ホラーシリーズ『死霊館』に登場する人形アナベルに迫るスピンオフの第2弾。手にした者を怪現象に引きずり込むアナベルの生まれた経緯が明らかになる。メガホンを取るのは『ライト/オフ』などのデヴィッド・F・サンドバーグ。『バッド・ウェイヴ』などのステファニー・シグマン、『ヴェンジェンス』などのタリタ・ベイトマン、『ウィジャビギニング ~呪い襲い殺す~』などのルル・ウィルソンらが出演する。
あらすじ:ある田舎の町に住む人形師の一家。可愛い娘が居て、とても可愛がっていました。ある日、教会へ行った帰り道、車が故障してしまい、父親が修理をしています。そこへ通りかかった車の前に娘が飛び出してしまいます。一瞬で亡くなってしまった娘・アナベル。
12年前に最愛の娘を亡くして以来、悲しみから立ち直れずにいる人形師のサミュエル・マリンズとその妻エスター。そんなある日、夫婦は孤児院の少女6人とシスター・シャーロットを受け入れる。家の中が賑やかになり、元気を取り戻していくエスター。しかし孤児たちは不気味な現象に遭遇し不安を募らせる。足の不自由なジャニスは特に敏感で、何者かの気配に怯えるあまり、夫婦の亡き娘の部屋に忍び込み、図らずも恐るべき力を秘めた人形アナベルの封印を解いてしまうのだったが…。
<感想>少女6人の孤児たちとシスターシャーロットを家に引き取り、家の中が賑やかになるも、屋敷の主人が2階にある亡くなった娘アナベル部屋には絶対にはいらないことと、妻は体調を崩しているのでみんなには会えないと伝えたのに、孤児の中で足の不自由なジャニスとその親友のリンダが、いつも一緒だと友情を深める2人が。しかしある晩のこと、2人は入ってはいけない部屋に入ってしまう。そこには、山のようなオモチャと一緒に“あの人形”が置いてあったのですね。
そこで彼女たちは、恐ろしい存在を見てしまう。それは果たして不慮の事故で死んでしまった職人夫婦の娘アナベルの亡霊なのか?・・・それとも異世界からやってきたものなのか、そして怪異は容赦なく孤児たちを襲い始めた。果たして誰が生き残るのか、何が残されるのか?21世紀のホラーのアイコンとなった“呪いの人形アナベル”、その正体が遂に判明する。木彫りで不気味な顔立ちの女の子の人形には、いったいどんな因果があると言うのだろう。
手を替え品を替えて、怖がらせにかかった「死霊館の人形」に対して、こちらは野原の一軒家が舞台だから、一見オーソドックス。その分、少女たちのカyラクターがクローズアップされ、取り分け、足の不自由なジャニスを気遣うリンダが悪霊と戦うのは、胸が張り裂けんばかりの想いで応援したくなります。
意地悪そうな年長の少女?・・・たちが、思いがけず友情を示すのも印象的であり、将来のスター候補をパッケージした作品かもしれないですよね。
アメリカン・ゴシックの建物を舞台にして、悪魔人形の霊力により、美しい尼僧シャーロットが、天井まで浮かび上がる光景。美少女たちが怖れおののくホラーは新鮮でした。ステンドグラスの窓から射し込む微光で、仄かに見える人形アナベルは、静止したままでも怖いのだ。
前作を観たファンから人形の誕生秘話を知りたいという要望があって作られた映画だそうだけれど、こんな話なら、もっと早くに怪奇現象へ、というファンも多いはずですよね。人形細工部屋のたたずまいや、小道具が魅力的でした。
明かりが消えると化け物が襲って来る。その化け物を産んだ呪われた実験、そして超常現象が起こっているド真ん中に警官隊が突入してくるのだ。
映画では、冒頭のある少女の事故死からクライマックスのオカルト・アクション、そして、「アナベル死霊館の人形」(14)に繋がっていくエンディングまで、実にしっかりと構成されている。
アナベル人形は、何故におぞましい存在なのか、その恐ろしい正体が現れるまで、時としてJホラーを連想させ、また時としてシャラマン風に語り口を変えながら、クライマックスでは「ライト/オフ」で見せた瞬殺モンスター描写がよりパワーアップされますから。まるで超常現象がぎっしりと詰まった状態である。
曰く付きの屋敷へやってきた孤児の少女6人の中で、ポリオを患い歩くのが不自由な少女ジャニスが、アナベル人形を触媒した悪霊に狙われのは、ある意味お約束のように思えた。だから、ジャニスが辿る恐ろしい運命は、アメリカのトラウマとなったある事件と密接に繋がっている恐怖映画なのです。
ジャニスの親友のリンダが、アナベル人形を庭にある井戸へ投げ込むシーンにもドッキリですから。真夜中なのに、リンダって子は勇気があるよね。でも、ジャニスに悪霊が取り憑き、どうみても様子が変なのに誰も気づかないなんてね。
その中で、孤児の面倒を見ているシャーロットシスターが持っている心霊写真(ルーマニアの修道院)が次の続編と思われる鍵となっているようです。ラストのエンディングの後に、そのルーマニア修道院が映し出されて、・・・怖いですよね。とにかく、暗闇と音響がオドロオドロしくて、悪魔も出て来るし、観客を怖がらせる演出が上手い。一大サーガに展開するので、続編に彼女たちの再登場もありそうですね。
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