漫画アプリ、マンガボックスで連載されているムサヲのヒット作を実写化した青春ロマンス。国から結婚相手を指定される法律が施行された近未来を舞台に、政府が見つけた相手と自分のそばにいる相手の間で揺れる女子高校生の姿を追う。メガホンを取るのは、『今日、恋をはじめます』などの古澤健。『A.I. love you アイラヴユー』などの森川葵、『君の膵臓をたべたい』などの北村匠海、『HiGH&LOW』シリーズなどの佐藤寛太らが顔をそろえる。特殊な状況下での三角関係の行方が見どころ。
あらすじ:未来の日本では、政府が国民の遺伝子情報を分析し、最適な結婚相手を通知する超・少子化対策法が施行されていた。通知が来るのを心待ちにしていた高校生の仁坂葵(森川葵)だったが、幼なじみの司馬優翔(北村匠海)から好きだと告白される。彼の思いを知って戸惑う中、政府通知の相手である高千穂蒼佑(佐藤寛太)が現れる。通知と同時に、自由な恋愛は禁止される決まりだったが……。
<感想>原作コミックもアニメもまったく知らずに映画を観た。少子化対策で国家が理想的ナパートナーを決めるという制度。それは、DNAなどのデーターからカップルの選別をするんだという。「産めよ、増やせよ、お国のために」しかも、まだ大人未満の16歳で相手を限定されるのだから。
政府が遺伝子レベルで“最良”の相手を選ぶ「科学の赤い糸」という概念が登場しますが、現実的に「運命の赤い糸」って本当にあると思いますか?・・・あると思いますね。直感でわかるシンパシーのようなもの、というか。ひと目惚れというか、この人とは友だちだなと思ったらずっと友だちのままだし、最初にピンときたら付き合ってみてそれで、運命とか大げさな感じに考えてはいないけれど、赤い糸のようなものはあるんじゃないかと思いますね。
で、この制度に何の疑問も持たない受け身の女子が、国家のおススメ男子と、幼馴染の男子に挟まれて、どっちにしようかなぁ、とオママゴト風にキラキラ悩むのだが、これは時間のムダっていうものですから。
劇中では森川葵ふんするヒロインを巡って、その幼なじみ役の北村匠海と恋敵に!佐藤さん演じる高千穂蒼佑は、ヒロインの仁坂葵(森川葵)の結婚相手に選ばれた病院の御曹司、葵との結婚を淡々と受け止めるクールなキャラクターですね。蒼佑は父親との軋轢があって、ぶっきらぼうで、人に心を開けないんです。彼のようなコミュニケーションがうまくとれない人にとっては、少子化対策で政府が決めた相手と結婚する制度はありかもしれないですよね。ただ待っていても、最良の結婚相手は現れないんですから。
なんという軟弱な男の子だ。まぁ16歳といえば高校2年生だし、恋愛ごっこみたいな、結婚生活なんて現実的なのに、夢見る、夢子さんではね。
そんな蒼佑が葵との出会いで変わっていく様子が興味深かったですね。蒼佑がどんどん変化していくところ、ウエディングドレス姿の葵とのシーンなど、本編でのキスシーンって、早くね。
二人の男女が歩く住宅地は均一で、外観も美しいですし、同時にモデルハウスのような外観は無機質でもあり、周囲と異なることを“異端”とみなして、没個性にすることが、本作の描く制度と何処か似ていると思う。
2人の男性のうち、1人を選択するという恋愛劇ですが、クレープやストールを選ぶ過程での二者選択という描写は、メタファーにもなっている。しかし、恋愛劇の形を借りながら、管理社会・監視社会に対する警鐘を鳴らしているようにも見えるのですがね。
ですが、結婚がテーマの一つとなっているお話なので、恋人同士の方はもちろんですが、既婚者の方やご家族にも観ていただけたらと思います。
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