シェイクスピアによる四大悲劇の一つである戯曲を、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールらの共演で描くドラマ。中世のスコットランドで、欲望と野心に燃える戦士マクベスとその妻の生涯を映す。メガホンを取るのは、『スノータウン』のジャスティン・カーゼル。共演には、『華麗なるギャツビー』などのエリザベス・デビッキ、『NY心霊捜査官』などのショーン・ハリスなど。圧倒的なスケールと繊細な描写や、マイケルとマリオンたちの熱演が見どころ。
あらすじ:中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……。
<感想>有名なシェイクスピアの戯曲の一つですが、舞台劇も映画も見た事ありません。原作はもちろん読んでいますが、主人公をマイケル・ファスベンダーが演じて、妻をマリオン・コティヤールと言うので観賞しました。
画面から観る雄大なスコットランドの山々と領地、そこに空が真っ赤に染まり王位を狙って悪事を働くマクベスの心のような風景が印象的に映し出されます。初めに、マクベスの妻との間に生まれた子供が病気か何かで死に、葬式が映し出されます。
そして、戦争へと駆り出され、マクベスは勇猛果敢だが小心な一面もあるという。その将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる。実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしている。
実際に17年間もの間スコットランドの王位に就いたマクベスなのだが、本当のマクベスは、「人間らしい優しさ」をもつ小心な男だったようです。ですが、どうやら王位に就いたその地位は、戦場で目の前に現れた3人の魔女と妻との言葉の力、その暗示力に惑わされて、邪悪な心を強めて非道な男となっていった結果なのでしょう。
自分の手を真っ赤な血で染めて、何度も寝ているダンカン王を短刀で刺し殺す。その短刀を持って妻のところへ逃げ帰るところは、まさに小心者といっていいでしょう。妻が、ダンカン王の側近たちを睡眠薬で眠らせておき、夫がダンカン王を殺す手はずを整えたのに、殺した短刀を持ちかえってくるとは。妻がその短刀を手に、またもや夫が殺したダンカン王の寝室へと向かう気丈さも、お妃の座を狙う女の意地とも言えるから。
それに、卑怯なのが、朝になるとダンカン王の側近たちが殺したといい、即座に側近たちを打ち首にする。そして罪をきせられた王子マルコムは、イングランドへと亡命する。
バンクォーの子孫が王になると言う魔女の予言を思い出して、その予言を阻止する為に刺客を送り込みました。しかしバンクォーの命を奪う事には成功しましたが、息子のフリーアンスには逃げられてしまうのです。
その夜、晩餐会の席上でバンクォーの不気味な幻影を目の当たりにしてしまい、マクベスは、錯乱状態に陥ってしまう。マクベスは、完全に魔女に言われた言葉に支配されてしまい本来の自分を見失ってしまいます。
精神状態を追い詰められた錯乱状態のマクベスは、これからどうすればよいのかと、荒野の3人の魔女の所へと行き、そこで新たな予言を魔女から受けるのです。その予言とは、「マクダフに用心せよ」、「「女から生まれたものは誰一人マクベスを倒せはしない」、「バーナムの大森林がダンシネインの丘に向かって攻め上って来ないかぎり」と聞き、それでは、マクダフの妻と子供たちを捕らえて火あぶりにして殺してしまう。
そしてマクベスの妻もどんどん衰弱していき、夜中に起き出しては手を洗う仕草を繰り返す。「血の匂いがする、この小さな手、アラビア中の香料をふりかけても いい匂いにはならない」。それから、夫と同じように魔女に会いに行き、精神状態も良くなく遂に息絶えてしまいます。
妻の亡きあとに、魔女たちの言葉に安心したマクベスだが、バーナムの大森林が押し寄せてくるのを見て、自ら戦場に向かい剣を揮うが、「早産の母の死の直後、腹を掻っ捌いて出てきた」と言う、敵将マクダフの前にひるんでしまい、マクダフの手で斬死された。
それにしても原作どうりに、王位を欲しいがために、王様を刺し殺して王子にその罪をなすりつけて、自分が王位に就くとは驚きな展開ですが、それも、魔女や妻の言いなりになりマクベス自身が完全に魔女や妻の言葉に踊らされていたようですね。
確かに人間とは、常に自分の欲望の間で生きてるわけで、占い師とか預言者や魔女のように、未来が見えてるかのような、甘い囁きや言葉を信じてしまい、目の前の現実が見えなくなったのでしょう。
キャスティングは大変良かったと思います。それに、森が真っ赤に燃えて、イングランド勢が押し寄せてくる戦争シーンは、まさにおどろおどろしさが出ており、暗黒の世界を映しだしているのがいい。最後もマクベスの心情を現すような、真っ赤な空の色がどぎつく映りだしたりして、映像美も良かったですね。
2016年劇場鑑賞作品・・・98映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……。
<感想>有名なシェイクスピアの戯曲の一つですが、舞台劇も映画も見た事ありません。原作はもちろん読んでいますが、主人公をマイケル・ファスベンダーが演じて、妻をマリオン・コティヤールと言うので観賞しました。
画面から観る雄大なスコットランドの山々と領地、そこに空が真っ赤に染まり王位を狙って悪事を働くマクベスの心のような風景が印象的に映し出されます。初めに、マクベスの妻との間に生まれた子供が病気か何かで死に、葬式が映し出されます。
そして、戦争へと駆り出され、マクベスは勇猛果敢だが小心な一面もあるという。その将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる。実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしている。
実際に17年間もの間スコットランドの王位に就いたマクベスなのだが、本当のマクベスは、「人間らしい優しさ」をもつ小心な男だったようです。ですが、どうやら王位に就いたその地位は、戦場で目の前に現れた3人の魔女と妻との言葉の力、その暗示力に惑わされて、邪悪な心を強めて非道な男となっていった結果なのでしょう。
自分の手を真っ赤な血で染めて、何度も寝ているダンカン王を短刀で刺し殺す。その短刀を持って妻のところへ逃げ帰るところは、まさに小心者といっていいでしょう。妻が、ダンカン王の側近たちを睡眠薬で眠らせておき、夫がダンカン王を殺す手はずを整えたのに、殺した短刀を持ちかえってくるとは。妻がその短刀を手に、またもや夫が殺したダンカン王の寝室へと向かう気丈さも、お妃の座を狙う女の意地とも言えるから。
それに、卑怯なのが、朝になるとダンカン王の側近たちが殺したといい、即座に側近たちを打ち首にする。そして罪をきせられた王子マルコムは、イングランドへと亡命する。
バンクォーの子孫が王になると言う魔女の予言を思い出して、その予言を阻止する為に刺客を送り込みました。しかしバンクォーの命を奪う事には成功しましたが、息子のフリーアンスには逃げられてしまうのです。
その夜、晩餐会の席上でバンクォーの不気味な幻影を目の当たりにしてしまい、マクベスは、錯乱状態に陥ってしまう。マクベスは、完全に魔女に言われた言葉に支配されてしまい本来の自分を見失ってしまいます。
精神状態を追い詰められた錯乱状態のマクベスは、これからどうすればよいのかと、荒野の3人の魔女の所へと行き、そこで新たな予言を魔女から受けるのです。その予言とは、「マクダフに用心せよ」、「「女から生まれたものは誰一人マクベスを倒せはしない」、「バーナムの大森林がダンシネインの丘に向かって攻め上って来ないかぎり」と聞き、それでは、マクダフの妻と子供たちを捕らえて火あぶりにして殺してしまう。
そしてマクベスの妻もどんどん衰弱していき、夜中に起き出しては手を洗う仕草を繰り返す。「血の匂いがする、この小さな手、アラビア中の香料をふりかけても いい匂いにはならない」。それから、夫と同じように魔女に会いに行き、精神状態も良くなく遂に息絶えてしまいます。
妻の亡きあとに、魔女たちの言葉に安心したマクベスだが、バーナムの大森林が押し寄せてくるのを見て、自ら戦場に向かい剣を揮うが、「早産の母の死の直後、腹を掻っ捌いて出てきた」と言う、敵将マクダフの前にひるんでしまい、マクダフの手で斬死された。
それにしても原作どうりに、王位を欲しいがために、王様を刺し殺して王子にその罪をなすりつけて、自分が王位に就くとは驚きな展開ですが、それも、魔女や妻の言いなりになりマクベス自身が完全に魔女や妻の言葉に踊らされていたようですね。
確かに人間とは、常に自分の欲望の間で生きてるわけで、占い師とか預言者や魔女のように、未来が見えてるかのような、甘い囁きや言葉を信じてしまい、目の前の現実が見えなくなったのでしょう。
キャスティングは大変良かったと思います。それに、森が真っ赤に燃えて、イングランド勢が押し寄せてくる戦争シーンは、まさにおどろおどろしさが出ており、暗黒の世界を映しだしているのがいい。最後もマクベスの心情を現すような、真っ赤な空の色がどぎつく映りだしたりして、映像美も良かったですね。
2016年劇場鑑賞作品・・・98映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング