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スプリット ★★★

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M・ナイト・シャマラン監督がジェームズ・マカヴォイを主演に迎えて贈るサスペンス・スリラー。23人もの人格を持つ多重人格の男に誘拐監禁された3人の女子高生を待ち受ける戦慄の恐怖と驚きの顛末をスリリングに描き出す。共演はアニャ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー。
あらすじ:ケイシー、クレア、マルシアの女子高生3人は、友だちの誕生パーティの帰り道に見ず知らずの男に拉致監禁されてしまう。やがて鍵の掛かった薄暗い密室に閉じ込められていた3人の前に、誘拐犯が女性の格好で現われる。その後も潔癖症の青年や9歳の無邪気な少年など、現われるたびに格好ばかりか性格まで変ってしまう誘拐犯。なんと、男には23もの人格が宿っていた。そしてさらに“ビースト”と呼ばれるもっとも恐るべき24番目の人格も潜んでいたのだったが…。

<感想>監督・脚本を手掛けたM・ナイト・シャマラもすごいが、本作の成功はなんといっても、カメレオン俳優であるジェームズ・マカヴォイの、強烈すぎる存在感がなければ実現しなかっただろう。トリック演出を自在に操るシャラマンが今回選んだテーマは、解離性同一障害。正体不明の男に拉致、監禁された女子高生3人が、決死の脱出を試みる物語と見せかけて、犯人は23もの人格を持っていたという予想外の展開になっている。サイコ・サスペンスにオカルト要素が混じり合い、緊張の度合いをジリジリと高めていく23重人格の誘拐犯と3人の女子高生の攻防は、シャラマン監督が得意とする「まさか!」のクライマックスへと傾れ込むしくみ。

アクション大作からシリアスドラマまでをこなす、実力派俳優であるマカヴォイが現れるたびに、誘拐犯の口調や表情を醸し出す雰囲気までを完全に変えて、そのうち映画に登場するのは、9人の人格を持つ一人の男を圧巻の演技で体現しているのだ。

とにかく誘拐された女子高生3人が監禁された部屋は、まるで牢獄のよう。誘拐を主導したのは神経質な性格のデニスだが、身代金を要求するわけでもなく、女子高生たちを下着姿にしてダンスを踊らせるなど真意はつかめない。彼女らを聖なる食料と呼び、謎は深まるばかり。

本当のケビンは、幼少期のトラウマが原因でDIDを発症し、女医のフレッチャー(ベティ・バックリー)のセラピーを受けている。

彼の中には、9歳の少年ヘドウィグや潔癖症のデニス、エレガントな女性パトリシア、社交的な服飾デザイナーのバリーら23人の人格が同居しているのだ。気の毒に、精神科医のフレチャーも殺されてしまうとは。

女子高生たちは、とにかくそこから脱出をしなければならないのだ。どこか壁や天井に空洞がないかと手でドンドンと音を立てて探し、天井が開くと気付いた女の子が、紙を剥がして天井裏を見つける。そこから排気ダクトを進み、施設内に出た少女を必死で追いかける男。

アニア・テイラー演じるケイシーに焦点が当てられ、幼少のころ恵まれた環境で育った他の2人の女子高生とは違い、彼女には暗い過去があるのだ。幼かった彼女が、亡き父親と行った狩りの思い出が描かれ、ある出来事が原因で周囲に心を閉ざしたケイシー、彼女に何が起きたのか。

抜け出せたのはそのケイシーであり、とにかく出口を探さないと、それが出口が見つからずロッカーが並んでいる一つに隠れるも見つかってしまう。引きずり出されてその地下室の納屋みたいなところへ入れられてしまうのだ。他の2人は、別々の部屋へ入れられて、ケビンの食糧となったみたいだ。

実は、3人が監禁された場所は動物園の管理棟の地下、犯人は以前はここに勤めていて動物たちの影響を受けて人格が分裂したらしい。

最後の24番目の人格・ビーストはまさに猛獣で、壁を這いずり回り、すばっしこいし、生き残ったケイシーにショットガンで銃撃を受けるも、生存しており行方をくらませる。

ラストはブルース・ウイリスが出て来て、動物園の職員としてTVのニュースを見ている。これは「アンブレイカブル」の続編を作るよということなのか?

助かったケイシーだけが、外へ出て助けを呼ぶのだが、こういう解離性同一障害の、いわゆる“多重人格もの”謎と恐怖に満ちた個性的な作品は、他にもいくつかあるが、どれにしろ、私には興味を持つ映画ではないと言える。

2017年劇場鑑賞作品・・・107映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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