Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

籠の中の乙女 ★★★

$
0
0
2009年、ギリシャ、監督:ヨルゴス・ランティモス、出演クリストス・ステルギオグル、ミシェル・ヴァレイ、アンゲリキ・パプーリア。

あらすじ:ギリシャ郊外の豪邸で暮らすある家庭では、そこに住む3人の子供たちは生まれてから一度も家の外へ出たことがない。両親に独自の厳格なルールで躾けられていた。しかし、長男の性欲を処理するために女性が呼ばれたことから、家族の関係に破綻が生じていく。

<感想>ギリシャの映画なんですね。この映画も残念ながら地方では上映されなかった。それでも見てみると突拍子もない作品でしたね。父親が自分の子供たち、長男と長女に次女の3人の子供を外の世界を遮断して、家の中だけで育てている家族の話なんです。もちろん母親は子育て専門なんですが、母親も家から外へは出て行かない。だから生活必需品や、毎日の食料など、全て父親が仕事の帰りに買って帰るという。

もう、凄く異様でした。しかもそういうふうに育てている両親の思いや考えは、まったく描かれていないので、「何でなの?」とずっと気になりながら観ていました。家の中では変なことばかりしてましたね。ある単語を違う言葉に置き換えて教えていたり、つまり塩は電話、海はソファ、カービン銃は白い鳥というふうに、食事の時にはみんな正装して、あんなふうに子供を外へ出さないで育てるって、相当の金持ちか豪邸じゃないと無理かと。確かに家の敷地は広いし、プールもあって、でも家庭教師とかはつけていないし、お手伝いさんもいない。

だから、子供たちは20歳は超えていると思うのだが、世間のことを知らずに、オツムが幼い子供みたいで、毎日遊んで暮らしている。
面白いのが年頃の息子の性処理に、父親が外から女を連れてくる。ところが娘たちと仲良くなり、外の世界の情報を与えてしまい、お払いばこになって父親にビデオデッキで頭を強打されるクリスティーナが気の毒です。
そういえば、この家のみんな名前がついてなかった。それで長女が自分のことをブルースと呼んでと勝手に名前を付けた。その性処理の彼女が来なくなったので、父親は姉妹のどちらかを選べと、酷い話ですよね。ですが映画的にはB級映画っぽいシーンも、クリスティーナと息子のベッドシーンで、女性はそのままで、男性の顔が鏡に映っているところとか、いいカットが多いですね。この息子は童貞だから、どうしたらいいのか分かんないのよ。

後は後半の両親の結婚記念日のお祝いで、息子がギターを弾いてこれが上手いんです。それに合わせて姉妹がダンスをするシーン。まるで操り人形みたいな変なダンスで、姉の方が踊り狂ってちょっと危ない人になってました。それに、外へ出られるのは「犬歯が抜けてから」って、そう簡単に犬歯が抜けるか!ってね。それで、姉は外へ出たいばかりに、鉄アレイで犬歯めがけてガツンと、血だらけになりながら3本くらい抜けてましたね。外へ出たいという思い込みから、うわ〜っと感情が溢れ出てくるところが切なかったです。
ラストは、その姉が父親の車のトランクの中に隠れて、翌朝父親が出勤する車で勤めている工場へと。・・・トランク開かなかったです、もしかして死んでたりして。父親がレコードをかけて、「Fly Me To The Moon」の英語の翻訳をギリシャ語で適当に、自分に都合のいいように訳して歌う、真剣な顔が印象的です。それに、最後まであの傲慢な両親は理解できなかった。
2013年DVD鑑賞作品・・・19  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles