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二重生活 ★★

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『愛の渦』『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』などの門脇麦を主演に迎え、小池真理子の小説を映画化したサスペンス。抑え切れない好奇心から、近所の既婚男性を尾行することにハマっていく主人公を描写する。ヒロインを取り巻く男性たちを『鈴木先生』シリーズなどの長谷川博己、『そして父になる』などのリリー・フランキー、『共喰い』などの菅田将暉ら豪華キャストが熱演。緊張感あふれる展開に引き込まれる。
ストーリー:大学院に通う25歳の珠(門脇麦)は、19歳のときに遭遇したある出来事をきっかけに長い間絶望のふちをさまよっていたが、最近ようやくその苦悩から解放された。彼女は一緒に住んでいる恋人卓也(菅田将暉)と、なるべくもめ事にならないよう、気を使いながら生活していた。あるとき、珠は恩師の篠原(リリー・フランキー)から修士論文の題材を提示され……。

<感想>大学院で哲学を学ぶ主人公の珠を演じている門脇麦の、他人のプライバシーを覗くような尾行という行為を真剣に取り組んでいるのが変人だと思った。普通だったら、大学院まで行って哲学を学び修士論文の題材に、他人の生活を覗くという偏見的な行為はまずしないと思うから。

ですが、主人公は教授篠原の「なぜ人間は存在するのか、何のために生きるのか」という問いに答えようと、1人の対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を提案される。これは、安易に教授の欲求でもあるようにも取れるのだが、それに応える彼女も何だか頭がおかしい気がする。

その尾行の相手が、向かいの豪邸に住む、綺麗な妻と幼い娘がいる幸せな暮らしをしている家族なのに。主人公の珠が尾行をしているのを、観ている観客も、覗くというゾクゾクするような一体感が半端ではなかった。

まるで探偵のように彼女は他人の生活を覗き、またその尾行によって男の行為や行動を知り、愛人と外で出会い、ビルの間の隙間でセックスに戯れる二人を見て、若い未熟な珠は興奮したに違いないからだ。それは同棲をしている恋人には無い、何かに惹かれていっているようにも見えた

これは絶対に彼女の尾行が相手に知られていると分かってしまうから。要するに、大人の恋愛、不倫を垣間見て動揺し、自分には無かった体験を観てしまい、頭の中で尾行をした男と寝たいという欲求に迫られる。
ですが、その尾行相手の石坂には、美しい妻と娘がいて大きな家に住み理想的な生活を送っているのだ。だが、妻にも夫の浮気がバレてしまい、ホテルへと乗り込まれてしまう。不倫相手はホテルのトイレで、主人公の珠と鉢合わせになる。その後が、これまた石坂の妻が睡眠薬自殺未遂をして救急車が来る。

だから、尾行がバレてしまい待ち伏せをされて、石坂に問い詰められ、咄嗟に自分からキスをしてホテルへと入るのだ。体を合わせて激しく求める彼女。そのことに気づき始めていた同棲相手の恋人卓也は、ずっと前から彼女の後をつけていて、ホテルに入る2人を目撃している。

そのことだけでなく、アパートのゴミ置き場の防犯カメラに映し出される、管理人のおばさんと彼女に、恋人の卓也の姿が、何気に怪しく映し出されている。

大学教授の篠原を演じている、リリー・フランキーも、いつものベテラン俳優らしく淡々とした振る舞いで、母親が末期がんで余命宣告を受け、自分が独身で嫁ももらわずいい年になっていることが、死にゆく母親にせめてもの安心を与えようと、劇団員の深津絵里さんを妻役に頼み、それはお二人さん仲のいい夫婦に見えましたね。だから、病院へ彼女を連れて行き、死に間際の母親に妻を合わせて安心させることも良かったのでは。

しかしながら、主人公の珠が教授を尾行して、夫婦として二人が仲睦まじくして家の中へ入っていくのを観て安心してしまう。だが、教授はその偽物の妻のことを彼女に知らせようと、深津絵里の劇団を紹介するのだ。
ラストが、ドアノブにロープを首に引っ掛けて結び、自殺をしたような映像は、初めにも映し出されていましたが、まさか教授だと思うのですが、自分が他人を尾行することを提案したことに悔やみ悩んでたのかもしれません。
2016年劇場鑑賞作品・・・130映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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