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SUPER8/スーパーエイト★★★★

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「M:i:III」「スター・トレック」のJ・J・エイブラムス監督が、本作の製作を務める巨匠スティーヴン・スピルバーグとの夢のコラボで描くSFジュブナイル・アドベンチャー大作。1979年の田舎町を舞台に、8ミリカメラで自主映画を撮影中に偶然列車事故を目撃した少年少女たちが、やがて不可解な事件に巻き込まれ、思いもよらぬ大冒険を繰り広げるさまを、スピルバーグ作品へのオマージュも盛り込みつつノスタルジック・テイストあふれるタッチで描き出す。
あらすじ:1979年の夏。オハイオの小さな町で父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョー。ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズやアリスら5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、列車の脱線事故に遭遇する。またその混乱の中で、8ミリカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から飛び出してくる“何か”を偶然映し出していた。ほどなくして現場には軍が到着。そして彼らは、ある極秘情報が何者かに知られてしまったと、大規模な捜索を展開する。現場から逃げ帰り、誰にも言わないと誓い合うジョーたち。しかし、町では不可解な事件が次々と起き始め、次第に極秘情報である“何か”の実態が明らかとなっていく…。

<感想>WOWOWにて鑑賞。監督にTVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムス、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作。舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で、ちょっと間が抜けているけれど憎めない少年たちが偶然に秘密を知ってしまい、冒険に出るストーリーは『グーニーズ』を、町にざわざわと異変が起こっていく様子は『未知との遭遇』を、そして作品の根幹には『E.T.』のスピリットを感じさせる。
つまり本作には、J.J.も大好きだったスピルバーグ作品のエッセンスが、山ほど詰まっているのだ。そして『クローバーフィールド/HAKAISHA』で見せた“主役は最後の最後まで見せない”J.J.お得意の恐怖演出も冴え渡り、懐かしさと新しい世代の映画術が融合した、世代を問わずに楽しめるエンターテインメント作品になっている。

映画の舞台は偶然と言ってよいのか、あのスリーマイル事故が起きた頃の約30年前のアメリカ。1079年、例の“スーパー8”というフィルムを使って、子供たちがゾンビ映画を撮るという物語だ。
近くの駅でロケーションをしていたとき、偶然に大規模な列車転覆事件に遭遇したのだ。特殊効果の最新技術を駆使したその映像にまず圧倒される。作りものとはいえ列車が脱線転覆する模様はリアルそのものだ。そして感心していたつかの間、今度はそこに米軍の特殊部隊が到着して映画の本筋に入る。
監督のチャールズ、彼が脚本を書いているらしい。不慮の事故で母親を亡くしたばかりのジョーは特殊メイク係で、美術担当。模型を作ったり、ゾンビと対決する刑事役のマーティン、チャールズのアイディアで、物語をふくらますために後から参加することになった刑事の妻役のアリス。それからやたらに物を爆発させるのが大好きなケアリー、いつも冷静で一歩離れて仲間を見ているプレストンが仲間である。

ただのゾンビもの映画ではなく、刑事とその妻の愛情ドラマも盛り込もうと、監督のチャールズは考えていたのだが、そんな夫婦の愛を確かめるシーンを撮ろうと、真夜中に抜けだして、人気のない駅で撮影を始めた彼らの目の前で、大事故が起きる。まだその時、自分たちが撮影したフィルムに、何かが映っているのかは、知らなかった。
この映画に隠された秘密というのは、はっきりいって他愛のない、それこそ少年の夢、男の子の憧れ以外何ものでもない。制作がスピルバーグだから、あ~やっぱりそっちの話しなんだよね。という展開なのだ。しかし、この映画の凄いのは、少年たちのフィルムに何かが映っている、それがアメリカの国家的秘密らしいということ。軍隊がひとつの街を丸ごと避難させても守り通したい秘密で、と言う事でもない。

それにしても、映画に登場してくる少年の一人一人が、たぶんこの映画そのものを作っている、スタッフの少年時代そのままの姿を映し出したのもに違いないから。
監督のチャールズは、J.J.エイブラムスかスピルバーグ自身に違いないし、特殊メイクや模型作りに夢中なジョーは、きっとこの映画の美術スタッフになっているだろう。ケアリーもそうだ、爆発物を扱い、本物の家を燃やしたりすることが、今の彼にとっての仕事で至福の喜びに違いないのだから。
他愛もない物語を、大真面目に映画として成し遂げ、情熱をかける大人たち。彼らの少年時代が、映画にそのままオーバーラップしてくる見事さに、悔しいけれど感動するしかない。

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