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ある天文学者の恋文 ★★★

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『ニュー・シネマ・パラダイス』『鑑定士と顔のない依頼人』などのジュゼッペ・トルナトーレ監督が放つ、ミステリードラマ。死んだはずの恋人から手紙やプレゼントが届き続ける女性が、その謎を解く姿を彼女の秘めた過去を絡めながら追う。『運命の逆転』などのジェレミー・アイアンズが天文学者である恋人を、『007/慰めの報酬』などのオルガ・キュリレンコがヒロインを力演。深い謎と、舞台となるエディンバラやサン・ジュリオ島の美しい風景に魅せられる。
あらすじ:天文学者エド(ジェレミー・アイアンズ)と、教え子のエイミー(オルガ・キュリレンコ)は、愛し合っていた。だが、エイミーのもとにエドが亡くなったという知らせが飛び込む。悲しみと混乱の中、死んだはずのエドからのメール、手紙、プレゼントが次々と届く。不思議に思ったエイミーは、その謎を解くためにエドの暮らしていたエディンバラや、二人の思い出の地サン・ジュリオ島などを訪れる。やがて、エドが彼女の秘めた過去を秘密裏に調べていたことがわかり……。

<感想>自分の娘と同じ年頃の愛人を持つ天文学者である大学教授。老いらくの恋とはこういうものか?・・・自分が何時かは先に死ぬだろうと予測はしていても、それが癌という病で突然の死を迎えることになるとは。それでも、若い教え子のエイミーのことを忘れらずに、死後のことまで考えて、自分のこと永久に忘れないようにと、DVDや手紙などで送りつけて若いエイミーの心を惑わせる。こんな一筋に世紀の恋を、現在で成立させられるもんかと、案外男って純情なもんだと思ってしまった。

主人公の教授を演じているジェレミー・アイアンズ、老いらくの恋にはぴったりですよね。いぶし銀のような男を演じるには、この俳優さんしかいませんもの。それに、相手のエイミーには、放漫な肉体を曝け出すのも断らない美貌なオルガ・キュリレンコ。彼女だからこそ、演じられる卑俗的な色恋沙汰も、宇宙的規模の崇高さを帯びるもんだと。滅びてもなお光を放って送ってくる星のように、死者から届くメッセージ。

いつまでもそうは言ってられないのに。男って身勝手なものだ。若い妻に幼い息子がいるのに、大学の生徒の愛人を持つ男って、結構精力的なんですね。おばさんから見ると、そんなに死んでもなお、PCやビデオ撮影など、最新の技術を駆使してメッセージを送り続けると言う。どんなに手紙を送りつけて愛していると訴えても、遅かれ早かれ別れが来ると言うものを。

エゴですよ、男の妄想ですね。若い恋人をいつまでも手放したくないために、愛していると手紙を送りつけて、それに博士号取得のために論文まで伝授して、彼女が楽には稼ごうを取得できるようにと。奇想天外な、映画ならではの物語を作ったもんだと。
しかし、エイミーは若いし、いつまでも老いて亡くなった教授のことばかり思っていられない。まぁ、それでも卒業までの年月は、教授のことを愛しているなんて実感していられかも。

それにしても、遺言でイタリアの湖水の小島の別荘をエイミーに譲ることになっていたとは。さすがにお金持ちの教授ですね。こんなパトロンだったら大いに利用しなくては。父親を自分が運転する車の事故で亡くしてしまい、ファザコンなのか、年上の男を愛してしまうエイミー。
しかし、途中で削除するには自分の名前を11回打ち込めば消えてしまうというのだ。それで、つい11回打ち込んでしまい、これっきり彼に会えないと分かると、必死になりまた手紙の続きを貰いたくて、弁護士や彼の友人に頼み込むのです。やっとのことで、復活するも、いつまでもその手紙が続くものではなく、何時かは無くなることを。

ロマンチックな心情は分かりますが、それにしても、奥さんや10歳くらいの息子に、エイミーと同じくらいの娘がいるのに、遊びじゃなくてこれほどまでにエイミーを愛してくれるているとは、教授も残り火を燃やして最後の恋だったのですね。「P.S. アイラヴユー」(2007)と似ているような、そんな感じがした。

エイミーもアルバイトに危険なスタントの仕事をして、博士号取得を目指す大学院生という設定なので、博士を愛していても、いずれは別れがくることを悟っていたと思う。でも、恋をするって歳の差なんて関係ないとばかりに、これほどまでに愛してくれる男って、そうざらにはいないから。遺言で別荘をくれるなんてね。
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