすじ:3か月前に妻と離婚したクライド(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、週末に2人の娘と過ごすのを楽しみにしていた。だがある日、ガレージセールで古めかしい木箱を買ってからというものの、次女のエミリー(ナターシャ・カリス)の様子が一変してしまう。エミリーはまるで箱に取りつかれたようになり、徐々に異常な振る舞いがエスカレートしていくのだった。
<感想>「スペル」のサム・ライミ制作ということで鑑賞。両親が離婚したばかりの小学生の姉妹のエミリーとハンナは、父母の家を行ったり来たりしていた。ある日のこと、偶然通りかかった住宅街のガレージセールで、父親がエミリーにアンティークの木箱を買い与える。箱にはヘブライ語が彫られ、開けることはできない。だが、その夜から娘の様子がおかしくなる。
封印されていたのはディブックのなかでもアビズーという女の悪霊で、少女の身体を利用してこの世に現れようとする。
その箱を開けて以来、エミリーの奇行が目立つようになり、深夜に一心不乱に冷蔵庫の中を漁り、まるで獣のように食いまくるのだ。朝には朝食の席で、フォークで父親の手をぶっ刺し、エミリーを叱る父親が何も娘にしていないのに、まるで暴力を振るったように娘がビンタをくらい、そのまま裸足で外へ逃げる娘。エミリーを追いかける父親、いたのはゴミ箱の傍。ゴミ箱をあさりあの木箱を見つけて、豹変したエミリーが、街頭に向かって口から生きた蛾を大量に吐き出す。
原因を探るうちに、その木箱は「ディベック」=ユダヤ人伝説の悪霊が封じ込められていたことが判明する。
ディベックという妖怪とは、ユダヤ伝承にあらわれる人に取り憑く悪霊で、古くはイディッシュ語、演劇やポーランド映画で描かれ、本作ではそのディベックが現代アメリカに復活し、幼い子供に憑依するお話。
ビジュアルなインパクトが強烈で、「エイリアン」のフェイスハガーみたいなヤツが少女の顔面の内側を徘徊したり、エミリーのIRM画像の右側の部分に変なババアの顔が動いて見えたり、別れた妻と同居している男の歯がボロボロに折れてしまったり、娘の喉の奥からババアの手が飛び出して来たりと、ナイスなショック描写の連続でスリル満点です。
父親が、娘の身体の中に憑りついている悪霊を、自分の身体に憑りつかせようと頑張る姿もいい。娘の口から飛び出してきた悪霊の姿たるや、まるで地底怪物ゴラムのよう。
悪霊に取り憑かれた娘を救うために、父親はユダヤ教ハシド派のエクソシストに助けを求める。というわけで、これは「エクソシスト」に代表される、悪魔祓いを題材にしたホラー映画ということです。
離婚による子供の動揺と、悪魔憑きを重ね合わせている点も良く似ているが、ローマカトリック教会ではなく、ユダヤ教を背景にしているのが特色になっているのが興味深いです。カトリック教会ものでは、あの「エミリー・ローズ」、「ザ・ライト エクソシストの真実」と似ている部分もあります。
2013年劇場鑑賞作品・・・113 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:3か月前に妻と離婚したクライド(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、週末に2人の娘と過ごすのを楽しみにしていた。だがある日、ガレージセールで古めかしい木箱を買ってからというものの、次女のエミリー(ナターシャ・カリス)の様子が一変してしまう。エミリーはまるで箱に取りつかれたようになり、徐々に異常な振る舞いがエスカレートしていくのだった。
<感想>「スペル」のサム・ライミ制作ということで鑑賞。両親が離婚したばかりの小学生の姉妹のエミリーとハンナは、父母の家を行ったり来たりしていた。ある日のこと、偶然通りかかった住宅街のガレージセールで、父親がエミリーにアンティークの木箱を買い与える。箱にはヘブライ語が彫られ、開けることはできない。だが、その夜から娘の様子がおかしくなる。
封印されていたのはディブックのなかでもアビズーという女の悪霊で、少女の身体を利用してこの世に現れようとする。
その箱を開けて以来、エミリーの奇行が目立つようになり、深夜に一心不乱に冷蔵庫の中を漁り、まるで獣のように食いまくるのだ。朝には朝食の席で、フォークで父親の手をぶっ刺し、エミリーを叱る父親が何も娘にしていないのに、まるで暴力を振るったように娘がビンタをくらい、そのまま裸足で外へ逃げる娘。エミリーを追いかける父親、いたのはゴミ箱の傍。ゴミ箱をあさりあの木箱を見つけて、豹変したエミリーが、街頭に向かって口から生きた蛾を大量に吐き出す。
原因を探るうちに、その木箱は「ディベック」=ユダヤ人伝説の悪霊が封じ込められていたことが判明する。
ディベックという妖怪とは、ユダヤ伝承にあらわれる人に取り憑く悪霊で、古くはイディッシュ語、演劇やポーランド映画で描かれ、本作ではそのディベックが現代アメリカに復活し、幼い子供に憑依するお話。
ビジュアルなインパクトが強烈で、「エイリアン」のフェイスハガーみたいなヤツが少女の顔面の内側を徘徊したり、エミリーのIRM画像の右側の部分に変なババアの顔が動いて見えたり、別れた妻と同居している男の歯がボロボロに折れてしまったり、娘の喉の奥からババアの手が飛び出して来たりと、ナイスなショック描写の連続でスリル満点です。
父親が、娘の身体の中に憑りついている悪霊を、自分の身体に憑りつかせようと頑張る姿もいい。娘の口から飛び出してきた悪霊の姿たるや、まるで地底怪物ゴラムのよう。
悪霊に取り憑かれた娘を救うために、父親はユダヤ教ハシド派のエクソシストに助けを求める。というわけで、これは「エクソシスト」に代表される、悪魔祓いを題材にしたホラー映画ということです。
離婚による子供の動揺と、悪魔憑きを重ね合わせている点も良く似ているが、ローマカトリック教会ではなく、ユダヤ教を背景にしているのが特色になっているのが興味深いです。カトリック教会ものでは、あの「エミリー・ローズ」、「ザ・ライト エクソシストの真実」と似ている部分もあります。
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