ブラジルの高級リゾート地にバカンスにやってきた男たちが大騒動を繰り広げるアドベンチャーコメディー。ジャングルの秘境ツアーに繰り出した一行の珍道中が描かれる。脚本やプロデューサーもこなしてきたニコラ・ブナムと、主演も務めるフィリップ・ラショーがメガホンを取り、『コルシカン・ファイル』などのクリスチャン・クラヴィエらが出演。おバカな男たちが巻き込まれるハプニングの数々に笑いが止まらない。
あらすじ:フランク(フィリップ・ラショー)は恋人ソニア(アリス・ダヴィ)、悪友たちとブラジルの高級リゾートホテルを訪れる。彼はこの旅をきっかけにソニアにプロポーズしようと考えていたが、彼女の祖母の世話を押し付けられてしまう。やむなくフランクと友人たちは祖母を連れてジャングルの秘境ツアーに繰り出すが、一行はハンディーカメラ1台を残して行方不明になり……。
<感想>フランス映画です。それが極彩色豊かなハチャメチャ・コメディを輩出するとは思ってもみなかった。しかも本国では驚異的な大ヒットだなんてね。懐の深いラテン的民族性を感じたのに。舞台はブラジルの高級リゾート地イタカレであります。監督・主演でもあるフィリップ・ラショーが主人公のフランクに扮して、プロポーズする予定の恋人ソニアと悪友数人と共にバカンスにやってくる。宿泊はソニアの父親が経営する豪華なホテルなのだが、ここの様子が少し怪しい。
流行りのエコロジーを売りにしていて、再生材から作ったというカヌーが飾り者ように並べられていて、生態系を守るためと称して亀の背中にはGPSが取りつけてある。ちょうどエコ認定を受けるための審査員ファミリーを招待中であり、このホテルにはソニアの祖母で高齢のヨランドも暮らしている。ところが、車いすの老人がウロウロしていると体裁が悪いと、フランクらに世話を押し付けるのだ。
仕方なしにおバカな面々は、老人を連れてジャングル秘境ツアーに出掛ける羽目になり、その後行方不明になってしまう。アイデアが次々と繰り出されて、テンポが良くて面白いので、邦題のキワモノ感から敬遠するようなことはありません。ですが、かなり低俗なネタも含まれているのに、耐え難いほど下品になる寸前で踏みとどまっているように見えた。
それに、この手の映画で貶められがちな老人や若い女の子や先住民を、時にはかっこよく描いているのも良かった。
物語は、ここからホラー映画ばりのファウンド・フッテージになっていて笑えるのだ。持ち主不在のカメラに残された映像から、事件の真相を探るという手法で、臨場感たっぷりのリアルな冒険を楽しめますから。冒頭で、主人公が婚約者に渡すはずの指輪を友人が飲み込んでしまい、お尻から出てくるのを待つというギャグがあって、下品な作品になるかと思った。ですが、それよりも全編、イージーな手持ちカメラ撮影なのが辛くて、笑いそこねたところもある。
監督・脚本のニコラ・ブナムは、YouTubeに溢れる素人のライブアクションよりも上をいくものをと、かなり本気モードなんですから。命綱が必要な崖の飛び降りも装置の設置ができなかったが、俳優たちは次々に飛び降りるわけ。
離陸中の飛行機によじ登り、高度4千メートルの高さから空へとダイブし、パラシュートを開くという、命がけなシーンも俳優自らこなしたというから凄い。
「食人族」と「ハングオーバー」をくっつけたような作品で、どこまでもノリは軽い。しかし物語の構成は、けっこう緻密で終盤における収束感もピシット決まっていて気持ちがいい。どれもがしっかりと笑えるものであり、大満足。
それと、先住民に追われながらプロペラ機が離陸して、燃料がゼロであり、落下傘で脱出して、島に着地というシークエンスをシームレスで映すなど、映像も凝りまくっているのに驚かされる。
そこに至るまでには数か月の訓練を要したとのこと。忘れそうになるが、これは観客を笑わせるという一点のみに、費やされた労力なのであります。怪しげなエコ精神を笑い飛ばして、誠心誠意作られたおバカで下品な物語に拍手を贈りたいですね。
