ラドヤード・キプリングによる名作を実写化したアドベンチャードラマ。ジャングルで黒ヒョウとオオカミに育てられた少年が、一匹のトラとの出会いを通して壮大な冒険に身を投じる。監督は『アイアンマン』シリーズなどのジョン・ファヴロー。主演は2,000人もの候補から抜てきされた新星、ニール・セティ。ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソンなどのスターが、動物たちの声を務める。動物と自然の風景の全てを創造した最先端CGに圧倒される。
あらすじ:モーグリは、生まれて間もなくジャングルに取り残されてしまう。黒ヒョウのバギーラから母オオカミのラクシャに託された彼は、愛情に包まれながら自然の厳しさと生き抜くための知恵と術を学んでいく。やがて少年となって動物たちと幸せな日々を過ごしていたモーグリ(ニール・セティ)は、人間に恨みを抱くトラのシア・カーンと出会う。シア・カーンから人間である自分の存在が、ジャングルやそこに住む動物たちの脅威になると言われ……。
<感想>まず驚かされるのは、すべてスタジオ撮影であり、舞台となるジャングルすらCGで作られているという。そして、CGによるホンモノそっくりの動物たちの映像に痺れます。動物たちの毛皮のモフモフの質感や川、雨などの水の質感はこれまでの技術では表現しきれなかったが、今回は見事にホンモノそっくりのリアルな質感を出しているのに驚いた。
オオカミに育てられ、さまざまな困難を乗り越えていく、冒険と成長の物語。その実写化であり、メインストーリーはそのままに、原作の小説から新たな要素を取り入れて、より丁寧にジャングルの仲間との交流や絆を描いた新しい物語が生まれた。「ターザンREBORN」と違って、こっちの動物たちはみな人語を話すんですよ。
だから、「ターザンREBORN」がリアルな動物だとしたら、こちらは人間味溢れる動物たち。声を演じている豪華キャストの表情の動きも取り入れて、実写とアニメの中間のような雰囲気を出している。
吹き替え版で鑑賞したので、声優さんたちも黒ヒョウのバギーラ役:松本幸四郎、クマのバルー役:西田敏行、ベンガルトラのシア・カーン役:伊勢谷友介、オオカミのラクシャ役:宮沢りえなど。特に熊の西田敏行さんが上手かった。子供のオオカミが無邪気で可愛らしくて、人間の赤ん坊を育てる母親のオオカミには、人間の母親以上の愛が注がれていて頭が下がります。
ジャングルは美しく雄大で、生命のパワーに溢れているし、動物たちは毛の質感までリアルで野性味がありながらも、どこか人間臭く愛嬌が感じられる。この準備と制作にどれだけの時間と労力を費やしたのか。クリエイターたちに拍手を送りたいですね。
そんな中で唯一実写となる主人公、モーグリを演じたはインド系アメリカ人の二ール・セディ。2000人ものオーディションの中から大抜擢された彼は、初演技と感じさせないほどに、大胆かつ繊細で、明るく無邪気な少年を演じきっているのに驚きました。
中盤でモグリーがジャングルの冒険に出掛けますが、ニシキヘビの抜け殻を見つけます。そして、大木と見間違うくらい同化した大蛇ニシキヘビに出会います。ニシキヘビの獰猛な顔に体、CGとは思えないくらいに緻密で正確に描かれており、モーグリーがもしかして食べられてしまうのではなんて思ってしまいましたね。体に巻き付かれたニシキヘビの大きさといったら、頭から飲み込まれてしまうほどの大きな口、どうみても助からないと諦めてしまうでしょう。そこへ、熊のバルーがニシキヘビに襲い掛かって助けるんですね。
そして、助けられた恩返しにと、崖の上にたくさんあるハチミツを取って欲しいと頼まれ、初めは蜂に刺されるんじゃないのと言っていたモーグリー、でも崖に上りやっぱり蜂に体中刺されて、それでもハチミツを取って来いと命令する熊。モーグリーが考えて蜂にさされないように体を覆う葉っぱとか、それに蔦で籠やエレベーターのようなものを作って、崖の上からハチミツを取っては籠の中へ入れて下の熊のところへ降してあげる。
その後にサルの軍団にさらわれるところ。すでに人間が住んでいない荒れ果てた都に連れて行かれます。サルの大群は、自分達の王「キング・ルーイ」バギーラ、バルーの協力によってモグリーを発見、そこは、マヤ文化の宮殿があり、その奥には王者マントヒヒがいて、サルたちを牛耳ってました。
そこから逃げるにはどうしたら、と思っていると、王者ヒヒが人間の持っている「赤い花」を持ってくれれば助けてやるというのです。でも、クロヒョウのバギーラが助けに来てくれました。
「赤い花」を持つものは王者になれるともいいます。火の恐ろしさを知らないモーグリーは、人間の世界へと吊り橋を渡っていくモーグリー。でも入り口にあるタイマツを持って直ぐに逃げるのです。「ここは自分の居場所じゃない、ジャングルが自分の住処で大勢の仲間がいることを」
しかし、トラのシア・カーンが突然現れ、持っている「赤い花」タイマツをかざして追い払おうとしますが、その火の粉が乾いた地面に落ちたちまちジャングルは火の海になってしまう。
そこへゾウの大群が現れ、河を堰き止めてジャングルの中へ川の水を入れ、象も鼻で消火作業をしてくれる。
つまりは、「赤い花」とは火のことで、動物を寄せ付けないために人間が火を使って防護していることなのです。それを人間の子供であるモーグリが、火の恐ろしさを知り、ジャングルで生き抜くためにも、むやみに火を武器にすることはしないと誓います。
モーグリはジャングルで生きる人間として「自分の居場所」を探しているんですね。これは、ジャングルの動物たちの仲間なのか、敵なのか、という自らのアイデンティティを問う冒険なのです。
そして、この冒険が終わるとき、少年は大人へと成長する。笑いも涙も、ハラハラするスペクタクル・シーンもあって、しかも自分探しの旅とか、自然と文明や人間との関係など、実は重いテーマも含まれている。大人も子供も誰もが楽しめるエンターテイメントになっているのは間違いないから、全米ヒットも納得ですね。
2016年劇場鑑賞作品・・・157映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:モーグリは、生まれて間もなくジャングルに取り残されてしまう。黒ヒョウのバギーラから母オオカミのラクシャに託された彼は、愛情に包まれながら自然の厳しさと生き抜くための知恵と術を学んでいく。やがて少年となって動物たちと幸せな日々を過ごしていたモーグリ(ニール・セティ)は、人間に恨みを抱くトラのシア・カーンと出会う。シア・カーンから人間である自分の存在が、ジャングルやそこに住む動物たちの脅威になると言われ……。
<感想>まず驚かされるのは、すべてスタジオ撮影であり、舞台となるジャングルすらCGで作られているという。そして、CGによるホンモノそっくりの動物たちの映像に痺れます。動物たちの毛皮のモフモフの質感や川、雨などの水の質感はこれまでの技術では表現しきれなかったが、今回は見事にホンモノそっくりのリアルな質感を出しているのに驚いた。
オオカミに育てられ、さまざまな困難を乗り越えていく、冒険と成長の物語。その実写化であり、メインストーリーはそのままに、原作の小説から新たな要素を取り入れて、より丁寧にジャングルの仲間との交流や絆を描いた新しい物語が生まれた。「ターザンREBORN」と違って、こっちの動物たちはみな人語を話すんですよ。
だから、「ターザンREBORN」がリアルな動物だとしたら、こちらは人間味溢れる動物たち。声を演じている豪華キャストの表情の動きも取り入れて、実写とアニメの中間のような雰囲気を出している。
吹き替え版で鑑賞したので、声優さんたちも黒ヒョウのバギーラ役:松本幸四郎、クマのバルー役:西田敏行、ベンガルトラのシア・カーン役:伊勢谷友介、オオカミのラクシャ役:宮沢りえなど。特に熊の西田敏行さんが上手かった。子供のオオカミが無邪気で可愛らしくて、人間の赤ん坊を育てる母親のオオカミには、人間の母親以上の愛が注がれていて頭が下がります。
ジャングルは美しく雄大で、生命のパワーに溢れているし、動物たちは毛の質感までリアルで野性味がありながらも、どこか人間臭く愛嬌が感じられる。この準備と制作にどれだけの時間と労力を費やしたのか。クリエイターたちに拍手を送りたいですね。
そんな中で唯一実写となる主人公、モーグリを演じたはインド系アメリカ人の二ール・セディ。2000人ものオーディションの中から大抜擢された彼は、初演技と感じさせないほどに、大胆かつ繊細で、明るく無邪気な少年を演じきっているのに驚きました。
中盤でモグリーがジャングルの冒険に出掛けますが、ニシキヘビの抜け殻を見つけます。そして、大木と見間違うくらい同化した大蛇ニシキヘビに出会います。ニシキヘビの獰猛な顔に体、CGとは思えないくらいに緻密で正確に描かれており、モーグリーがもしかして食べられてしまうのではなんて思ってしまいましたね。体に巻き付かれたニシキヘビの大きさといったら、頭から飲み込まれてしまうほどの大きな口、どうみても助からないと諦めてしまうでしょう。そこへ、熊のバルーがニシキヘビに襲い掛かって助けるんですね。
そして、助けられた恩返しにと、崖の上にたくさんあるハチミツを取って欲しいと頼まれ、初めは蜂に刺されるんじゃないのと言っていたモーグリー、でも崖に上りやっぱり蜂に体中刺されて、それでもハチミツを取って来いと命令する熊。モーグリーが考えて蜂にさされないように体を覆う葉っぱとか、それに蔦で籠やエレベーターのようなものを作って、崖の上からハチミツを取っては籠の中へ入れて下の熊のところへ降してあげる。
その後にサルの軍団にさらわれるところ。すでに人間が住んでいない荒れ果てた都に連れて行かれます。サルの大群は、自分達の王「キング・ルーイ」バギーラ、バルーの協力によってモグリーを発見、そこは、マヤ文化の宮殿があり、その奥には王者マントヒヒがいて、サルたちを牛耳ってました。
そこから逃げるにはどうしたら、と思っていると、王者ヒヒが人間の持っている「赤い花」を持ってくれれば助けてやるというのです。でも、クロヒョウのバギーラが助けに来てくれました。
「赤い花」を持つものは王者になれるともいいます。火の恐ろしさを知らないモーグリーは、人間の世界へと吊り橋を渡っていくモーグリー。でも入り口にあるタイマツを持って直ぐに逃げるのです。「ここは自分の居場所じゃない、ジャングルが自分の住処で大勢の仲間がいることを」
しかし、トラのシア・カーンが突然現れ、持っている「赤い花」タイマツをかざして追い払おうとしますが、その火の粉が乾いた地面に落ちたちまちジャングルは火の海になってしまう。
そこへゾウの大群が現れ、河を堰き止めてジャングルの中へ川の水を入れ、象も鼻で消火作業をしてくれる。
つまりは、「赤い花」とは火のことで、動物を寄せ付けないために人間が火を使って防護していることなのです。それを人間の子供であるモーグリが、火の恐ろしさを知り、ジャングルで生き抜くためにも、むやみに火を武器にすることはしないと誓います。
モーグリはジャングルで生きる人間として「自分の居場所」を探しているんですね。これは、ジャングルの動物たちの仲間なのか、敵なのか、という自らのアイデンティティを問う冒険なのです。
そして、この冒険が終わるとき、少年は大人へと成長する。笑いも涙も、ハラハラするスペクタクル・シーンもあって、しかも自分探しの旅とか、自然と文明や人間との関係など、実は重いテーマも含まれている。大人も子供も誰もが楽しめるエンターテイメントになっているのは間違いないから、全米ヒットも納得ですね。
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