小説家・司馬遼太郎の著書を、『日本のいちばん長い日』などの原田眞人監督が映画化。豊臣秀吉亡き後の天下をめぐり、徳川家康を総大将とする東軍と、石田三成率いる西軍が激突した「関ヶ原の戦い」を描く。これまで描かれてきた人物像ではない三成を岡田准一、策略を駆使し三成を追い詰めていく家康を役所広司、三成への恋心を胸に彼を支え続ける忍びを有村架純が演じる。日本の戦国時代における重要な合戦が、どのような切り口で映し出されるのか注目。
あらすじ:西暦1600年10月21日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたった6時間だった。豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成(岡田准一)。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康(役所広司)。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた!そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない、淡い“恋”の行方は……。様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず、己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、今幕を開ける――。
<感想>岡田准一が石田三成の実像を人間味たっぷりに体現し、役所広司演じる徳川家康と激突。京都の東本願寺や姫路城などの歴史的建造物でのロケを徹底しており、それだけでも見応えがある。そして、関ヶ原での合戦シーンでは、岡田准一扮する正義を貫こうとする石田三成と、役所広司演じる天下人を目指す徳川家康との駆け引きを、スピーディかつスリリングに描いており、やがて発展する関ヶ原の合戦シーンでは、総勢3000人のエキストラと、延べ400頭におよぶ騎馬や鉄砲隊が入り乱れる混戦を大スケールで描き出し、6時間におよぶ、知られざる「関ヶ原の戦い」の“真実”に迫っています。
特に印象に残っていたのが、子供時代の秀吉と三成の出会いも描かれていて、あの有名な白湯を三成が、3度に分けて差し出すところが良かった。
いまや日本映画界の顔とも言える岡田准一が、石田三成に扮しており、髭をたくわえ甲冑を見に纏う姿は、貫禄十分。馬にまたがる姿も美しく、とにかく“絵になる”三成です。秀吉の滝藤賢一の演技の巧さと、秀吉の奥方である北政所キムラ緑子さんの三河弁が上手かったです。
対する徳川家康役は、原田作品の常連、役所広司。役所さんが家康、タヌキ爺らしく役所さんの演技の幅がすこぶる良く出ていたと思います。さらに、三成の右腕として勇猛果敢に戦う島左近には平岳大。長身の平さんの顔に刀傷のある凄腕の侍らしい貫禄に、三成のために自分の命を捧げるのをものともしないところがいい。
ここで気になったのが、石田三成と女忍び発芽との恋。刑場で三成に助けられ、三成を支える存在になるのだが、発芽役の美しい有村架純とのメロドラマか、なんてことになっていたらヤバイよ、これは。ともかく身分も違うし、忍びの女との恋などというのはあり得ませんからね。
それにしても、豪華なキャストを揃え、待望の映画化を自らの脚本で実現させた原田監督だけに、合戦シーンの凄さも見ものですぞ。
秀吉との約束を平然と反故する家康。それに抗議する三成が家康と言い合うシーンを初めとし、「戦国武将はどっしりと構えて、ゆっくりと話す」という過去の戦国作品とはまったく違って、スピードでとにかくテンポが速いのだ。だから、セリフが聞き取れないところもある。
しかし、馬に乗りながらのアクションシーンでは、甲冑を着た岡田准一くんが斧や長い槍を片手で投げるという、完璧にやってのけ見事でしたね。
「真田丸」を見ていたので、だいたいの秀吉側の武将と、家康側についた大名とかは、知っていたので解り安かったです。だから合戦の命運を握る小早川秀秋に東出昌大が、まさに彼の裏切りでこの決戦が負けたようにも思った。
この映画の特徴は、西軍と東軍に勢力が二分されているものの、そこに参陣しているのは日本全国から来た武将の集合体であり、甲冑はもちろん、戦い方も集団ごと違っている。その雑多な寄り集まりが、関ヶ原のあちこちで局地戦を行っていく様を、ここではリアルに映し出している。
その為なのか、最初は長槍部隊が相手方を叩きのめした後に、接近戦へと傾れ込むところでも、最初は槍の動きが揃っていて美しいのに、その陣形が乱れて混戦になっていくので、どっちが勝っているのかなんて判らない。だから合戦の優勢と劣勢が、セリフによってのみ伝えられるだけなので、映像からの視覚的情報からは伝わりにくい点が惜しまれる。