2017年劇場鑑賞作品・・・10映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
あらすじ:フランク(フィリップ・ラショー)は恋人ソニア(アリス・ダヴィ)、悪友たちとブラジルの高級リゾートホテルを訪れる。彼はこの旅をきっかけにソニアにプロポーズしようと考えていたが、彼女の祖母の世話を押し付けられてしまう。やむなくフランクと友人たちは祖母を連れてジャングルの秘境ツアーに繰り出すが、一行はハンディーカメラ1台を残して行方不明になり……。
<感想>フランス映画です。それが極彩色豊かなハチャメチャ・コメディを輩出するとは思ってもみなかった。しかも本国では驚異的な大ヒットだなんてね。懐の深いラテン的民族性を感じたのに。舞台はブラジルの高級リゾート地イタカレであります。監督・主演でもあるフィリップ・ラショーが主人公のフランクに扮して、プロポーズする予定の恋人ソニアと悪友数人と共にバカンスにやってくる。宿泊はソニアの父親が経営する豪華なホテルなのだが、ここの様子が少し怪しい。
流行りのエコロジーを売りにしていて、再生材から作ったというカヌーが飾り者ように並べられていて、生態系を守るためと称して亀の背中にはGPSが取りつけてある。ちょうどエコ認定を受けるための審査員ファミリーを招待中であり、このホテルにはソニアの祖母で高齢のヨランドも暮らしている。ところが、車いすの老人がウロウロしていると体裁が悪いと、フランクらに世話を押し付けるのだ。
仕方なしにおバカな面々は、老人を連れてジャングル秘境ツアーに出掛ける羽目になり、その後行方不明になってしまう。アイデアが次々と繰り出されて、テンポが良くて面白いので、邦題のキワモノ感から敬遠するようなことはありません。ですが、かなり低俗なネタも含まれているのに、耐え難いほど下品になる寸前で踏みとどまっているように見えた。
それに、この手の映画で貶められがちな老人や若い女の子や先住民を、時にはかっこよく描いているのも良かった。
物語は、ここからホラー映画ばりのファウンド・フッテージになっていて笑えるのだ。持ち主不在のカメラに残された映像から、事件の真相を探るという手法で、臨場感たっぷりのリアルな冒険を楽しめますから。冒頭で、主人公が婚約者に渡すはずの指輪を友人が飲み込んでしまい、お尻から出てくるのを待つというギャグがあって、下品な作品になるかと思った。ですが、それよりも全編、イージーな手持ちカメラ撮影なのが辛くて、笑いそこねたところもある。
監督・脚本のニコラ・ブナムは、YouTubeに溢れる素人のライブアクションよりも上をいくものをと、かなり本気モードなんですから。命綱が必要な崖の飛び降りも装置の設置ができなかったが、俳優たちは次々に飛び降りるわけ。
離陸中の飛行機によじ登り、高度4千メートルの高さから空へとダイブし、パラシュートを開くという、命がけなシーンも俳優自らこなしたというから凄い。
「食人族」と「ハングオーバー」をくっつけたような作品で、どこまでもノリは軽い。しかし物語の構成は、けっこう緻密で終盤における収束感もピシット決まっていて気持ちがいい。どれもがしっかりと笑えるものであり、大満足。
それと、先住民に追われながらプロペラ機が離陸して、燃料がゼロであり、落下傘で脱出して、島に着地というシークエンスをシームレスで映すなど、映像も凝りまくっているのに驚かされる。
そこに至るまでには数か月の訓練を要したとのこと。忘れそうになるが、これは観客を笑わせるという一点のみに、費やされた労力なのであります。怪しげなエコ精神を笑い飛ばして、誠心誠意作られたおバカで下品な物語に拍手を贈りたいですね。
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