Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

ベテラン ★★★★

$
0
0
『生き残るための3つの取引』『ベルリンファイル』などのリュ・スンワン監督による社会派アクション。タブーとされる財閥の横暴に立ち向かう刑事の姿に迫る。正義感の強い主人公を『国際市場で逢いましょう』などのファン・ジョンミンが演じ、財閥の金と権力でやりたい放題な御曹司を、『ワンドゥギ』などのユ・アインが熱演。韓国社会の財閥の裏側に切り込んだ快作に心が晴れる。
あらすじ:広域捜査隊所属の刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は、長きにわたり追跡してきた事件をようやく解決したばかりだった。そんな折、彼はパーティーで怖いもの知らずの財閥3世チョ・テオ(ユ・アイン)と出くわす。ある事件を追っていたドチョルは長年の勘で、その事件の背後にテオがいると感じるが……。

<感想>熱血刑事を演じたファン・ジョンミンが良かった。家では子煩悩でもあり奥さんに頭が上がらない。けれども仕事とくれば大企業の御偉いさんでも、容赦しないで逮捕する活劇であります。そういえば、大企業のお嬢様の「ナッツリターン事件」がだいぶ前でしたがTVで世間を賑わしていましたね。

そうなんです、この映画の中でも悪役のボンボンの極悪非道ぶりが、香港映画のように賑やかな刑事チームによって相殺され、映画全体は決して暗くはならないのだ。
主人公の刑事が高級車のベンツを密かに輸出しようとする犯罪組織を、港で摘発したり、その時の港のコンテナ倉庫での捕り物シーンでは、広域捜査隊所属の刑事ソ・ドチョルが、コンテナに挟まったりしてもう笑いどころが満載。
物語は、ある日のこと、ドチョルのもとにかつて世話になったトラック運転手のペが、意識不明の重体との知らせが入る。

ドチョルは、ペが賃金トラブルで巨大財閥シンジン・グループを訪れていたことを知る。事件を探るうち、これが財閥御曹司テオ(ユ・アイン)の仕業であることを突き止めたドチョルなのだが、テオの右腕のチェ常務(ユ・ヘジン)が警察もマスコミも金で丸め込み、事件はもみ消されていた。

怒りに燃えて、御曹司のテオを追うドチョルだが、チェ常務の策略で警察の内部調査の対象にされてしまう。さらには命まで狙われるドチョルなのだが、彼を救ったのが固い絆で結ばれた広域捜査隊の仲間たちであった。彼らは国外逃亡を図るテオとの最終決戦に挑むのである。

タフな熱血刑事と財閥御曹司の悪漢との対決をハイテンポで描いている刑事アクションであり、アクションがフィジカルなギャグに繋がっているのも楽しい。

トラック運転手が、子供を連れて賃金の交渉に事務所にいくも、息子の観ている前で、素手でボクシング試合のような殴り合いになり、ボコボコにされた父親のペに、御曹司が小切手を切る。そうなら、何故にもっと早くに賃金を支払わないのだ。そして、父親が息子をタクシーに乗せて帰した後に、ハラワタが煮えくり返る思いの父親は事務所に戻り、またもやボコボコに殴られ頭を打って死んでしまう。その遺体を階段から投げ捨てて自殺をしたように見せかけるのだ。サディストで異常者としか思えない大企業の御曹司、その不始末のしりぬぐいが仕事のチェ常務。想像を絶する悪役コンビをユ・アインとユ・ヘンジが面白おかしく演じているのもいい。

刑事ソ・ドチョルが、所属は違えど運転手ペの友達ということで、悪徳御曹司の会社を調べあげ、陰で麻薬の取引もしていることが分かり、ファン・ジョンミンたち広域捜査隊も、紅一点を交えて破天荒な人物揃いのつわものばかり。アクションに笑い、スピーディな展開も中々快調であり満足でした。
最後は監視映像のない密室で行われた暴力に、端を発する事件の決着としてまさに相応しいアクションのクライマックスでした。

2016年劇場鑑賞作品・・・50映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles