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ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男★★★

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「シービスケット」「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス監督が、南北戦争当時、自由のために立ち上がり、貧しい白人や逃亡した黒人奴隷たちを率いて南軍に反旗を翻し、“自由州”の設立を宣言して果敢に戦った実在の白人男性ニュートン・ナイトの知られざる実話を映画化した伝記ドラマ。主演は「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒー、共演にググ・ンバータ=ロー、マハーシャラ・アリ、ケリー・ラッセル。

あらすじ:南北戦争まっただ中の1862年。南軍の衛生兵として地獄の戦場を駆け回っていたニュートン・ナイトは、金持ちが兵役を免除されたことに憤慨し、まだ若い甥が銃弾に倒れるのを目の当たりにして愕然とする。もはやこの戦いに正義を見出せず、甥の遺体を家族のもとへ送り届けるべく軍を脱走する。故郷のミシシッピ州に戻った彼は、やがて脱走兵狩りから逃れて辿り着いた沼で、そこに隠れ住む黒人逃亡奴隷たちと巡り会う。そして次第に彼らと心を通わせていったニュートン・ナイトは、騎兵隊に反撃すべく、武器を手に立ち上がるのだった。

<感想>南北戦争時代のアメリカ史を、脚本監督のゲイリー・ロスが研究して作った迫力ある実在の白人男性ニュートン・ナイトの知られざる実話。題材に対する監督の思いれ、登場するモチーフの共通性など、スコセッシ監督の「沈黙」と比較したくなるような映画だが、ですが、全体の感触は全然違います。

冒頭での戦場シークエンスの残酷な描写が突出しているわりには、それからの語りに影響をおよぼしているわけでもなく、映画全体の描写の強さに繋がらないのも惜しいですね。

奴隷解放、南北分断、そして対立、北軍の作物搾取、白人の雇い主に黒人と農民との格差に立ち向かったニュートン・ナイト。そうした問題が浮き彫りになり、とりあえず嫌な予感しかない現在の大統領トランプが、誕生してしまった現在だからこそ、観られてしかるべき作品だと思う。

初めて知った英雄、実在の白人男性ニュートン・ナイト。リーンカンと違い、歴史から埋もれたニュートン・ナイトをマシュー・マコノヒーが体当たりで演じている。彼を支える黒人モーゼスのマハーシャラ・アリも風格があって良かった。歴史マニアにとっては興味深いところも多いけれど、大胆なフラッシュフォードも次第に単調になってゆき、結局のところ偉人伝映画の退屈なパターンに納まってしまっているようだ。


権力者たちも容易には踏み込めない緑濃い密林と、沼地をブノワ・ドゥロームが絶妙に撮影しているのも好感が持てる。この沼地はメル・ギブソン演じる">「パトリオット」(2000)でも描かれていて、息子3人の仇を取るべく父親の復讐心が凄かった。

ただし人間紹介にだけ留まっていて、ドラマは希薄なので、メッセージの熱量が高いわりには伝わってないと言える。白人の女性と一度は結婚し息子をもうけたが、その後戦争へいき黒人たちと意気投合して、彼らの窮地を救おうと頑張る。こういう白人男もいたのですね。そして、黒人女性と結婚し息子が生まれ、その息子が白人女性との結婚を違法とされて、法廷に立つ黒人の血を引く曾孫の姿をシンクロさせたかったようだが、これも上手く機能しているとは言えないようだ。

そして、KKK団と黒人を吊るし首にする処刑。それにこの映画を観て、銃器の存在が今なおアメリカと切り離せないことが分かる。トランプ大統領の時期に、いいタイミングで公開されたようだ。

2017年劇場鑑賞作品・・・57映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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