とにかく、長大な原作をまとめた作品なので、歴史的な予備知識のない人には、分かりにくい人物関係もあるように見受けられました。
2017年劇場鑑賞作品・・・196アクション・アドベンチャーランキング
あらすじ:西暦1600年10月21日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたった6時間だった。豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成(岡田准一)。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康(役所広司)。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた!そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない、淡い“恋”の行方は……。様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず、己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、今幕を開ける――。
<感想>岡田准一が石田三成の実像を人間味たっぷりに体現し、役所広司演じる徳川家康と激突。京都の東本願寺や姫路城などの歴史的建造物でのロケを徹底しており、それだけでも見応えがある。そして、関ヶ原での合戦シーンでは、岡田准一扮する正義を貫こうとする石田三成と、役所広司演じる天下人を目指す徳川家康との駆け引きを、スピーディかつスリリングに描いており、やがて発展する関ヶ原の合戦シーンでは、総勢3000人のエキストラと、延べ400頭におよぶ騎馬や鉄砲隊が入り乱れる混戦を大スケールで描き出し、6時間におよぶ、知られざる「関ヶ原の戦い」の“真実”に迫っています。
特に印象に残っていたのが、子供時代の秀吉と三成の出会いも描かれていて、あの有名な白湯を三成が、3度に分けて差し出すところが良かった。
いまや日本映画界の顔とも言える岡田准一が、石田三成に扮しており、髭をたくわえ甲冑を見に纏う姿は、貫禄十分。馬にまたがる姿も美しく、とにかく“絵になる”三成です。秀吉の滝藤賢一の演技の巧さと、秀吉の奥方である北政所キムラ緑子さんの三河弁が上手かったです。
対する徳川家康役は、原田作品の常連、役所広司。役所さんが家康、タヌキ爺らしく役所さんの演技の幅がすこぶる良く出ていたと思います。さらに、三成の右腕として勇猛果敢に戦う島左近には平岳大。長身の平さんの顔に刀傷のある凄腕の侍らしい貫禄に、三成のために自分の命を捧げるのをものともしないところがいい。
ここで気になったのが、石田三成と女忍び発芽との恋。刑場で三成に助けられ、三成を支える存在になるのだが、発芽役の美しい有村架純とのメロドラマか、なんてことになっていたらヤバイよ、これは。ともかく身分も違うし、忍びの女との恋などというのはあり得ませんからね。
それにしても、豪華なキャストを揃え、待望の映画化を自らの脚本で実現させた原田監督だけに、合戦シーンの凄さも見ものですぞ。
秀吉との約束を平然と反故する家康。それに抗議する三成が家康と言い合うシーンを初めとし、「戦国武将はどっしりと構えて、ゆっくりと話す」という過去の戦国作品とはまったく違って、スピードでとにかくテンポが速いのだ。だから、セリフが聞き取れないところもある。
しかし、馬に乗りながらのアクションシーンでは、甲冑を着た岡田准一くんが斧や長い槍を片手で投げるという、完璧にやってのけ見事でしたね。
「真田丸」を見ていたので、だいたいの秀吉側の武将と、家康側についた大名とかは、知っていたので解り安かったです。だから合戦の命運を握る小早川秀秋に東出昌大が、まさに彼の裏切りでこの決戦が負けたようにも思った。
この映画の特徴は、西軍と東軍に勢力が二分されているものの、そこに参陣しているのは日本全国から来た武将の集合体であり、甲冑はもちろん、戦い方も集団ごと違っている。その雑多な寄り集まりが、関ヶ原のあちこちで局地戦を行っていく様を、ここではリアルに映し出している。
その為なのか、最初は長槍部隊が相手方を叩きのめした後に、接近戦へと傾れ込むところでも、最初は槍の動きが揃っていて美しいのに、その陣形が乱れて混戦になっていくので、どっちが勝っているのかなんて判らない。だから合戦の優勢と劣勢が、セリフによってのみ伝えられるだけなので、映像からの視覚的情報からは伝わりにくい点が惜しまれる。
とにかく、長大な原作をまとめた作品なので、歴史的な予備知識のない人には、分かりにくい人物関係もあるように見受けられました。
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